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【特集】大谷正之氏【新型肺炎で北風吹きすさぶ、東京市場の下値リスク】(2) <相場観特集>

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

―遠くなった日経平均2万4000円台、復活はあるか―

 週明け27日の東京株式市場では、日経平均株価が一時500円以上も下げる波乱展開となった。中国で発生した新型肺炎の感染拡大によりリスクオフの流れが改めて強まり、前週末の米株安に加え、円高方向に振れた為替市場も投資家心理を冷やした。気がつけば遠くなった2万4000円台。上昇トレンドに異変が生じるなか、ここから更に下値を試す可能性は? 当面の見通しについて、先読みに定評のある市場関係者に見解を聞いた。

●「新型肺炎の影響は不透明、当面2万3000円台のもみ合いも」

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

 今後の相場の焦点は、「新型コロナウイルスによる肺炎拡大がいつ収束に向かうか」と「決算発表での業績動向はどうか」だろう。

 足もとの景気は底堅く、新型肺炎によって世界景気が崩れることはないとみている。しかし、当面の影響は読みづらく、全体相場はしばらくは足場を固める局面となることが予想される。

 今後、1ヵ月程度の日経平均は2万3000円台を中心とするもみ合いを見込む。下値のメドは2万3000円前後で一時的に2万2700円程度に下落することがあっても瞬間的だろう。上値のメドは2万4200円前後とみている。

 今後、新型肺炎に効果がある物質が徐々に判明し騒動が落ち着く方向に向かい、業績も堅調で為替も1ドル=110円台へ円安が進むような展開となれば、18年10月高値(2万4270円)を抜く展開も期待できるとみている。しかし2月のうちには、その状況に至ることはまだ難しいだろう。

 そんななか、今後活躍が期待できるセクターとして、半導体 電子部品 工作機械 などに注目している。「5G」や「IoT」、「電気自動車」などのテーマに乗るのは、これらのセクターだろう。半導体材料に絡む、SUMCO <3436> や信越化学工業 <4063> 、大陽日酸 <4091> 、電子部品の村田製作所 <6981> やローム <6963> 、TDK <6762> 、工作機械の部材に絡むミネベアミツミ <6479> やナブテスコ <6268> などに注目したい。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。

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