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【特集】再攻の機近づく!「20年3月期ピーク益更新」の割安有望株リスト <株探トップ特集>

週明け20日の東京株市場は、1~3月GDPの結果や為替市場の円安を味方に日経平均が続伸した。20年3月期に経常最高益更新が予想される銘柄群を改めてマークしたい。

―日経平均続伸で市場心理改善、実態評価の買いを引き寄せるこの好業績銘柄群に着目―

 きょうの東京株式市場は、内閣府が寄り付き前に発表した1~3月期の実質国内総生産(GDP)速報値が年率換算で前期比2.1%増と市場予想平均(同0.2%減)に反して増加したことや、外国為替市場での円安・ドル高進行も支えとなり、買い優勢の展開となった。ただ、後場に入って伸び悩み上昇幅は縮小した。そうしたなかにあっても、好業績見通しの個別銘柄への買い意欲は旺盛だ。そこで、20年3月期経常利益が過去最高益更新予想の割安銘柄に改めて注目した。


●エスクリ、新規施設の通期稼働でブライダル事業が伸長

 ゲストハウスなど多様な形態で結婚式場を展開するエスクリ <2196> が14日に発表した20年3月期連結業績予想は、売上高344億円(前期比3.3%増)、経常利益24億円(同13.0%増)、最終利益14億5000万円(同34.5%増)と2ケタ増益を見込み、年間配当は前期比4円増の16円を予定している。前期に開業した広島市の1施設と東京都渋谷区の1施設が通期稼働することが寄与する見通し。また、海外事業拡大による先行費用や建築不動産事業の苦戦が予想されるものの、ブライダル事業の伸長で吸収する見込みだ。

●岩谷産、M&A推進によりLPガス直売顧客数の拡大図る

 岩谷産業 <8088> が14日に発表した20年3月期の連結業績は、売上高7473億円(前期比4.5%増)、経常利益330億円(同10.2%増)を予想している。総合エネルギー事業では、引き続きM&Aの推進によりLPガス直売顧客数の拡大を図るとともに、燃料転換推進により工業用LPガスの販売数量増加に努める。産業ガス・機械事業では、エアセパレートガスの販売を強化し、液化水素の拡販やヘリウムの国内外での収益拡大に取り組む。機械設備では、産業ガス事業との相乗効果を発揮し、国内外の電子部品、自動車関連、半導体などの業界を中心に拡販し、事業拡大を推進する。マテリアル事業では、環境に優しいアルミ・バイオPET樹脂やバイオマス燃料、2次電池材料などの拡販を目指す。

●SECカーボン、人造黒鉛電極などの売り上げ拡大を見込む

 独立系炭素製品大手のSECカーボン <5304> [東証2]が14日に発表した20年3月期連結業績予想は、売上高470億円(前期比23.9%増)、経常利益200億円(同16.9%増)、最終利益140億円(同18.3%増)と2ケタの増収、経常増益を見込んでいる。製品需要のタイト化による価格上昇が見込まれることから、引き続き人造黒鉛電極事業の売上高で前期比22.5%増の291億4000万円を見込むほか、アルミニウム製錬用カソードブロックが同30.3%増の123億8800万円、特殊炭素製品が同29.3%増の43億4000万円と各事業ともに好調を維持する見通し。一方で原材料価格の高騰が見込まれるものの、売り上げ増でそれを吸収する。

●エー・アンド・デイ、半導体電子ビーム測定・検査装置の子会社が貢献

 産業、医療用の計量・計測機器を製造するエー・アンド・デイ <7745> が10日に発表した20年3月期の連結業績予想は、売上高535億円(前期比10.7%増)、経常利益36億8000万円(同37.2%増)、最終利益22億5000万円(同18.4%増)と大幅な増収増益を見込み、年間配当で前期比3円増の20円を予定している。前期に連結子会社化した半導体電子ビーム測定・検査装置専業のホロン <7748> [JQ]とのシナジーを見込んでいることに加えて、試験機やシステム品などの標準化や海外生産の強化で原価低減を図り、大幅増益を確保する見通しだ。

●レンゴー、提案型営業の推進や製品価格値上げ効果が寄与

 レンゴー <3941> が10日発表した20年3月期連結業績予想は、売上高7000億円(前期比7.2%増)、経常利益370億円(同34.8%増)、最終利益250億円(同45.7%増)と大幅な増益を見込み、年間配当は前期比2円増の16円を予定している。板紙・紙加工関連事業を中心に、設備投資を積極化させているため償却費が増加する見込みだが、前期から取り組んできた製品価格の値上げ効果が想定されるほか、提案型営業の推進が寄与し大幅増益となる見通しだ。

●早稲田アカデミー、ICTやAIを活用した学習支援ツールやシステムを開発

 早稲田アカデミー <4718> は9日、20年3月期の連結業績予想を発表した。売上高252億6800万円(前期比6.1%増)、経常利益17億3400万円(同12.7%増)を見込んでいる。2020年以降の大学入試制度改革、英語4技能評価の導入や小学校での英語教科化を始めとする英語教育の抜本的改革、プログラミング教育やAIを活用した学習指導の導入など、様々な教育政策が進められており、民間教育機関にとって新たなビジネスチャンスが生まれている。こうした状況のなか、同社はICTやAIを活用した学習支援ツールやシステムの開発、教育制度改革に対応した新サービスの開発や海外展開による市場拡大などにより、変革に追随できる企業を目指す。

●住友倉庫、新倉庫稼働およびeコマース関連の取扱拡大が寄与

 住友倉庫 <9303> は14日、20年3月期の連結業績予想を発表した。売上高1920億円(前期比3.1%増)、経常利益131億円(同16.0%増)を見込む。物流事業では新倉庫稼働の寄与およびeコマースに関連する陸上輸送貨物の取扱拡大などを目指し、海運事業では海上運賃の上昇および輸送数量の増加が見込まれる。経常利益は、海運事業の回復のほか、物流事業および不動産事業のそれぞれで増益を見込んでいる。


◆主な20年3月期経常最高益更新予想の割安銘柄◆
銘柄 <コード>       増益率  株価  PER
極洋 <1301>        21.8  2853   8.1
Br.HD <1726>      20.1   316  11.8
エスクリ <2196>      13.0   741   6.1
東レ <3402>        15.2   753.7 13.0
ケー・エフ・シー <3420>  23.0  1564   6.1
MKシステム <3910>    16.7   586  14.1
レンゴー <3941>      34.8   991   9.8
トーモク <3946>      42.8  1771   5.8
クレハ <4023>       49.1  6710   7.0
テイカ <4027>       16.0  2281  11.9
日本システム技術 <4323>  26.4  1496  11.9
SECカーボン <5304>   16.9  9160   2.7
インターワークス <6032>  68.9   607   9.8
明治機械 <6334>       3.2倍  290   7.4
コンヴァノ <6574>     44.8   736  12.5
田中商事 <7619>      23.8   601   6.1
A&D <7745>       37.2   818   7.4
大建工 <7905>       62.3  2122   9.2
松風 <7979>        13.6  1310  15.1
ナカバヤシ <7987>     46.0   515   6.6
紙パルプ商 <8032>     20.9  3895   7.3
岩谷産 <8088>       10.2  3660   8.8
住友倉 <9303>       16.0  1463  14.2
セレスポ <9625>      25.8  1330   9.4
バローHD <9956>     13.7  2293  13.7
※株価は20日終値、単位:%、円、倍

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