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【特集】山田勉氏【バブル後高値更新へあと一歩、ここからの展望は】(2) <相場観特集>

山田勉氏(auカブコム証券 投資情報室 マーケットアナリスト)

―薄商いで上値重いが2万4000円台で売り物をこなす―

 週明け20日の東京市場は日経平均株価が40円あまり上昇し3日続伸となった。きょうは、今晩の米国株市場の休場に伴い海外投資家の参戦が少なく、薄商いのなかはっきりしない動きを強いられたものの、売り急ぐ動きも見られない。日経平均は18年10月につけた高値2万4270円の奪回まであと一歩に迫っているが、ここからの相場展望を第一線で活躍する市場関係者はどう見ているのか、2人に意見を聞いた。

●「上値指向を継続し早晩バブル後高値奪回へ」

山田勉氏(auカブコム証券 投資情報室 マーケットアナリスト)

 足もと日経平均は2万4000円近辺で戻り売りをこなし、根強い買いが観測される一方で上値の重さも指摘されているが、基本的に相場は先高期待が強い。早晩18年10月につけたバブル崩壊後の高値2万4448円(終値ベースでは2万4270円)の奪回から一段の上値を指向する公算が大きいとみている。

 目先は手掛かり材料難でも、米国株高に追随する上昇が続いているが、この流れは変わらないだろう。米国株と比較した場合、企業の収益環境の差が日本株の出遅れに反映されている。米国経済は個人消費を中心に好調を極めているが、日本は米中貿易戦争のあおりで外需が落ち込みL字型の回復トレンドを強いられているほか、内需も消費税引き上げの影響を払拭できない状況で、その分上値が重い。しかし、既に来期業績の回復期待を足場に株価を上昇させることが可能な局面にあり、今はその“光明”を肯定する証拠探しの段階にある。

 米中貿易戦争も足もと休戦状態で設備投資に動意が期待されるほか、外国為替市場における円安基調も追い風。ここからは日米ともに半導体関連の主要企業の決算発表がマーケットの注目を集めることになりそうだ。国内のリスク要因として“IRゲート事件”に絡み政局の行方に波乱が生じれば全体株価にも相応に下方圧力が働くが、それでも日経平均は25日移動平均線近辺が下値メドとなろう。

 今週は日本電産 <6594> やディスコ <6146> などの決算にマーケットの関心が集まりやすく、決算発表が株価にどういう形でインパクトを与えるかを注視したい。物色対象としてはソニー <6758> や信越化学工業 <4063> などの半導体関連や、設備投資関連株の値動きが引き続き注目となる。来期を占う意味では12月本決算の花王 <4452> 、AGC <5201> 、ナブテスコ <6268> などの今期予想がヒントとなりそうだ。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(やまだ・つとむ)
マーケットアナリストとして証券界で十数年活躍。2004年5月、カブドットコム証券(現auカブコム証券)入社。『こちカブ』(ラジオNIKKEI)『まーけっとNavi』(日テレNEWS24)『マーケットホットライン』(ストックボイス)などに出演。

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