ダウ平均は大幅続落 大手銀の冴えない決算を嫌気=米国株序盤
NY株式14日(NY時間10:05)
ダウ平均 30158.14(-614.65 -2.00%)
ナスダック 11019.80(-227.78 -2.03%)
CME日経平均先物 26555(大証終比:-145 -0.55%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は大幅に5日続落して始まっている。下げ幅は600ドルを超えた。取引開始前に発表になったJPモルガン<JPM>とモルガン・スタンレー<MS>の決算が冴えない内容だったことが嫌気されている。
JPモルガンは潜在的な損失をカバーするための資金を準備するために自社株買いを停止した。同銀のダイモンCEOは、世界経済の成長を脅かすものとして、地政学的緊張、高インフレ、量的引き締めなど多くの懸念事項を挙げた。一方、モルガン・スタンレーは投資銀行部門が世界的なディール・メイキングの不振に対処するのに苦労し予想を下回った。
市場からは、「今回の決算はガイダンスが大幅に下方修正される可能性が高く、今回の決算シーズンの多くはCEOにとって告白期間となる」との声も出ている。いまのところ、S&P500企業の最終利益は5.7%の増益が予想され、期初の6.8%からは下方修正されている。
また、前日の米消費者物価指数(CPI)を受けて、市場では今月のFOMCでの1.00%ポイントの利上げ期待が高まっている。CMEが公表しているFEDウォッチでは、その確率を80%超で見込んでいる。今年に入り、世界中の中央銀行が高騰するインフレを抑えるために積極利上げに動き、過去数十年で最悪の上半期となったが、下半期に入ってもリセッション(景気後退)への懸念は市場を覆っている。
銀行株のほか、エネルギーや産業、IT・ハイテク株など幅広いセクターに売りが広がっている。一方、航空株が逆行高。今週のデルタ航空<DAL>の決算では回復傾向を堅調にしているものの、コスト増が利益を圧迫し、株価は冴えない反応を示していた。しかし、きょうも原油相場が急落しており、WTIは一時90ドル台まで急落。航空会社のコストにとっては追い風となる。
JPモルガン<JPM> 106.66(-5.25 -4.69%)
モルガン・スタンレー<MS> 72.75(-2.24 -2.98%)
デルタ航空<DAL> 29.85(+0.15 +0.49%)
ユナイテッド航空<UAL> 38.30(+0.39 +1.03%)
アメリカン航空<AAL> 14.47(+0.16 +1.12%)
アップル<AAPL> 143.69(-1.80 -1.24%)
マイクロソフト<MSFT> 247.16(-5.56 -2.20%)
アマゾン<AMZN> 107.91(-2.49 -2.26%)
アルファベットC<GOOG> 2188.16(-55.58 -2.48%)
テスラ<TSLA> 689.17(-21.95 -3.09%)
メタ・プラットフォームズ<META> 158.11(-5.38 -3.29%)
AMD<AMD> 76.88(-0.64 -0.82%)
エヌビディア<NVDA> 148.57(-3.07 -2.02%)
ツイッター<TWTR> 36.56(-0.19 -0.52%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美