東邦金がS高カイ気配、筆頭株主の太陽鉱工によるTOB価格にサヤ寄せ
東邦金属<5781>がストップ高の水準となる前営業日比300円高の1600円でカイ気配となった。30日の取引終了後、筆頭株主である太陽鉱工(神戸市中央区)が完全子会社化を目的に、東邦金に対し株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。買い付け価格は1株1885円。東邦金の株価はこのTOB価格にサヤ寄せする動きをみせている。
レアメタルなどの素材メーカーである太陽鉱工は、東京証券取引所が2020年2月に新市場区分の概要について公表後、東邦金の上場維持基準の適合性に関する課題認識を強め、資本関係の一本化について検討するようになったという。買付予定数の下限は81万8700株で上限は設定しない。買い付け期間は1月31日から3月14日まで。TOB成立後は所定の手続きを経て、東邦金は上場廃止となる見込み。
東邦金はTOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨する。東証は30日、東邦金を監理銘柄(確認中)に指定した。東邦金と太陽鉱工は、明治から大正時代の総合商社である鈴木商店を起源とする。