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【材料】イグニス---3Qは2ケタ増収、コミュニティジャンルが大幅に増加

イグニス <日足> 「株探」多機能チャートより

イグニス<3689>は9日、2019年9月期第3四半期(18年10月-19年6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比11.7%増の40.62億円、営業損失が7.23億円(前年同期は9.51億円の損失)、経常損失が8.07億円(同9.79億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が3.58億円(同10.83億円の損失)となった。

コミュニティの売上高は前年同期比82.0%増の21.30億円となった。恋愛・婚活マッチングサービス「with」において、心理学やAIを活用して最適な男女のマッチングを目指し、各種診断イベントの実施や、レコメンド機能である「For You」機能を新たに追加するなど、施策を講じた。2019年6月末時点におけるユーザー数は200万人を突破するなど、サービスは引き続き順調に成長している。

ゲームの売上高は同17.8%減の17.99億円となった。主力の「ぼくとドラゴン」が配信開始から5年目に突入し、季節イベントの強化や、他社人気IPとのコラボレーション第二弾の実施など、各種施策を講じた。また、2018年12月12日に提供を開始した、女性向け新作スマホRPG「でみめん」は、ユーザーとのエンゲージメントを高めるサービス運用をしてきた。2019年4月3日には、イグニスグループ初のブラウザゲーム「猫とドラゴン」の提供を開始するなど、新たな領域への挑戦も行っている。一方で、スマートフォン向けゲームマーケットの競争は一層激化し、プロモーションを中心とした的確なコストコントロールを行ったが、既存タイトルと新規タイトルの売上寄与は共に限定的となり、売上高は減少した。

その他の売上高は同52.2%減の1.33億円となった。「VR・エンタメ」分野では、新時代の音楽イベントである、バーチャルライブとバーチャル握手会を楽しむことのできる、バーチャルライブアプリ「INSPIX」を2019年8月中にリリースできる予定となった。
VRアイドル分野は、業務提携先である岩本町芸能社所属のVRアイドル「えのぐ」が、2019年4月にグループ結成1周年を記念した初のARライブを開催した他、「TOKYO IDOL FESTIVAL 2019」の出演や、他社既存ゲームとのコラボレーション、「コミックマーケット96」への出展が決定するなど、精力的に活動している。また、VOYZ ENTERTAINMENTに所属する「VOYZ BOY」は、定期公演やファンミーティングを行い着実にファン数が増加している。
VR医療分野は、順天堂大学との共同研究である「VRを用いた慢性疼痛の緩和」が2019年6月にパイロット提供を開始し順調に進捗している。「AI」分野では、ロビットにおいて、AIを活用したピッキングロボの精度を高めるソフトウェアを開発した。なお、前年度において、モビリティビジネス・プラットフォームを展開するMellowが連結の範囲から除外されたことや、連結子会社のグラムがメディアサービス「U-NOTE」を事業譲渡し、売上高の減少要因となっている。

2019年9月期通期については、売上高が前期比23.1%増の60.00億円、営業利益が0.30億円、経常利益が0.10億円、親会社株主に帰属する当期純利益が0.05億円とする期初計画を据え置いている。

なお、第3四半期決算発表後の13日にバーチャルライブアプリ「INSPIX LIVE(旧名称 INSPIX)」がリリースされた。これにより同社のVR・エンタメ事業が大きく進展したものといえる。同社の計画では、この「INSPIX LIVE」を通じた本格的な売上は来期以降を見込んでいるとされており、今後新しいマーケットを確立し中長期での成長が期待される。

バーチャルライブアプリ「INSPIX LIVE」での最初のライブが8/23に計画されており、上記でも触れているVRアイドル「えのぐ」が公演する。現在、同アプリ内でライブチケットの販売がスタートしている。
9月には、VOYZ ENTERTAINMENTから新ボーイズグループがデビューするとされており、VRをはじめとした様々な活動を計画中とのことである。その他にも、「INSPIX LIVE」を通じた他社IPの公演も計画されている。

《SF》

 提供:フィスコ

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