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【特集】配当&株主優待“ダブル取り”、利回り「4%超」好業績株を追え! <株探トップ特集>

9月末に権利取りを迎える配当+優待の合計利回りが4%を超え、かつ好業績という銘柄をリストアップした。

―高利回り注目局面、9月末権利取り候補をリストアップ―

 3月期決算企業の中間決算期末にあたる9月末を前に、高配当利回り銘柄への関心が高まっている。日本の上場企業は中間期と期末に配当を実施する企業が半数以上を占める。「株探」集計によると、3月期決算では有配企業の6割を超える1271社(9日現在)が9月に中間配当を支払う予定となっている。また、株主優待の権利確定月を9月に設定する企業の数も多い。9月はインカムゲインに注目が集まりやすい時期だ。そこで今回は9月末に中間配当と株主優待の権利確定日を迎える高利回り銘柄にスポットライトを当てた。

●相場下落で配当利回りは10年ぶりの高水準

 上場企業の配当利回りが上昇している。東京証券取引所の集計によると、8月の東証1部平均配当利回り(加重平均)は2.54%に上昇し、2009年5月以来、実に10年3ヵ月ぶりの高い利回りを記録した。積極的な株主還元を実施する企業が増えるなか、米中貿易摩擦を発端とする世界景気の減速懸念などを受けて全体相場が下落したことが配当利回りを押し上げた格好となった。日経平均株価は今月に入ってから切り返す動きとなっているが、6日時点の東証1部平均配当利回りは2.56%と高水準での推移が続いている。

●9月末に中間配当と株主優待を狙える銘柄に注目

 今回は3月期決算の中間配当に加え、個人投資家に人気が高い株主優待も9月に獲得できる企業に注目した。以下では、9月末に中間配当と株主優待の権利確定日を迎える企業の中から、配当と株主優待を合算した年間ベースの利回り(トータル利回り)が4%を超える銘柄をピックアップ。更に足もとの業績が堅調で、配当と株主優待の減額リスクが少ないとみられる7銘柄を紹介していく。

 なお、株主優待や配当を手に入れる条件となる権利付き最終日が今年7月から権利確定日の「2営業日前」に変わっている。9月末の権利を獲得するには、9月26日までに株式を保有する必要がある。以前より1営業日遅くなった点には注意を払っておきたい。

 ※「トータル利回り」は配当と株主優待を合算した年間ベースの利回り。9月9日現在の配当、優待品、株価から算出。

【ケイアイ不】 トータル利回り:4.8% 最低投資金額:19万7000円

 ケイアイスター不動産 <3465> は関東を中心に分譲住宅の販売を主力とする総合不動産会社。M&Aに積極的で九州や首都圏の不動産会社を傘下に収めて規模を拡大させている。足もとの業績は増収増益基調が続いており、20年3月期は最終利益ベースで5期連続の最高益更新を見込む。今期の年間配当は前期と同額の84円とし、9月の中間期と3月の期末にそれぞれ42円ずつ実施する。配当だけで利回りは4%を超えるが、更に毎年9月末を基準日とする株主優待制度がある。株主優待では100株以上を保有する株主に対し、クオカード1000円分(500株以上保有で3000円分)を贈呈する。

【稲畑産】 トータル利回り:4.5% 最低投資金額:12万8500円

 化学専門商社大手である稲畑産業 <8098> の優待品もクオカードだ。毎年9月末に100株以上を保有する株主を対象に、1000円分のクオカードを贈呈する。長期保有特典があり、3年以上継続保有すると2000円分に増える。20年3月期の配当は9月中間期に20円、3月期末に28円の合計48円を実施する。同社は配当と自社株買いを合算した総還元性向の目安を30~35%に設定するが、今期の配当性向は26.4%と目安を下回っており、今後自社株買いに踏み切る可能性がありそうだ。業績に目を移すと、20年3月期は主力の合成樹脂の好調継続で経常利益の最高益を2期連続で更新する見通しだ。指標面では予想PER7.1倍、PBR0.5倍と割安感が強く投資妙味は高い。

