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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

sMedio <日足> 「株探」多機能チャートより

■sMedio <3913>  1,393円 (+300円、+27.5%) ストップ高

 sMedio <3913> [東証M]がストップ高。10日まで2日連続のストップ高を演じたが11日もストップ高の1393円に買われた。3日間での上昇率は76%に達した。同社はデジタル家電関連のソフト開発を手掛けるが、ディープラーニング型映像や画像解析など人工知能(AI)を活用した映像分野での技術開発に期待が大きい。シャープ <6753> の「AQUOS」4K新シリーズに衛星対応ブラウザを提供しているほか、建設向けでは西松建設 <1820> が推進する「山岳トンネルAIソリューション」でsMedioの技術が提供されている。メガソーラー開発のウエストホールディングス <1407> [JQ]とは、sMedioが有するIoTクラウドの構築技術やデータサイエンスを含むAI技術を使った高付加価値サービスを展開している。

■サムコ <6387>  978円 (+150円、+18.1%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。サムコ <6387> がストップ高。10日大引け後に発表した19年7月期の経常利益(非連結)は前の期比52.5%減の3億0500万円に落ち込んだものの、続く20年7月期は前期比2.4倍の7億2000万円に急拡大する見通しとなったことが買い材料視された。今期は海外販売や成膜装置の販売拡大に注力。設備投資需要の持ち直すなか、通信系レーザーやパワーデバイス、センサー向け製造装置などの販売が伸び、25.6%の大幅増収を見込む。

■日本鋳造 <5609>  793円 (+100円、+14.4%) ストップ高

 日本鋳造 <5609> [東証2]がストップ高。11日付の日刊産業新聞で「低熱膨張合金『LEX(レックス)』シリーズの熱膨張ゼロ合金『LEX―ZERO(レックス・ゼロ)』と、3Dプリンターを用いた3D積層造形技術の組み合わせにおいて、2019年8月16日付で国内特許を取得した」と報じられており、これが好材料視されたようだ。LEX-ZEROは、独自の合金設計と溶解・製錬技術を駆使することによって開発及び工業化に成功した事実上「ゼロ膨張」の合金材料。自動車・航空宇宙・半導体業界などで採用の実績がある。17年10月には3Dプリンターによる積層造形に成功しており、今回、これが特許を取得したもようだ。

■正興電機製作所 <6653>  795円 (+79円、+11.0%)

 東証1部の上昇率4位。正興電機製作所 <6653> が続急騰。台風15号の通過から2日たっても千葉や神奈川などの広範囲にわたり約40万軒強で停電が続いているとの報道を受け、家庭用蓄電システムなどを手掛ける同社株に思惑買いが流入している様子だ。

■エディア <3935>  450円 (+40円、+9.8%) 一時ストップ高

 エディア <3935> [東証M]が急反発。一時、ストップ高の490円に買われた。11日正午ごろ、同社が運営する徒歩・カーナビアプリ「MAPLUSキャラdeナビ」に、アイドルグループ「NMB48」がボイスコンテンツとして参戦すると発表したことが好感された。同アプリは、簡単な操作でさまざまなキャラクターによる音声ナビゲーションが楽しめるというもの。今回のNMB48の参戦により、通常のナビゲーション音声だけではなく、まるでメンバーが隣にいるかのような楽しい道案内を行うほか、特定のイベントや季節に合わせて聞くことができる限定ボイスも多数収録しているという。

■免疫生物研 <4570>  741円 (+63円、+9.3%)

 免疫生物研究所 <4570> [JQG]が急反発。11日正午ごろ、同社が開発した「Tauタンパク-IBL」及び「pTauタンパク-IBL」について、体外診断用医薬品として国内での製造販売認証を取得したと発表しており、これが好感された。今回製品化したのは、脳脊髄液中のタウ蛋白及び181位リン酸化タウ蛋白を特異的に測定できるELISA(抗原抗体反応を利用して微量生体物質を定量する方法)キット。タウ蛋白およびリン酸化タウ蛋白は、アルツハイマー型認知症をはじめとするさまざまな神経変性疾患の診断の補助や研究などに用いられてきたが、新製品は従来の測定法により測定範囲外となっていた高値検体や夾雑物質の影響が懸念される検体に対しても測定が可能となったのが特徴としている。なお、20年3月期業績予想には織り込み済みとしている。

■いであ <9768>  1,196円 (+88円、+7.9%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率10位。いであ <9768> が急反発、一時ストップ高まで上昇。年初来高値を更新した。同社は11日、血液中に含まれるマイクロRNAのメチル化率を測定することにより、既存の腫瘍マーカーに比べて高感度、高精度にがんを検出することが可能な技術を開発したと発表。これが材料視されたようだ。これは同社と、大阪大学大学院医学系研究科の今野雅允 寄附講座講師(先進癌薬物療法開発学寄附講座)、石井秀始特任教授(疾患データサイエンス学共同研究講座)らとの共同研究の成果。開発した技術を応用、発展させることによって、がんの発見、がんの種類、がん手術の予後の予測、抗がん剤の効果確認など、がんの治療に対する広範かつ高感度な指標となることが期待できるという。

