話題株ピックアップ【夕刊】(2):カルビー、日東電、セブン&アイ

注目
2023年8月31日 15時16分

■カルビー <2229>  2,905.5円  +48 円 (+1.7%)  本日終値

カルビー<2229>が3日続伸した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が30日、カルビーのレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」に引き上げた。目標株価は3000円から3300円に修正した。国内事業について、値上げ効果や販売数量の回復で利益が想定よりも切り上がる見通しだと指摘。国内事業は構造改革が進み、中長期的な競争力強化と利益率の向上につながると予想する。同証券はカルビーの25年3月期営業利益予想を255億円から280億円に見直している。

■日東電工 <6988>  9,949円  +134 円 (+1.4%)  本日終値

日東電工<6988>がしっかり。30日の取引終了後、自社株620万6693株(発行済み株数の4.14%)を9月15日付で消却すると発表しており、好材料視された。なお、消却後の発行済み株数は1億4355万1735株となる予定だ。

■東邦銀行 <8346>  277円  +3 円 (+1.1%)  本日終値

東邦銀行<8346>が5連騰で、2019年12月以来、3年8カ月ぶりの高値水準をつけた。国内金利の先高観を背景とした地銀セクターへの資金流入が直近の株価を押し上げてきたが、30日の取引終了後に東邦銀と100%子会社のとうほう証券、野村ホールディングス<8604>傘下の野村証券の3社間で包括的業務提携に関する基本合意書を締結したと発表。今後のサービスへのプラス効果を期待した買いが入ったようだ。東邦銀の公共債・投資信託の窓販業務や一部の登録金融基幹業務に関する顧客口座、とうほう証券の顧客口座に関する権利義務を野村証券が承継する。また、野村証券の社員が東邦銀行へ出向し、専門的なノウハウなどの提供を通じ営業を支援する。東邦銀が地盤とする福島県では預貯金残高が増加傾向にあり、家計の資産形成へのニーズの高まりも想定されるという。

■セブン&アイ <3382>  5,981円  +52 円 (+0.9%)  本日終値

セブン&アイ・ホールディングス<3382>が堅調。日本経済新聞電子版は31日、「セブン&アイ・ホールディングス(HD)は31日、臨時取締役会を開き百貨店子会社のそごう・西武を米ファンドに9月1日付で売却することを決議した」と報じた。そごう・西武に対する貸付金約1600億円のうち、900億円程度を放棄する方針も決めたという。経営資源の選択と集中に向けた一歩を評価した買いが入ったようだ。報道によると、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループによる最終的な買収額は当初から300億円程度少ない2200億円程度となったもようだという。今回の百貨店子会社の売却を巡っては、そごう・西武の労働組合が反発し、31日にストライキを実施。西武池袋本店は同日に全館臨時休業となった。

■東京きらぼし <7173>  3,850円  +30 円 (+0.8%)  本日終値

東京きらぼしフィナンシャルグループ<7173>が続伸。30日の取引終了後、子会社きらぼしシステムがSES(システム・エンジニアリング・サービス)事業及びシステムの受託開発事業を展開するアイティーシー(東京都豊島区)の全株式を10月2日の予定で取得し、関係当局の許認可などを前提として、子会社化すると発表したことが好材料視された。東京きらぼしは「金融にも強い総合サービス業」を目指しており、アイティーシーの子会社化は、グループ会社のUI銀行やきらぼしテックなどが開発するシステム・アプリの内製化や、きらぼし銀行の取引先へのICTコンサルティングの提供に寄与すると判断したという。取得価額は非開示。なお、業績への影響は軽微としている。

■富士電機 <6504>  6,875円  +50 円 (+0.7%)  本日終値

富士電機<6504>が4日続伸。この日、EV充電サービスを展開するユビ電(東京都港区)に出資したと発表しており、好材料視された。ユビ電は19年に創業し、集合住宅や商業施設等の駐車場向けを中心にEV充電サービスを展開するスタートアップ企業。富士電機は現在、ユビ電のEV充電サービス「WeCharge」向けに、複数のEV充電器を束ねて電力供給を集中的に監視・制御する「充電コントローラ」を提供しているが、今回の出資により協業を強化するとしている。また、ユビ電の充電インフラを活用し、EV蓄電池を用いた蓄電池システムやエネルギー管理システム(EMS)の開発を行うなど、EV充電システムの機能拡充や性能向上に取り組むとしている。

■フジクラ <5803>  1,207円  +5.5 円 (+0.5%)  本日終値

フジクラ<5803>が後場プラスに転じた。午前11時30分ごろ、自動車のサイドエアバッグに電気信号を送るためのハーネス用軽量・細径化ケーブルを新たに開発したと発表しており、好材料視された。PVC(ポリ塩化ビニル)チューブと同等の耐外傷性を維持しながら、現行品に比べて30%の軽量化と10%の細径化を実現したという。近年、自動車の燃費向上やEVの航続距離延長を目的に車両の軽量化に対するニーズが高まっており、ケーブルにおいても更なる軽量化や細径化が求められていることから開発に至ったとしており、既にサンプル提供を開始している。

■SBIホールディングス <8473>  2,975.5円  +10.5 円 (+0.4%)  本日終値

SBIホールディングス<8473>が軟調。31日、傘下のSBI証券がインターネットコースの顧客を対象に、オンラインの国内株式売買手数料について、約定代金や現物取引・信用取引を問わず9月30日発注分から無料化すると発表した。楽天グループ<4755>傘下の楽天証券も現物・信用の国内株式の取引手数料を無料とするコースの提供を10月1日より開始すると公表している。手数料無料化への流れが加速するなか、証券株に対しては収益へのネガティブな影響を懸念した売りが出ているようだ。マネックスグループ<8698>や松井証券<8628>、岡三証券グループ<8609>が安く、東証の業種別指数で「証券、商品先物取引業」は下落率でトップとなっている。

■バイセル <7685>  3,800円  -205 円 (-5.1%)  本日終値

BuySell Technologies<7685>が3日続落した。SBI証券が30日、バイセルの目標株価を1万400円から6660円に引き下げた。広告宣伝費の増額による影響を織り込んだほか、競合企業のプロモーション動向などにより今期の業績が会社計画を下振れる可能性も考慮した。同証券はバイセルの24年12月期営業利益予想を65億円から61億円に見直した。投資判断は「買い」を継続する。

■日産東HD <8291>  451円  -2 円 (-0.4%)  本日終値

日産東京販売ホールディングス<8291>が反落した。30日の取引終了後、東証スタンダード市場への選択申請を決議したと発表した。10月20日からプライム市場からスタンダード市場へ移行するといい、パッシブ系資金の流出を警戒した売りが出たようだ。同社は2023年3月31日時点で、プライム市場の上場維持基準に関して、流通株式時価総額の基準を満たしていなかった。これまで同基準の充足に向けた取り組みを進めてきたが、4月1日に施行された東証の規則改正により、26年3月末までに同基準を満たさなければ、監理銘柄に指定される可能性が生じ、適合計画書のなかで定めた期限の大幅な短縮に迫られていた。

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