データアプリ Research Memo（3）：EDIミドルウェア市場でのマーケットリーダー
■事業概要
1. 事業概要
データ・アプリケーション<3848>は、EDIやEAIといったデータ連携プラットフォームを中心に展開し、EDIミドルウェア市場におけるマーケットリーダーとなっている。
(1) 製品群
主力製品は「ACMS」シリーズで、戦略製品として「ACMS」シリーズ最上位モデルのエンタープライズ・データプラットフォーム「ACMS Apex」、Web-EDIシステム基盤「ACMS WebFramer」、データハンドリングプラットフォーム「RACCOON」、文書データ活用・EDI統合ソリューション「OCRtran」、次世代チームコラボレーションプラットフォーム「Placul」などの拡販を推進している。
エンタープライズ・データ連携プラットフォーム「ACMS Apex」は、既存の業務アプリケーション資産を生かし、セキュアかつ可用性の高いデータ連携基盤を容易に構築できるソフトウェアである。Web-EDIシステム基盤「ACMS WebFramer」は、取引業務を容易にIT化できるWeb-EDIシステム構築のためのシステム基盤で、EDIシステムのデファクトスタンダードとなっている「ACMS」シリーズとの連携も可能である。一方、データハンドリングプラットフォーム「RACCOON」は、データ連携や移行時のデータ加工・変換をノーコードで実現できるソフトウェアである。文書データ活用・EDI統合ソリューション「OCRtran」は、「ACMS Apex」及びウイングアーク1st<4432>のSPA Cloudとの連携ソリューションで、AI-OCR技術を活用して紙文書をデータ変換し、シームレスに業務システムへ連携できるペーパーレス自動化ソリューションである。次世代チームコラボレーションプラットフォーム「Placul」は、個人が組織とともに成長し続ける「DIGITAL WORK」を実現する新しいクラウドサービスである。職場をデジタルシフトした組織での活用を想定し、オフィスワークでもテレワークでも同じように仕事ができるよう、チーム協働業務の目標とタスクを通じてセルフマネジメントを支援する。さらに、あらゆる企業間商取引をカバーするBtoBサーバ「ACMS B2B」や中小規模向けEDIクライアント「ACMS Lite Neo」などの「ACMS」シリーズも、既存のEDI市場を深耕するための同社の重要な製品である。
新機能やオプションを搭載した直近の製品バージョンアップとしては、2022年3月にリリースした「ACMS Apex」に「RACCOON」フル機能版を標準搭載した「アドバンストエディション」がある。同製品をフラッグシップモデルとして拡販し、市場シェア拡大を目指している。また2023年7月に「ACMS WebFramer」とそのオプションの最新版を、同年11月に「RACCOON」の最新版V2.6を、2024年3月に「ACMS Apex」の最新版V1.8を販売開始した。
なお同社の「ACMS」シリーズは2,600社・13,500サイトを超える企業のミッションクリティカルなシステムで稼働している。2023年6月にはSCSK<9719>のEDIシステム連携基盤サービス「スマクラ2.0」に「ACMS Apex」が採用された。さらに2024年2月には(株)三越伊勢丹システム・ソリューションズが運営するIQRS.netの新サービス「IQRS Gatewayサービス」に「ACMS B2B」が、同年3月にはセンコー情報システム(株)のデータセンターのIT基盤クラウド移行を機に「ACMS Apex」が、同年6月にはカンセキ<9903>の流通BMSを補完するWeb-EDIシステムに「ACMS WebFramer」がそれぞれ採用された。
（執筆：フィスコ客員アナリスト 水田雅展）
《HN》
