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【特集】10連休前後はどうする? 「月末・月初の定説」の使い方

大川智宏の「日本株・数字で徹底診断!」 第14回
大川智宏大川智宏(Tomohiro Okawa)
智剣・Oskarグループ CEO兼主席ストラテジスト
2005年に野村総合研究所へ入社後、JPモルガン・アセットマネジメントにてトレーダー、クレディ・スイス証券にてクオンツ・アナリスト、UBS証券にて日本株ストラテジストを経て、16年に独立系リサーチ会社の智剣・Oskarグループを設立し現在に至る。専門は計量分析に基づいた株式市場の予測、投資戦略の立案、ファンドの設計など。日経CNBCのコメンテーターなどを務めている。

 新元号「令和」も発表され、にわかにお祝いムードが漂っています。発表当日の4月1日は、日経平均株価も300円近い上昇を見せ、新年度も幸先の良いスタートとなりました。ゴールデンウィーク(GW)の10連休も控え、消費増の期待も含めてしばらく相場の明るいムードは継続しそうです。
 年末年始の乱高下相場が嘘のような穏やかなマーケットとなっている背景に、次のような噂が市場関係者の間で囁かれていました。3月配当の再投資が6000億~7000億円の規模で発生するので、3月末からの株価は上昇しやすい――というものです。
 実はこれ、毎年のように語られるアノマリー(根拠は不確かだが決まって発生する現象)です。実際のところはどうでしょうか。まず権利確定してから配当金の受け渡しまでに3カ月程度の期間が空き、株主総会で正式に配当額が決定するまでに減配のリスクがあります。これらを考えると、配当資金がまだ手元に届いていない状態で、「本当にそんな投資をするのか」という疑問は残ります。
過去5年と10年の日経平均は明確な傾向は見られず
 実際に配当金が将来受け渡されるという先取りの思惑があっても、機関投資家の場合、現在から再投資が行われるまでの時間コストと市場変動リスクを考慮して、株価指数の先物を空売りしてヘッジするのが通常です。この取引を行えば、思惑買いと同額の売りが発生し、市場全体へのインパクトは中立、すなわち株価は動かないはずです。
 あくまで噂の域を出ないことに突っ込みを入れるのは野暮かもしれませんが、一方で3月末からは新元号決定、新年度入りのご祝儀相場ムードも手伝って、株式相場は上昇基調に乗っていることもまた事実です。
 ただし、下のグラフに示したように過去5年もしくは過去10年の3月末から4月初旬までの期間で、日経平均株価の成績を確認すると、目立った傾向が見られず、上昇の気配は感じにくい状況です。
3月末前後の日経平均株価の平均パフォーマンス
 月末と月初に関係するアノマリーには、上述した「3月末配当効果」以外にもあります。それは、月末・月初の「リバランス」効果です。配当再投資は日経平均という市場平均の動きに関するものですが、これから述べるリバランス効果は個別銘柄についてみるものです。
 個別銘柄の動きを検証していくと、信憑性がありアノマリーと言うよりは「定説」と呼ぶ方がふさわしく、投資アイデアに応用できる可能性があります。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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