20日の米国市場ダイジェスト:NYダウは475ドル安、地政学的リスクや低調な企業決算を警戒
■NY株式:NYダウは475ドル安、地政学的リスクや低調な企業決算を警戒
米国株式市場は大幅反落。ダウ平均は475.92ドル安の37,082.00ドル、ナスダックは225.28ポイント安の14,777.94で取引を終了した。
高値付近からの利食い売りに寄り付き後、下落。その後、予想を上回った12月消費者信頼感指数や11月中古住宅販売件数を好感した買いに、一時上昇に転じた。しかし、運送会社のフェデックス(FDX)の低調な決算を受けた根強い景気減速懸念に再び下落。さらに、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海での度重なる船舶攻撃への対処で米国が軍事行動を検討しているとの報道を受けた地政学的リスク上昇を警戒した売り、短期オプション絡みの売りが加速し、終盤にかけて下げ幅を拡大し終了。セクター別では自動車・自動車部品や半導体・同製造装置が大きく下落した。
検索のグーグルを運営するアルファベット(GOOG)はオートメーションブームで3万人規模の広告セールス部門の業務再編を計画しているとの報道が好感され、上昇。体重管理プログラムを手掛けるウェイト・ウォッチャーズ・インターナショナル(WW)はアナリストの投資判断引き上げで上昇した。一方、ビデオ会議サービスを提供するズーム(ZM)はアナリストの投資判断引き下げで下落。
食品会社のゼネラル・ミルズ(GIS)は第2四半期決算で調整後の1株利益が予想を上回ったものの、24年会計年度の通期売り上げ見通しを下方修正し、下落。同業のクラフト・ハインツ(KHC)やコナグラ・ブランズ(CAG)も連れて売られた。運送会社のフェデックス(FDX)は昨日引け後に発表した四半期決算の冴えない結果を受けた失望売りが継続。銀行のシティグループ(C)はディストレスト債トレーディング事業から撤退するとの報道で売られた。
半導体メーカーのマイクロン・テクノロジー(MU)は取引終了後に四半期決算を発表。1株損失が予想ほど拡大しなかったほか、需要回復の兆候が見られると強い見通しが好感され、時間外取引で買われている。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米金利低下でドル売り、消費者信頼感改善でドル買い戻し
20日のニューヨーク外為市場でドル・円は、143円31銭へ下落後、143円94銭まで上昇し、143円57銭で引けた。英・11月消費者物価指数の予想以上の伸び鈍化に影響された米金利低下にともないドル売りが先行。その後、米・12月消費者信頼感指数の大幅改善や11月中古住宅販売件数の予想上振れを好感してドル買いになった。
ユーロ・ドルは1.0930ドルから1.0976ドルで上下し、1.0943ドルで引けた。ユーロ・円は157円01銭から一時157円73銭まで上昇した。ユーロ圏・12月消費者信頼感指数のマイナス縮小やオランダ中銀総裁のタカ派的な発言がユーロ買いにつながったもよう。ポンド・ドルは1.2681ドルへ上昇後、1.2625ドルまで下落。買い戻し一巡後、英中銀の利下げ観測によるポンド売りが再燃した。ドル・スイスフランは0.8651フランから0.8605フランまで下落した。
■NY原油:小幅続伸で74.22ドル、一時75.60ドルまで買われる
NY原油先物2月限は小幅続伸(NYMEX原油2月限終値:74.22 ↑0.28)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は、前営業日比+0.28ドルの74.22で通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは73.60ドル-75.60ドル。米国市場の前半にかけて75.60ドルまで買われたが、利食い売りが増えたことで一時73.60ドルまで反落。ただ、供給不安は消えていないため、下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に74ドルを挟んだ水準で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 32.98ドル -0.53ドル(-1.58%)
モルガン・スタンレー(MS) 91.14ドル -0.78ドル(-0.84%)
ゴールドマン・サックス(GS)377.52ドル -4.93ドル(-1.28%)
インテル(INTC) 45.76ドル -0.90ドル(-1.92%)
アップル(AAPL) 194.83ドル -2.11ドル(-1.07%)
アルファベット(GOOG) 139.66ドル +1.56ドル(+1.12%)
メタ(META) 349.28ドル -1.08ドル(-0.30%)
キャタピラー(CAT) 289.71ドル -3.25ドル(-1.10%)
アルコア(AA) 30.65ドル -1.77ドル(-5.45%)
ウォルマート(WMT) 153.71ドル -1.82ドル(-1.17%)
《ST》