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【特集】山田勉氏【年初来高値更新! 上昇相場は再び加速するか】(1) <相場観特集>

山田勉氏(auカブコム証券 投資情報室 マーケットアナリスト)

―12月相場は好発進、フシ目の2万3500円ライン突破―

 名実ともに12月相場入りとなった2日の東京株式市場は、前週末の米株安をものともせずリスク選好の地合いとなり、フシ目の2万3500円ラインを終値でクリアしてきた。ここから一段の上昇に期待が高まる一方、目先強弱観対立で上値が重くなることへの警戒感もくすぶる。投資家はどういったスタンスで臨むべき局面か。市場第一線で活躍する識者に年末のマーケット展望及び物色の方向性を聞いた。

●「強気相場継続で2万4000円突破をうかがう」

山田勉氏(auカブコム証券 投資情報室 マーケットアナリスト)

 基本的に上値指向の強い相場といえる。直近発表された中国の製造業PMIが好不況の分かれ目である50を7ヵ月ぶりに上回ったことで中国景気に対する底入れ期待が高まったことや、今月15日に予定されている対中制裁関税引き上げが見送られる公算が大きくなっているとの見方も、投資家心理改善につながっている。

 米中貿易摩擦問題は一朝一夕には片付かないが、ここにきて“クリスマス休戦”を期待するムードが株高を後押している状況だ。それを暗示するように外国為替市場でも1ドル=110円を視界に入れる展開で、ドル高・円安含みに推移していることも東京市場にはポジティブ材料となっている。

 更に米株高を背景に消費熱が高まり、年末商戦への期待感も加わる。東京市場では米株高に追随する形でもう一段の上値が見込まれ、日経平均株価は年内に2万4000円台乗せをうかがう展開となりそうだ。裁定売り残の整理が進捗した状況ではあるが、依然として株式需給関係は良好であり、踏み上げ相場の素地が残されている。仮に、日経平均がいったん調整を入れる局面となったとしても下値では日銀のETF買いや企業の自社株買いが支え、日立製作所 <6501> や東芝 <6502> [東証2]をはじめとした親子上場の解消・グループ再編の動きも全体株価に浮揚力を与える。

 物色の方向性としては中小型株優位の流れが続くだろう。年末に向け外国人はクリスマス休暇で動きが鈍くなりがちだが、個人投資家が主導する形で比較的値動きの軽い銘柄に資金が流れ込むことが想定される。投資テーマとしては次世代高速通信の「5G」関連などが中心軸となりそうだ。そのなか、アンリツ <6754> 、村田製作所 <6981> 、太陽誘電 <6976> などのような主力銘柄から、もう少し時価総額が小さくボラティリティの高い銘柄に物色資金がシフトされやすい。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(やまだ・つとむ)
マーケットアナリストとして証券界で十数年活躍。2004年5月、カブドットコム証券(現auカブコム証券)入社。『こちカブ』(ラジオNIKKEI)『まーけっとNavi』(日テレNEWS24)『マーケットホットライン』(ストックボイス)などに出演。

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