<動意株・28日>(大引け)=ナカノフドー、松井建、さくらネットなど
低PBRで高配当利回りの建設セクター=物色の矛先向く。ナカノフドー建設<1827>は、21年8月中旬以来約1年8カ月ぶりにフシ目の400円台に乗せてきた。また、松井建設<1810>も約1年1カ月ぶりの700円台乗せとなった。ここにきて、低PBRで配当利回りの高い建設セクターに物色の矛先が向いている。今週に入り英国の有力ファンドが大林組<1802>に対し6月に行われる株主総会の議題として12円の特別配当を提案して話題となったほか、清水建設<1803>は上限200億円の自社株買いを発表し、これを好感して株価を急伸させるなど、大手ゼネコンの株主還元に絡む思惑がマーケットの関心を集めた。建設セクターはPBRが1倍を大きく下回る銘柄が多く、中堅建設には特に目立つ。既に配当利回りの高い銘柄も多いが、東証の低PBR改善要請を背景に、株価が大幅に会社解散価値を下回る銘柄の注目度がにわかに高まっている。ナカノフドーはPBR0.3倍台で3%近い配当利回りを有し、松井建はPBR0.4倍台で配当利回りは3%を超えている。
さくらインターネット<3778>=4日ぶり急反発。27日の取引終了後、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示した。売上高は前期比10.6%増の228億円、最終利益は同27.5%増の8億5000万円を見込む。最終利益は3期ぶりに最高益を更新する見通しとなり、これを好感した買いが集まったようだ。クラウドサービスの継続的な成長を見込む。23年3月期の決算は売上高が前の期比3.0%増の206億2200万円、最終利益が同2.4倍の6億6600万円だった。電力費の増加や、円安によるドメイン取得原価の増加といった影響を受けながらも、投資の効率化やデータセンターの最適化が進み、利益を押し上げた。
マキタ<6586>=ストップ高寸前。大きくマドを開けて上昇、一時685円高(21.6%高)の3860円とストップ高まであと15円に迫る急騰を演じた。電動工具のトップメーカーで、原料コスト高騰の影響で足もとの収益環境は厳しく、23年3月期の最終利益は前の期比82%減の117億500万円と低調だった。しかし、これは株価面では既に織り込みが進んでいる。一方、24年3月期見通しについては、前期比2.8倍の333億円と急拡大を見込んでいる。在庫調整の一巡と製品価格の値上げによる原料コスト相殺が利益回復に寄与する。これに加え、発行済み株式数1.14%相当の310万株、金額ベースで100億円を上限とする自社株買いを実施することも併せて発表しており、これを材料視する投資資金の流入が加速した。信用買い残は枯れた状態で、株式需給面でも上値の軽さが意識された。
三井E&S<7003>=大幅反発で年初来高値更新。同社は27日取引終了後、23年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業損益の見通しを従来の10億円の黒字から90億円の黒字(前の期は100億2900万円の赤字)に引き上げたことが好感されているようだ。売上高予想も2400億円から2600億円(前の期比55.1%減)に上方修正した。エンジニアリング事業の売上高が増加したほか、機械事業も順調に売り上げを積み上げたことが主な要因。また、保守的に見込んでいた費用などの減少もあわせて見直したことが寄与した。
シダー<2435>=物色人気にストップ高。同社は27日取引終了後、23年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業利益の見通しを従来の1300万円から1億3600万円(前の期比29.5%減)に上方修正したことが好感されているようだ。売上高予想は163億7900万円から164億4200万円(同4.4%増)に引き上げた。施設サービス事業が予想よりも堅調に推移。利益面では、介護に係る人件費が想定を下回り、売上原価が減少したことが寄与した。
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最終更新日:2023年04月28日 15時12分