<マ-ケット日報> 2025年6月11日
11日の市場は日経平均が4日続伸。終値は前日比209円高の3万8421円だった。前日の米ハイテク株高や1ドル=145円台に進んだ円安が好感されて日経平均は開始早々に5月の高値(3万8494円)を超えてきた。心理的な節目である3万8500円を超えたところで上げ一服となったが、米中貿易協議で問題となっているレアアースの輸出規制が解決されそうなことも材料となって下支え。一方、日米貿易協議は進展がまだ見えず勢いの出にくい原因になっている。
昨日の米国市場はハイテク株の上昇に支えられてダウ平均は反発した。この日は台湾の半導体受託製造世界最大手TSMCの5月売上高が好調で、AI向け半導体の需要が引き続き強いとの見方が市場を強気にさせた。米国ではエヌビディアを中心に半導体株が買われ全体をけん引。マスク氏とトランプ大統領が和解に向けて動いていることがテスラ株の上昇につながりこれもハイテク株人気を促している。米3大主要株価指数はいずれも年初来高値が徐々に視野に入りつつある。
さて、東京市場は為替や米国株に加えアジア株が上昇していることも買い安心感に。直近1カ月に及ぶ高値ボックス圏相場を上に抜けそうな雰囲気だが、きのう、今日と日足が陰線となっている点が多少の気迷いを反映しているようだ。これは日米貿易協議の結果が出るまでアク抜けはしないかもしれないが、相場の示す方向性からはある程度良い結果を先取りしているようにも思われる。(ストック・データバンク 編集部)