ナイキが決算受け下落 在庫処理が粗利益を圧迫 中国はアウトパフォーム=米国株個別
ナイキ<NKE>が下落。前日引け後に3-5月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益は予想を若干下回ったものの、売上高は予想を上回った。粗利益率は予想こそ若干上回ったものの、前年からは低下している。製品投入や輸送のコスト上昇、在庫処理のための値下げ、および、継続的なドル高が圧迫した。ただ、戦略的な価格設定と大中華圏の改善で相殺されたとしている。
ドナホCEOは余剰在庫を値引きで処理しており、それが利益率を圧迫している。第4四半期の在庫も前年比で僅かだが増加していた。ただ、過去2年間苦戦を強いられてきた重要な成長市場である中華圏の業績は徐々に回復している。
また、同社のフレンドCFOがアナリストとの会見で、2024年度の通期売上高見通しが1桁台半ばの伸びになると述べたことも不満のようだ。アナリストは6%の伸びを予想している。
アナリストは「中国でのアウトパフォームが、利益率低下と軟調な24年度のガイダンスによって覆い隠された。ただ、同社のブランドへの親近感は依然として強く、製品のイノベーションに注力していることには勇気づけられる。しかし、マクロ環境の圧力や卸売りの在庫要因などによって、成長は当面、厳しいと見ている」と述べた。また、「同社の長期的な利益拡大についても懸念している」とも語った。
(3-5月・第4四半期)
・1株利益(調整後):0.66ドル(予想:0.67ドル)
・売上高:128.3億ドル(予想:125.9億ドル)
北米:53.6億ドル(予想:52.8億ドル)
EMEA:33.5億ドル(予想:32.9億ドル)
中華圏:18.1億ドル(予想:16.4億ドル)
アジア太平洋・中南米:17.0億ドル(予想:17.2億ドル)
・粗利益率(調整後):43.6%(予想:43.5%)
・在庫:84.5億ドル(予想:88.8億ドル)
(NY時間09:43)
ナイキ<NKE> 110.41(-2.96 -2.61%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美