好調継続の中小型株、23年3月期【連続増益】リスト〔第1弾〕 <成長株特集>

特集
2022年6月23日 19時40分

「成長株特集」では3月期決算企業の本決算発表が出そろってから、これまで23年3月期に最高益を見込む企業にスポットライトを当てて特集記事を配信してきた。今回は最高益リストからは外れたものの、23年3月期に好業績が続く見通しを示している成長企業を探ってみた。

下表では、時価総額400億円以上2000億円未満の企業(最高益銘柄を除く)の中から、(1)23年3月期の経常利益が2ケタ成長かつ連続増益を見込む、(2)23年3月期の売上高が増加する見通し、といった条件を満たした29社を選び出し、経常増益率が大きい順に並べた。

増益率トップとなったのは、自動車用防振ゴム大手の住友理工 <5191> [東証P]。23年3月期は世界的な半導体不足などの影響で落ち込んだ自動車の生産回復を背景に、税引き前利益は前期比28.4倍の110億円に急拡大する見通しだ。4位に入ったベアリング大手のNTN <6472> [東証P]も前期赤字だった自動車事業の業績好転を見込む。自動車向けの需要が持ち直すなか、調達改革によるコスト削減や原材料高騰分の販売価格への転嫁、値引き抑制を強力に推進する方針としている。

2位にリスト入りしたワールド <3612> [東証P]の今期税引き前利益は前期比6.8倍の96億円に拡大する計画だ。前期までに完了したブランド事業の構造改革効果がフル寄与するほか、2月に子会社化したナルミヤ・インターナショナル <9275> [東証S]の業績上積みが収益を押し上げる。業績好調に伴い、配当は前期比21円増の48円に大幅増配を計画する。

続く3位のエイチ・ツー・オー リテイリング <8242> [東証P]は新型コロナウイルス感染拡大の収束や阪神梅田本店のグランドオープン効果で百貨店事業の収益が拡大するほか、昨年12月に子会社化した関西フードマーケット <9919> [東証S]の業績も加わり、今期経常利益は前期比3.0倍の70億円を計画する。6月から訪日外国人観光客の受け入れが再開され、足もとではインバウンド需要回復への期待も高まっている。

選出リストには、コロナ禍からの経済再開に伴う業績回復が期待されるリオープン関連が目立つ。複合レジャー施設を運営する5位のラウンドワン <4680> [東証P]は国内でクレーンゲームフロア「ギガクレーンゲームスタジアム」への改装を進めることでアミューズメント部門が大きく伸びるほか、米国事業は景気回復を背景に好調が継続する見通しだ。

7位に入ったセレクトショップ大手のユナイテッドアローズ <7606> [東証P]は緊急事態宣言が解除され、経済活動が正常化に向かった前期下期からの回復傾向が続く。単体の既存店売上高が2ケタ成長するほか、インターネット通販の復調を見込んでいる。

10位のAOKIホールディングス <8214> [東証P]は複合カフェやカラオケを展開するエンターテインメント事業の収益が拡大するほか、ブライダル事業の黒字化とファッション事業の増収増益を見込む。同じく紳士服大手で20位の青山商事 <8219> [東証P]はオーダースーツの対応店舗を拡大するなど、高付加価値商品を伸ばす計画だ。

19位にリストアップされた共立メンテナンス <9616> [東証P]の今期経常利益は22億円と前期比21.3%の増益を目指す。観光需要の回復を背景に、ビジネスホテル「ドーミーイン」やリゾートホテルの収益が大きく改善する。なお、前期に82億円の営業利益を計上した不動産流動化事業は業績予想に織り込んでいない。好調な業績が評価され、株価は8日に19年12月以来の高値となる5240円まで上値を伸ばす場面があった。

    ┌ 経常利益 ┐   ┌ 売上高 ┐   増益  予想

コード 銘柄名    増益率 23年3月期 増収率 23年3月期 連続期数  PER

<5191> 住友理工    2742   11000  21.1  540000    2  28.0 *

<3612> ワールド     581   9600  23.7  212000    2  7.8 *

<8242> H2Oリテイ   198   7000  27.3  660000    2  15.4

<6472> NTN      193   20000  12.1  720000    2  13.9

<4680> ラウンドワン   150   13400  34.5  129670    2  16.6

<7105> ロジスネクス   116   7000  16.0  540000    2  34.9

<7606> Uアローズ   85.0   5230   9.8  130000    2  18.7

<9081> 神奈交     83.7   4750   2.9  100600    2  11.6

<9052> 山陽電     70.8   3052  10.9   37872    2  22.4

<8214> AOKIHD  60.6   7000   7.2  166100    2  18.0

<6366> 千代建     57.5   18000  60.7  500000    2  9.1

<6103> オークマ    57.3   24500  21.5  210000    2  9.5

<5727> 邦チタ     54.5   8000  45.9   81000    2  28.4

<6590> 芝浦      33.3   6500  13.7   56000    3  8.5

<5801> 古河電     32.2   26000  12.8  1050000    2  10.9

<8130> サンゲツ    30.4   10700   6.4  159000    2  12.9

<6908> イリソ電子   28.2   6200  17.4   51500    2  16.4

<5449> 大阪製鉄    26.3   5000  34.0  140000    2  15.9

<9616> 共立メンテ   21.3   2200   0.2  174000    2  193

<8219> 青山商     20.4   6200  11.2  184500    2  18.7

<6741> 信号      19.3   7800  11.7   95000    2  10.8

<6104> 芝浦機     18.8   5400  11.3  120000    2  15.3

<3580> 小松マテーレ  16.1   2500   9.7   34500    2  26.0

<6961> エンプラス   15.9   4000   6.4   35000    2  9.7

<7296> FCC     13.9   13600  13.5  194000    3  7.5 *

<3156> レスターHD  11.8   7500  11.4  445000    2  9.6

<3002> グンゼ     11.1   6000   9.4  136000    2  17.0

<5988> パイオラック  10.8   6400  13.7   62700    2  15.3

<3232> 三重交HD   10.0   4600   9.1   92000    2  16.4

※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前期と比べた増加率、単位は%。経常増益の連続期数は通期ベースの連続回数。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。

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