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【特集】すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 towaさんの場合-第2回


"1泊2日"で利益をさらう決算プレーのノウハウとは?

登場する銘柄
サイバーステップ <3810>、ディップ<2379>

筆者:福島由恵
金融機関出身のフリーライター。株式、投資信託、不動産投資などを中心とした資産形成に関連する記事執筆を主に担当。相続、税金、ライフプラン関連も数多く執筆。

towaさんtowaさん(ハンドルネーム・30代・男性)のプロフィール:
パチスロで貯めた3000万円の一部を元手に資産を10年で16倍化したバリュー投資家。現在の投資歴は約10年。比較的時間の自由が効く会社員というメリットを生かしつつ、兼業でも時間を上手にやりくりして投資に向かう。企業の資産価値に着目して割安度を計る資産バリュー投資に軸足を置き、サテライトで成長株を標的としたモメンタム投資も手掛け、着々と資産を拡大。投資を本格的に始めた2008年以降、初年と2018年以外は全て運用成績は対前年比でプラス。投資開始2年目の09年は約60%、11年と13年は約80%という好成績を収めている。「努力が嫌い」と言いつつ、実は投資本を100以上も読むほど勉強熱心さんだ。

第1回目の記事を読む

 前回の記事では、towaさん(ハンドルネーム)が10年強で元手を16倍化させた投資法の概要を紹介した。

 そのポイントは投資法をメーンとサブの2つに分けていることだ。メーンにするのは中長期的な視点で行うバリュー投資、サブには株価の騰勢に着目するモメンタム投資になる。

 資金の配分はバリュー投資が9割、残りがモメンタム投資で、バリュー投資は細分化すると、全体の6割が資産バリュー、3割が収益バリューとなる。

 前回は、メーンのバリュー投資の中で、潜在的な収益成長力に対して株価が割安な銘柄の取引例としてソフトバンクグループ<9984>に着目していることを紹介した。今回はサブの位置づけだが、投資をすることにワクワク感をもたらし、かつそれなりに収益貢献している短期決戦の「決算プレー」をクローズアップする。

手堅いバリュー投資があるからモメンタム投資で勇気が出せる

 towaさんが長期で株価水準の是正を狙うバリュー投資とは対極にある、短期決戦型の「決算プレー」に着手している目的の1つに、投資のモチベーションを維持することがある。一般に、バリュー投資は成果が見えるまで時間が掛かるため、忍耐力の強さが求められる。

 この待ち時間にモメンタム投資で成果が上がれば、収益面も貢献できる上、退屈になって投資の意欲が減衰してしまうのも避けられる。うまくいけば、1粒に二度のおいしさを味わうことができるのだ。

 ただし、towaさんが一般にボラティリティー(株価の変動率)が大きい傾向になるモメンタム投資に挑めるのはワケがある。それは相場の暴落時でも悪影響を緩和しやすい資産バリュー株に、資金の6割を配分していることだ。

 安定した土台を作り上げてきたからこそ、ボラの大きい銘柄に果敢に挑戦できるのだ。一方で、刺激的なトレードをすることで、退屈せず土台作りに励める。towaさんの決算プレーには、こうした相乗効果も期待できるのだ。

決算前日で仕込み、決算当日か翌日売りする決算プレー

 ここから本題の決算プレーについて見ていこう。

 「決算プレーって何?」という読者のために改めて整理すると、一般には、四半期ごとに発表される決算情報を材料に、発表前と発表後に様々な思惑で変化する株価の動きを利用する投資法と捉えられている。明確な定義はないが、決算内容をじっくり読み込み長期投資するというよりも、決算発表前後の数日、長くても1~2カ月程度の期間で、株価のモメンタム(騰勢)が変わる動きに乗ることを指す。

 towaさんの場合も、基本的には決算発表日の前日もしくは数日前から仕込んでおき、発表の当日もしくはその数日後に手仕舞うというパターンが多い。

 最近に手掛けた事例を挙げると、今年7月16日に2019年5月期通期決算を発表したサイバーステップ <3810> (以下、サイステ)、同7月11日に2020年第1四半期決算を発表したディップ <2379> が、成功例の代表だ。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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