【ダイコク電機】 トータル利回り:4.6% 最低投資金額:15万1600円

 ダイコク電機 <6430> の株主優待制度は毎年9月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有株数と保有期間に応じて3000ポイントから2万2000ポイントの株主優待ポイントを付与するというもの。ポイントは食品や電化製品、旅行・体験などに交換することができ、有効期限は3年間もある。同社のポイント制度はウィルズ社が提供する「プレミアム優待倶楽部」を採用しており、ウィルズコインとの交換により異なる銘柄で得たポイントと合算しての利用も可能だ。20年3月期の配当は中間期に10円、期末30円の合計40円を予定する。また、業績面では足もと4~6月期(第1四半期)経常利益が上期計画をすでにオーバーしており、業績上振れが濃厚視される状況にある。

【ケーズHD】 トータル利回り:4.3% 最低投資金額:11万5200円

 全国に500店舗を超える家電量販店を展開するケーズホールディングス <8282> は8月20日に株主優待制度の拡充を発表している。これまでは保有株数が100株以上の株主に対し、1枚1000円相当の買い物券を保有株数に応じて1枚から30枚贈呈していたが、19年9月から開始する新制度では実施回数を年2回に変更し、買物券の贈呈枚数は2倍に増える。配当も年2回の実施で、100株保有の場合、9月末は配当金1500円と買い物券1000円分の合計2500円相当が手に入る。また、4~6月期決算と同時に、1200万株(発行済み株式総数の5.27%)、または100億円を上限とする自社株買いの実施を発表するなど、株主還元に意欲的な姿勢をみせている。

【ラウンドワン】 トータル利回り:4.4% 最低投資金額:15万9800円

 ボウリング、ゲーム、カラオケ、スポッチャの複合アミューズメント施設を運営するラウンドワン <4680> も今年から株主優待制度を拡充している。3月から適用された新制度では毎年3月末と9月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じて500円割引券を5~20枚、クラブ会員入会券、ボウリング教室優待券をそれぞれ贈呈する。配当は業績の良し悪しにかかわらず20円(中間と期末に10円ずつ)を継続しているうえ、足もとの業績は好調であり、減額不安は少ない。直近3ヵ月の4~6月期は国内店舗でゲームやスポッチャをはじめ全部門が前年比プラスを達成したほか、米国では新規出店効果や初期投資費用の減少で収益が拡大し、経常利益は前年同期比2.1倍の23億4100万円に膨らんでいる。

【丸井G】 トータル利回り:4.5% 最低投資金額:21万6000円

 丸井グループ <8252> は株主への利益還元に積極的で、配当と自社株買いを合算した総還元性向の目標を70%に設定している。同社は15年3月期以降、自社株買いを強化し、4年間で850億円の自社株を取得。19年3月期からは配当に重点を移し、今期は前期比8円増の57円(中間期28円、期末29円)の配当を計画する。配当に加えて、3月末と9月末に100株以上保有する株主を対象とする株主優待制度も導入しており、買い物券(保有株数に応じて1000円から5000円相当)とWebクーポン(買い物券と同額)をそれぞれ贈呈する。更に、同社が発行する「エポスカード」保有者には3月末に1ポイント1円相当のポイントを1000ポイントから1万ポイント付与するという特典があり、エポスカード会員のトータル利回りは5%に上る。

【アサンテ】 トータル利回り:4.1% 最低投資金額:19万4500円

 最後に紹介するのは住宅向け白アリ防除で最大手のアサンテ <6073> 。20年3月期は売上高、最終利益ともに前期に続いて過去最高を更新する計画だ。また、配当は前期まで10期連続増配という実績を持っており、減配リスクは少ないとみられる。今期の配当は前期から6円も積み増し60円の予定で、中間と期末にそれぞれ30円ずつ実施する。一方、株主優待では100株以上を保有する株主に対し、三菱UFJニコスギフトカード1000円分を年2回贈呈する。株価は年初来安値圏でもみ合いが続くが、同社株は配当と株主優待の権利付き最終日に向けて上昇する傾向があり、これから値上がり益を狙える銘柄としてもマークしておきたい。

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