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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

武蔵精密 <日足> 「株探」多機能チャートより

■武蔵精密 <7220>  1,367円 (+49円、+3.7%)

 武蔵精密工業 <7220> の戻り足が急だ。9月に入り上値追い態勢に入り75日移動平均線を上回ってきた。ここ為替の円安基調を背景に自動車株が戻り歩調にあるが、ホンダ系自動車部品メーカーでPERが10倍未満で割安感のある同社にも物色の矛先が向いている。また、同社は人工知能(AI)分野に積極的に踏み込んでいる点が注目されている。既にイスラエル企業とAI技術分野で連携を図っているが、国内でもAIの社会実装ビジネスを展開するベンチャー企業などとディープラーニング分野で業務提携している。

■ハピネット <7552>  1,320円 (+46円、+3.6%)

 ハピネット <7552> が5日続伸。11日午後1時ごろ、子会社マックスゲームがニンテンドースイッチ・ライトの関連商品を20日に発売すると発表しており、これが好感された。今回発売するのは、専用液晶保護フィルムや専用スマートポーチなど7製品。マックスゲームズは、任天堂 <7974> 製品との適合性が確認された正式ライセンス商品を中心にキャラクターライセンス商品の企画・製造・販売を行っており、新製品投入による業績への寄与が期待されている。

■ケーヨー <8168>  493円 (+17円、+3.6%)

 ホームセンター大手のケーヨー <8168> が大幅続伸。10日大引け後、20年2月期上期(3-8月)の経常利益(非連結)を従来予想の4.5億円→6.4億円に42.2%上方修正。増益率が3.2%増→46.8%増に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。梅雨明けの遅れによる夏物商品の販売不振で売上高は計画を下回ったものの、DCM棚割導入改装の実施を背景に、想定以上に経費削減が進んだことが利益を押し上げた。なお、通期の経常損益は従来予想の7億円の黒字(前期は7.5億円の赤字)を据え置いた。

■ジーンテクノ <4584>  657円 (+23円、+3.6%)

 ジーンテクノサイエンス <4584> [東証M]が5日ぶり大幅反発。10日の取引終了後、昭和大学と歯髄幹細胞を活用した骨関連疾患の治療法創出に向けた共同研究契約を締結したと発表しており、これが好感された。今回行われることになった共同研究では、ジーンテクノ100%子会社セルテクノロジーにて調製したヒト歯髄幹細胞を用いて、ジーンテクノ及び昭和大学医学部整形外科学講座で、骨関連の一部疾患に対し新たな治療法創出に向けた基礎研究を行うという。なお、20年3月期業績への影響は軽微としている。

■住友金属鉱山 <5713>  3,435円 (+101円、+3.0%)

 住友金属鉱山 <5713> 、三菱マテリアル <5711> などをはじめ非鉄株に買いが集まっている。ここ上昇基調を続けていた金市況が下落に転じたものの、一方で下値模索を続けていた銅市況が底入れ反転の動きをみせてきた。米中協議の進展期待から中国景気減速に対する過度な不安心理も後退、世界経済の実勢を反映するといわれる銅市況も下げ止まる動きをみせていることから、非鉄セクターの株価を刺激している。

■トヨタ自動車 <7203>  7,355円 (+172円、+2.4%)

 トヨタ自動車 <7203> 、ホンダ <7267> など自動車株が高い。ここ米長期金利が戻り歩調に転じるなか、日米金利差拡大の思惑を背景に外国為替市場ではドル買い・円売りの動きを誘発、足もとは1ドル=107円60銭近辺の推移と円安基調にある。これを受けて輸出採算の改善期待から自動車株には買いが向かいやすくなっている。トヨタの20年3月期通期想定為替レートは106円で、ドル円相場の実勢からは収益メリットが発生する。

■村田製作所 <6981>  4,977円 (+110円、+2.3%)

 村田製作所 <6981> 、太陽誘電 <6976> など電子部品株の一角が買い優勢の展開。米アップルが10日、高機能カメラ搭載を売り物としたiPhoneの新機種を発表し注目を集めた。同社株もここ上昇基調にあり、10日は1.2%高と続伸している。これを背景に、東京市場でもアップル向けセラミックコンデンサーなどの有力サプライヤーである電子部品株に買いが優勢となった。

■スギHD <7649>  5,740円 (+120円、+2.1%)

 スギホールディングス <7649> が反発で年初来高値を更新した。10日取引終了後に発表された8月度月次速報では、既存店ベースの売上高が前年同月比4.1%増と前月の1.4%増から伸び率が拡大しており、今期に入ってから6ヵ月連続で前年実績を上回ったことを好感した買いが流入した。既存店客数が同1.6%増、客単価も同2.5増だったことも寄与した。また、全店売上高は9.3%増だった。

■ミライトHD <1417>  1,627円 (+34円、+2.1%)

 ミライト・ホールディングス <1417> が5日続伸。10日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の4.98%にあたる500万株(金額で79億6500万円)を上限に、9月11日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。併せて、8月の受注高は前年同月比21.1%増の275億円だったことも発表している。

■日経レバ <1570>  18,450円 (+330円、+1.8%)

 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が6日続伸、全体相場が戻り足を強めるなか、日経平均株価に連動したETFで変動率が2倍に設定された同銘柄への資金流入が続いている。売買代金は全上場銘柄のなかでトップ。11日の高値まで6営業日合計で9.8%強の上昇を示しているが、この間に日経平均の上昇率は4.8%となっており、設定通りほぼ2倍のパフォーマンスを示していることが分かる。基本的に短期筋がロットを利かして機動的に売買するイメージがあるが、全体相場の上昇局面ではバイ・アンド・ホールドで対応する個人投資家も少なくないようだ。

■スタジオアリス <2305>  1,954円 (+29円、+1.5%)

 スタジオアリス <2305> が3日続伸。同社は子供写真館の最大手。10日取引終了後に発表された8月の月次売上高は、前年同月比9.7%増の28億200万円と4ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。全店ベースの撮影件数(客数)は同9.6%増、買い上げ単価が同2.1%増となり業績に寄与した模様だ。なお、8月は新規出店が1店舗、移転が1店舗で、4店舗が退店した。

■大日本印刷 <7912>  2,470円 (+35円、+1.4%)

 大日本印刷 <7912> が5日続伸。10日の取引終了後、リクルートホールディングス <6098> 株式の売却に伴い、20年3月期業績で投資有価証券売却益513億3300万円を特別利益として計上すると発表しており、これが好材料視された。なお、業績予想については、今後修正が必要になった場合には速やかに開示するとしている。

■ソニー <6758>  6,451円 (+82円、+1.3%)

 ソニー <6758> が反発。9月に入ってから中段もみ合いを上に放れ新値圏に浮上、10日は利益確定売りに反落したものの、11日は改めて買い直されている。10日に米アップルがiPhoneの新機種3種類を発表したが、上位機種2種類については3つの高機能カメラを搭載するなどカメラ個数増加との機能強化が売り物となっている。これが、カメラ向けイメージセンサーを手掛ける同社にも恩恵が大きいとして株価を刺激する格好となっている。

■大王製紙 <3880>  1,390円 (+17円、+1.2%)

 大王製紙 <3880> が3日続伸。10日の取引終了後、20年3月期の連結業績予想について、最終利益を90億円から130億円(前期比2.8倍)へ上方修正したことが好感された。リクルートホールディングス <6098> 株式の売却に伴い、投資有価証券売却益67億円を特別利益として計上することが要因としている。なお、売上高5600億円(同4.9%増)、営業利益200億円(同65.0%増)は従来見通しを据え置いている。

※11日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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