フォードが下落 EVへの移行で勢いを失う欧州で4000人の人員削減計画=米国株個別
(NY時間12:34)(日本時間02:34)
フォード<F> 10.68(-0.38 -3.39%)
フォード<F>が下落。同社は取引開始前に電気自動車(EV)への移行が業界全体で勢いを失っている欧州で、4000人の追加人員削減を計画していると発表した。削減対象となるのは、フォード・ヨーロッパの従業員の約14%に相当し、労働組合や政府との協議を経て、2027年末までに主にドイツと英国で実施する。ドイツで約2900人、英国で800人、その他の地域で300人の人員削減を計画。また、同社はドイツ・ケルンにある工場でのエクスプローラーとカプリEVの生産削減も発表した。
同社は2021年初頭、欧州での事業を抜本的に見直すことし、10年後までにほぼ完全なEV化を目指すとしていた。しかし、その変革は計画通りに進まず、同社は昨年初めに3800人の人員削減を発表。
ローラーCFOは声明で「欧州とドイツで欠けているのは、eモビリティを推進するための明白で明確な政策アジェンダだ」と述べた。同CFOは充電インフラへのさらなる公的投資、EVへのインセンティブ、EUと英国が来年より厳格化するCO2排出量削減目標の柔軟性拡大を求めた。
欧州自動車工業会によると、フォードの1-9月期の欧州乗用車の市場シェアは昨年同期の4.1%から、3.3%に縮小した。同社は商用車ではより競争力があり、その電動化にはより長い時間がかかると見られる。
ファリーCEOは同社がライバル企業に対して競争上不利な立場に置かれている原因となっているコスト削減を世界中の幹部に強く求めている。同CEOは本日の証券会社主催のイベントで「フォードにとって最大のチャンス、つまりフォードの可能性を解き放つものはコスト構造だ」と語った。同社は競争相手と比較して70億ドルのコスト削減を目指している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース