【クラファン】紙を電子基板に変える次世代型「はんだ付け」 ワンダーフューチャーコーポレーション、6月8日募集開始
「はんだ付け」の革新的技術を軸にサービス展開する株式会社ワンダーフューチャーコーポレーション(東京都墨田区)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは6月8日10時開始を予定しています。
・ | 普通株式型 |
・ | 目標募集額:1023万2640円、上限募集額:9990万7776円 |
・ | VC出資実績あり |
・ | 事業会社/CVC出資実績あり |
・ | みなし時価総額:14億9469万4128円 |
・ | 類似上場企業:オキサイド <6521> [東証G]、クオルテック <9165> [東証G]、ピーバンドットコム <3559> [東証S]、北川精機 <6327> [東証S]、石井表記 <6336> [東証S] |
革新的「はんだ付け」で次世代技術のインフラへ
(出典:FUNDINNO)
ワンダーフューチャーコーポレーションの福田光樹代表は、日製産業(現:日立ハイテク)で約26年間、半導体装置と電子部品の商社営業に従事。米国、韓国など約20年の海外駐在経験があり、半導体業界の動向に精通しています。
同社は、印刷インキ大手のサカタインクス <4633> [東証P]や自動車部品メーカー大手の豊田合成 <7282> [東証P]と出資を通じた協業体制を構築しているほか、ディープテック領域に特化したVCファンド・リアルテックファンドなどが株主です。
(出典:FUNDINNO)
同社は、次世代の電子部品実装技術「IHリフロー」を軸に、革新的なものづくりインフラの構築を目指すスタートアップです。主力事業にIHリフロー装置の開発・販売、電子部品製造の受託事業「IH-EMS」があります。
「IHリフロー」は、電子部品製造に欠かせない「はんだ付け」の革新的技術であり、瞬時に、非接触かつ局所的にはんだ付けをすることでダメージレスな基板実装を実現。電子基板化が困難な樹脂やフィルムなどの低耐熱材料も電子基板に変えることが可能で、複数の大手上場企業などから高評価を受けています。
応用分野はペロブスカイト太陽電池やAIサーバー、モビリティ、PC、スマートフォン、ドローン、医療・介護、IoT・スマート機器などで「次世代技術を支えるインフラとなるポテンシャルを秘めています」(同社)。
(出典:FUNDINNO)
東証プライム上場の電子部品メーカーと共同でスマートフォンの側面スイッチ実装に応用しており、プラスチック素材へのはんだ付けを実現。生産工程におけるCO2排出量削減や軽量化などのメリットがあり、量産受注に至っています。
また、創業当初より手がけてきた「FDS(Flexible led Digital Signage)」事業も実績があり、直近では豊田合成より、湾曲型デジタルサイネージ「スマートポール」の開発受託を受けて、大阪・関西万博に展示。「この技術も、自動運転社会に欠かせないアラートディスプレイや農業分野の養殖用照明など幅広い用途が期待されています」(同社)。
同社は「成長のための課題」「解決方法」として以下を挙げています。
【成長のための課題】
・ポテンシャルは大きいものの、現時点では、大規模投資に対して慎重な姿勢も見られる
・従来型のレーザーやはんだ付け技術より、現状での認知度は限定的
【解決方法】
・初期導入リスクを最小化できる受託製造サービス(IH-EMS)を提供し、顧客が少しずつ技術価値を実感できる仕組みを構築
・大手メーカーとの複数プロジェクトで「業界標準」となる先進的なユースケースを積み重ねており、社会実装・普及拡大フェーズへと着実に進行中
大変革が求められる電子部品
(出典:FUNDINNO)
同社によると、AIや自動運転、再生エネルギー、5Gなど新たな社会インフラの構築が加速する中、電子部品も大きな進化が求められており、高機能化や小型・軽量・低コスト化などの市場の要求に対し、従来の技術では対応が困難になりつつあるといいます。
既存の主流技術である「リフロー炉」は工程の高コスト・長時間化、大きな電力消費など、持続可能性の面でも課題が顕在化。特に電子機器の進化に不可欠な高機能新素材であるフィルムやガラス、セラミックなどへの基板実装が実質的に不可能だったそうです。
