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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「二段上げ、安値期日」

株式評論家 富田隆弥

◆トランプ大統領のツィートが世界のマーケットを再び大きく動かした。18日、中国・習近平主席と電話会談を行い、G20サミット(28-29日)に合わせて「米中首脳会談」の実施を決めたという。米中貿易問題はいま世界で最大の関心事で、28日まで様子見を決め込んでいたマーケットだ。協議進展期待を募らせたことで株価が大きく反応するのも当然だろう。

◆また、追加緩和の必要性に言及した18日のドラギECB総裁演説に加え、19日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で早期利下げの可能性が示唆されたことも、株式市場には「過剰流動性」の再来として追い風になった。

NYダウ(20日高値2万6798ドル)は2万6000ドル近辺の踊り場から上放れ、昨年来の三尊高値ゾーン(2万6600ドル~2万6950ドル)に入ってきた。 日経平均株価(20日2万1462円引け)は2万1000円近辺の踊り場を上放れて2万1491円まで上げ、75日移動平均線(2万1432円)を突破。

◆日足はともに二段上げに入ったが、チャートは昨年12月26日安値から6カ月目のタイミングでもあり、「安値期日」としてG20サミットまで株価はもう一段上値追いとなる可能性も出てきた。NYダウは昨年10月の過去最高値2万6951ドルを、日経平均株価は200日移動平均線(2万1677円)や4月高値2万2362円をトライしてもおかしくない。

◆このように月内の堅調相場が期待されるが、この勢いが7月も続くかは不明だ。米中貿易協議の進展やFRBの年内2回の利下げを織り込んだことで、株価の勢いが止まると「出尽くし感」が台頭しかねない。そして、為替(ドル円)は107円台の円高となり、為替の日足は三段下げに入ってきた。7月下旬から始まる決算発表(4-6月期)への懸念が強まることも想定される。

◆勢いよく動きだした株式市場。目先「買い」で対応するのは当然だが、7月になると高値懸念が生じることを頭に入れて対応したい。

(6月20日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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