■さいか屋 <8254>  345円 (+23円、+7.1%) 一時ストップ高

 さいか屋 <8254> [東証2]が急伸、一時ストップ高に買われた。内閣改造で小泉進次郎議員の環境大臣としての初入閣が固まったと報じられたことを受けて、小泉議員の地元である横須賀に店舗を持つ地元百貨店の同社に思惑的な買いが入ったようだ。同社はまた、小泉氏の父である小泉純一郎元首相にあやかった「純ちゃんまんじゅう」を名物として販売したこともあり、今回も関連商品発売が期待されているようだ。

■オンキヨー <6628>  47円 (+3円、+6.8%)

 オンキヨー <6628> [JQ]が急反発。11日午後2時ごろ、ゲーミングデバイスブランド「SHIDO」を「東京ゲームショウ2019」に初出展すると発表しており、これが好材料視された。同社は、ゲーミング及びeスポーツ市場に向けた新ブランドとして「SHIDO」を展開しており、ゲーミングヘッドセットやUSBコントロールアンプをクラウドファンディングに申し込んだ人に提供を開始している。今回、これらの製品の一般発売(発売日未定)に先立ち、東京ゲームショウへ参考出品する予定という。

■ふくおかFG <8354>  2,095円 (+131円、+6.7%)

 地銀株が軒並み高。ふくおかフィナンシャルグループ <8354> が5日続伸で大幅高となったほか、七十七銀行 <8341> や京都銀行 <8369> 、山陰合同銀行 <8381> などが高く、地銀株への物色人気が継続している。6日にSBIホールディングス <8473> と島根銀行 <7150> が資本業務提携することを発表。SBIは島根銀に25億円を出資し、グループ全体の出資比率は約34%となる。長期金利による環境好転を受け銀行株に見直し機運が出ているほか、SBIが島根銀行をグループの傘下に入れる動きが出てきたことから、地銀業界に再編機運が膨らんでいる。

■野村 <8604>  480.6円 (+24.3円、+5.3%)

 野村ホールディングス <8604> をはじめ証券株に買いが流入。野村は約8ヵ月ぶりに年初来高値を更新した。ここ日経平均は上昇基調にあり、昨年11月下旬から12月にかけて記録した7連騰に並んだ。投資家心理の改善を背景に売買代金も足もと増勢にあり、証券会社は手数料収入の増加と投信などの運用成績向上への思惑が買いを誘う要因となっている。

■国際石開帝石 <1605>  984円 (+46.7円、+5.0%)

 国際石油開発帝石 <1605> や石油資源開発 <1662> 、コスモエネルギーホールディングス <5021> 、出光興産 <5019> などの石油関連株が高い。11日のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の10月物は、石油輸出国機構(OPEC)による協調減産期待から一時1バレル58.76ドルと1ヵ月ぶりの高値を付けたが、ボルトン米大統領補佐官の解任で、中東での対立が和らぐとの観測から終値は10日比0.45ドル安の57.40ドルで取引を終えた。ただ、米中貿易協議の進展期待もあり、11日の時間外取引では57.8ドル近辺まで値を上げている。これを受け、国際石開帝石など石油関連株には見直し買いが入った。

■三菱UFJ <8306>  570円 (+24.2円、+4.4%)

 メガバンクが連日の人気化。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> は5日続伸し株価は570円台に上昇。4月中旬以来、約5ヵ月ぶりの高値圏に値を上げた。三井住友フィナンシャルグループ <8316> やみずほフィナンシャルグループ <8411> もそろって5日続伸している。10日のニューヨーク債券市場で米長期金利は前日比0.091%高い1.735%に上昇し、1ヵ月ぶりの高値圏となった。これを受け、長短金利差拡大に伴う業績回復期待が膨らんでいる。大手銀行株には、売りを膨らませていた外国人からの買い戻しが流入しているとみられている。

■日本電子材料 <6855>  531円 (+20円、+3.9%)

 日本電子材料 <6855> が大幅高で3連騰。半導体検査器具(プローブカード)の専業大手メーカーだが、米中通商摩擦の長期化に伴う影響で足もとの業績は低調。ただ、メモリー市況は在庫調整の進展から20年3月期下期は改善に向かうとの見方が強く、半導体製造装置関連は総じて株価を切り上げている。そのなか、同社が手掛けるプローブカードの需要も下期から来期にかけて回復歩調が予想される。株価的に出遅れているが急騰習性があり、水準訂正狙いの買いを引き寄せている。

■大成建設 <1801>  4,100円 (+150円、+3.8%)

 大成建設 <1801> 、大林組 <1802> 、鹿島 <1812> 、清水建設 <1803> など大手ゼネコン株が足並みを揃えて5連騰。戻り足を強めている。ここまで建設セクターは物色対象から外れていたきらいもあったが、ここにきてリターンリバーサル狙いの買いに弾みがついている。市場では「安倍政権が内閣改造を経て、消費増税による景気低迷を食い止める形で補正予算編成に動くという観測が出ている。これに先回りする形で買いが入っているようだ」(国内証券マーケットアナリスト)としている。

※11日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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