また、環境規制を巡って2023年以降、欧州主導で有機フッ素化合物(PFAS)の規制が本格化しており、日本でも規制強化がトレンドとなることで、これまで当たり前だった高耐熱基板が使えないシーンが急増、「基板=電子機器の根幹」の抜本的な転換が不可欠になると同社は考えています。
「この大転換の時代こそ、『IHリフロー』の、非接触・ダメージレスな新しいものづくりインフラが真価を発揮します。この潮流にいち早く乗ることで、産業の標準をリードする唯一無二のポジションを築いていきたいと考えています」(同社)
市場の魅力・事業内容・特徴・ビジネスモデル
(出典:FUNDINNO)
AIサーバーや自動運転技術などの進展を背景に半導体需要が高まり、実装関連部材・装置のマーケットも拡大。これらの成長分野で、軽さやフレキシブル性が求められるペロブスカイト太陽電池や次世代自動車は「まさに『IHリフロー』の独自技術が不可欠なターゲットマーケットです」(同社)。
ペロブスカイト太陽電池はビル壁面や自動車への搭載が想定され、「曲がる」「軽量」が必須要件ですが、「IHリフロー」によるフィルムでの電子基板化で解消が可能。また、低耐熱樹脂への実装により、自動車のフロントグリルやコックピット、ハンドルへのデジタルサイネージ、安全運転支援システムのほか、「自動運転時代には、曲面ディスプレイや『自動運転中』を示す車外情報表示など、従来の技術では対応困難だったシーンで『IHリフロー』の真価が発揮されると考えています」(同社)。
(出典:FUNDINNO)
同社は「IHリフロー」を核として、実装装置の開発・販売と受託製造サービス(IH-EMS)、フレキシブルデジタルサイネージ事業(FDS)の3事業を展開しています。
「IHリフロー」を活用した電子基板製造から最終製品までワンストップで提供する「IH-EMS」事業では、工程ごとに各分野の有力メーカーと連携し、顧客は初期投資リスクを最小限に抑えつつ実際の価値を体感可能。「これが後の装置の本格普及やFDS等の新規アプリ市場開発に直結します」(同社)。
「業界大手を含むパートナー企業との協力体制により、顧客ごとの多様なニーズにも最適解を提供し、強固な参入障壁と市場ポジショニングを維持していきたいと考えています」(同社)
(出典:FUNDINNO)
同社は自社の強みとして、「IHリフロー」の技術優位性と高い参入障壁を挙げています。商業段階の競合は現状、国内2社のみで、「弊社は基板表面への多点同時実装や、幅広い基板素材・形状への対応力で競争力を発揮していると考えています」(同社)。
「IHリフロー」の基幹技術については特許を取得済みで、自動車や通信機器など各業態のパートナー企業と開発している次世代応用技術についても順次、特許出願を進めています。
一方で、あえて一部ノウハウを非公開とし、技術の模倣を防ぐ戦略も採用。「この知財マネジメントにより、国内外の後発参入リスクも抑制しつつ、顧客やパートナーからの信頼を獲得していきたいと考えています」(同社)。
(出典:FUNDINNO)
同社は「IHリフロー」装置の販売拡大を見据え、まずは「IH-EMS」を通じて新規顧客を開拓し、実証から量産化、大型案件受注、装置販売への好循環モデルを推進。スマートフォン側面スイッチへの実装量産化など、実証を起点とする取引拡大戦略が機能しているといいます。
FDS事業では「IHリフロー」技術の多面的活用を実現、大阪・関西万博での展示を契機に、業界を問わず幅広い用途開発を本格化させており、「今後は高単価装置販売と『IH-EMS』、FDS等によるシナジーで盤石な収益基盤を築きつつ、産業界の標準技術としてのポジション確立を目指します」(同社)。
今後の成長に向けて
(1)将来のExitはIPOを計画
(出典:FUNDINNO)
(出典:FUNDINNO)
(2)短期計画
短期的な成長戦略として、「IHリフロー」の営業活動を専門商社や代理店との連携を軸に展開していく計画です。
年内に本格的な販売体制を構築し、顧客ターゲットとしては、レシートや搭乗券などを印刷するサーマルプリンター(熱を加えて印刷)メーカーに注力。印刷機の製造プロセスでは従来、高温・長時間の加熱が必要でしたが、「IHリフロー」により、大幅な省エネルギー化とコンパクトな製造ライン化が実現するそうです。「エネルギーコストの高騰や脱炭素への対応が求められる中、製造業各社にとっての課題解決となることが強力な訴求ポイントです」(同社)。
FDS事業については、広告代理店や看板業者と連携し、新たなサイネージ技術としてデジタル広告市場への浸透を進めていくとしています。
