14日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は上昇、金融不安後退や予想通りのCPIで投資家心理改善
■NY株式:米国株式市場は上昇、金融不安後退や予想通りのCPIで投資家心理改善
ダウ平均は336.26ドル高の32,155.40ドル、ナスダックは239.31ポイント高の11,428.15で取引を終了した。
2月消費者物価指数(CPI)が予想通り伸びの鈍化基調を示したほか、財務省高官が当局の保証額以上の預金も含め全預金の安全性を強調する姿勢を見せたことで連鎖的な銀行破綻への懸念が後退し、大幅高でスタート。一方、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測再燃で金利が上昇したため伸び悩んだ。また、ロシア軍戦闘機との衝突で偵察用無人機が墜落したとの軍の発表を受け、地政学リスクを警戒した売りも上げ幅を縮小させた。ただ、終盤にかけては再び買い戻しが強まり、主要株価指数はプラス圏で終了。セクター別では自動車・自動車部品、メディア・娯楽、銀行が上昇した。
配車サービスのウーバーテクノロジー(UBER)やリフト(LYFT)、宅配サービスを提供するドアダッシュ(DASH)は、カリフォルニア州控訴裁判所が各社が主張するギグワーカーを従業員ではなく契約社員として扱うことを承認したためそれぞれ上昇。また、ソーシャルメディアのフェイスブック(FB)を運営するメタ・プラットフォームズ(META)は経費削減と効率化の目的で1万人の追加人員削減を発表し、買われた。地銀のウェスタン・アライアンス・バンコープ(WAL)はヘッジファンドのシタデルが同社株を大量購入したとの報道で上昇。同業のキーコープ(KEY)やコメリカ(CMA)もシリコンバレー銀行やシグネチャー銀行の破綻後の預金の引き出しが目立って増えた兆候が見られないと確認されたため、安心感から買われた。一方、航空会社のユナイテッド(UAL)は季節的に需要が弱く、さらに、高い燃料コストを理由に第1四半期の損失予想を示したことで売られた。
格付会社のムーディーズは米銀システム見通しを「安定的」から「ネガティブ」へ引き下げた。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米金融システム不安鎮静化でリスクオン
14日のニューヨーク外為市場でドル・円は、133円85銭まで下落後、134円90銭まで上昇し、134円22銭で引けた。米2月消費者物価指数(CPI)でコア指数が前月比で予想外に伸びが拡大したものの前年比では大半の予想通り伸び鈍化傾向が確認されたためドル売りが優勢となった。その後、金融システムへの不安鎮静化で、FRBの利上げ観測が再燃し金利上昇に伴うドル買いが強まった。
ユーロ・ドルは、1.0698ドルまで反落後、1.0750ドルまで戻し、1.0735ドルで引けた。ユーロ・円は143円59銭から144円41銭まで上昇した。リスク選好の円売りに上昇したのち、ロ軍戦闘機が黒海上空で米偵察用無人機と衝突したとの報道を受け地政学的リスクの上昇で伸び悩んだ。ポンド・ドルは、1.2204ドルまで上昇後、1.2136ドルまで反落した。ドル・スイスは、0.9097フランから0.9165フランまで上昇した。
■NY原油:大幅続落で71.33ドル、一時71ドルを下回る
NY原油先物4月限は大幅続落(NYMEX原油4月限終値:71.33 ↓3.47)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比-3.47ドルの71.33ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは70.78ドル-74.90ドル。アジア市場の前半で74.90ドルまで買われたが、リスク回避の売りが次第に強まり、米国市場の後半にかけて70.78ドルまで一段安となった。米国株式が反発したことから71.59ドルまで戻した。米国経済の先行き不安は払しょくされていないため、通常取引終了後の時間外取引では主に71ドル台で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 28.76ドル +0.25ドル(+0.88%)
モルガン・スタンレー(MS) 89.97ドル +1.98ドル(+2.25%)
ゴールドマン・サックス(GS)322.15ドル +6.64ドル(+2.10%)
インテル(INTC) 28.01ドル +1.06ドル(+3.93%)
アップル(AAPL) 152.59ドル +2.12ドル(+1.41%)
アルファベット(GOOG) 94.25ドル +2.59ドル(+2.83%)
メタ(META) 194.02ドル +13.12ドル(+7.25%)
キャタピラー(CAT) 225.67ドル +0.97ドル(+0.43%)
アルコア(AA) 44.59ドル -0.12ドル(-0.27%)
ウォルマート(WMT) 138.10ドル +0.73ドル(+0.53%)
《ST》