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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「強い相場でも、調整信号に注意」

株式評論家 富田隆弥

◆24日現在、日経平均株価は4連騰(2万2750円引け)で高値を2万2780円まで伸ばしている。騰落レシオが139%(16日時点)、RCIは9日線98%、13日線97%(24日)、サイコロジカルラインが9勝3敗(23日)と短期テクニカルは過熱感を漂わすが、いまのマーケットにあまり過熱は感じられない。それは16日まで4連騰で1016円上昇し2万2615円を付けたあと、23日まで2万2500円処でのスピード調整を挟んだからだろう。

◆日足チャートで8月の安値2万110円からのN波が2万3420円、週足チャートで昨年12月の安値1万8948円からのN波が2万3525円と、どちらも2万3000円台を指すことから、しばらくそこを目指した流れが続くと思われる。18日現在の裁定取引残高が買い5157億円、売り1兆5388億円と売り長状態が続いている。需給で上昇しやすい地合いにあり、アベノミクス相場の最高値2万4448円(昨年10月)を目指す可能性もある。

◆日経平均先物12月物の建玉(18日時点)を見ると、CTA(商品先物業者)系のCS(クレディ・スイス証券)が10月第2週の3889枚から第3週の1万800枚と大きく買い越し、日経平均の上昇に寄与したと言える。ただ、CSが9月第4週の1万1613枚から10月第1週の4767枚と買いを減らしたのと同時期に、日経平均が大きく下がったという経緯がある。時として投機的ともみられる売買をすることもあり、株価が上がれば「利益確定売り」に動くのは当然で、ここから上値ではまた売りに転ずる可能性もある。CSをはじめ外資系の動きには注視しておきたい。

◆日経平均が上昇基調にあるうちは流れに従い「買い」で対応する。とはいえ、マーケットはいま楽観ムードに包まれ、強気観測が増えてきた。個別株では「半導体関連」に多くの目が集まる。これは「人気片寄る」の兆候でもあり、日経平均の日足の調整信号には注意したい。調整信号を見せるとテクニカルの過熱信号が前面に出てきて「調整」リスクを意識させるだろう。強気相場の中でも、日足の陰転信号に注意していきたい。

(10月24日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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