(3)中長期計画
「IHリフロー」のような、製造工程の一部を担う要素技術をグローバルに普及させる上では、設備投資や営業体制の面でスタートアップ単独では限界があるため、今後は大手メーカーとの資本提携を視野に早期の社会実装と普及の加速を目指す方針です。
FDS事業でも技術を広告看板用途に限定せず、大学研究機関と連携し、苔や藻類をLED光で培養する室内農業用途への応用研究を推進。気候変動に左右されない新たな食料供給源としての可能性を模索しています。
株主構成
同社は以下のVC・事業会社より出資を受けています。
・サカタインクス <4633> [東証P]
・リアルテックファンド
・豊田合成 <7282> [東証P]
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・オキサイド <6521> [東証G]
・クオルテック <9165> [東証G]
・ピーバンドットコム <3559> [東証S]
・北川精機 <6327> [東証S]
・石井表記 <6336> [東証S]
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
株式会社ワンダーフューチャーコーポレーション
東京都墨田区横川1-16-3
資本金:45,000,200円(2025年4月9日現在)
発行済株式総数:192,814株(同)
発行可能株式総数:1,000,000株
設立日:2013年4月1日
決算日:3月31日
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 福田光樹
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 12,888株
■募集株式の払込金額
1株当たり 7,752円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額1,023万円を以下の目的に充てる予定。
人件費 798万円
手数料 225万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額8,967万円(目標募集額1,023万円と上限募集額9,990万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
人件費 2,797万円
設備投資 4,196万円
手数料 1,972万円
■投資金額のコース及び株数
93,024円コース(12株)
186,048円コース(24株)
279,072円コース(36株)
372,096円コース(48株)
465,120円コース(60株)
930,240円コース(120株)
1,860,480円コース(240株)
2,790,720円コース(360株)
3,720,960円コース(480株)
4,651,200円コース(600株)
10,232,640円コース(1,320株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、465,120円コース(60株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、10,232,640円コース(1,320株)を上限とする。
■申込期間
2025年6月8日~6月19日
■目標募集額
10,232,640円(上限募集額 99,907,776円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は79,907,616円とする。
■払込期日
2025年7月14日
■連絡先
株式会社ワンダーフューチャーコーポレーション
電話番号:03-4500-2708
メールアドレス:info@sp.wonderf-c.com
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
▼〈NEDO支援〉“紙を電子基板に変える”特許技術で機器が進化。多数の上場企業と提携し、ついに実用化に成功。今期売上2億円突破を計画
~こちらの記事も読まれています(※外部リンク)~ |
▼ベンチャー企業へ投資した年に受けられる優遇措置 |
⇒エンジェル税制とは? |
▼FUNDINNOの評判・口コミを知りたい |
⇒FUNDINNO(ファンディーノ)とは? |
株探ニュース