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【特集】コロナ戦乱相場で買われる株、我が道を突き進む「驚速5銘柄」 <株探トップ特集>

全体相場は落ち着きを取り戻し、中小型株も復活の狼煙を上げる銘柄が相次いでいる。コロナウイルスのネガティブな影響を受けない強力テーマ株を抜粋した。

―悲観の沼から生還した株式市場、コロナに負けない元気印の中小型株を厳選紹介―

  新型コロナウイルスによる感染症がこれほど世界経済を揺るがすことになるとは当初は誰もが予想だにしなかったであろう。しかし現実問題として、感染拡大を止めるためには人の動きを止めることが必要で、それが人命を救うことになると同時に経済メカニズムを著しく毀損する、という動かしがたい負のパラドックスに我々は足を踏み入れることになった。経済を映す鏡である株式市場も暴落の連鎖で、あれほど強かった米国株も、NYダウが高値からわずか1ヵ月で1万ドル以上も水準を切り下げる歴史的な下げを演じる羽目となった。しかし、ここにきて暴風雨はやや勢いを弱め、世界の株式市場はひと頃と比べ落ち着きを取り戻している。

●下値模索の呪縛から逃れ上を目指す

 日本国内に目を向けても、日経平均は今週に入ってから2番底を探りに行くであろうという大方の見方を覆し上昇に転じた。前週末に1万8000円台を割り込み悲観ムード一色に染まっていたものの、週が明けると景色はガラリと変わり、急速な切り返しで週間ベースでは1600円超の上昇をみせ、1万9000円台半ばまでポジションを浮上させてきた。海外ヘッジファンド筋によるアルゴリズムを使った先物市場での高速売買が全体相場を振り回しているという状況に変わりはないものの、足もとでは売りから買いへと歯車が逆回転を始めている。

 新型コロナ感染拡大の渦中にあって、欧米や中国をはじめグローバル規模で財政出動と金融緩和措置の両輪、いわゆるポリシーミックスが最大出力で一気に打ち出されていることが、空売り買い戻しを誘発した背景に挙げられる。米国では2兆ドルを超える経済対策に合わせて米連邦準備理事会(FRB)が異例ともいえる資金供給を開始、信用不安の払拭に全精力を傾注していることが大きい。こうした動きが、戦略的に積みあがったショートポジションの解消を生み、米国株はとりあえず窮地を脱した形となった。そして東京市場もそれに追随して戻りに入っているというのが今の状況だ。テクニカル的に日経平均は、5日・25日移動平均線がゴールデンクロスを果たすなか、25日線だけでなく5日線も上回る位置で漸次下値を切り上げており、典型的な底入れ足を明示している。

●日経平均の上値限定的でも買われる株はある

 では、ここで投資家はどう対処すべきか。日経平均は目先底入れの形にあることは確かだが、需給主導のリバウンドであることをまず念頭に置いておかなければならない。企業の決算発表シーズンを控え、通期見通しの下方修正や予測不能の「通期計画未定」が相次ぐことが予想され、ファンダメンタルズ面からは戻り相場を肯定する根拠に乏しい。米国株次第という要素は強いものの、自力で2万円大台への壁をクリアして更に上を目指すことは難しそうだ。

 新型コロナウイルスはその病状プロセス同様、相場に与える影響も執拗であり、経済実勢悪は一朝一夕で解消されることはなく政策期待だけでは戻りに限界が生じる。当面は日経平均と連動性の高い主力株よりも、値動きの軽い中小型株に分がある。海外機関投資家が日本株への売りを継続する一方で、個人投資家はしたたかに買い向かう動きをみせているが、これは海外筋から大口の売りが出にくい時価総額の比較的小さい銘柄が主軸となっている。

 そして物色ターゲットはコロナ耐性の強い銘柄に照準を合わせるのが基本戦略となる。今、株式市場はまさに“戦時モード”にあり、それに対応したスタンスをとることが重要だ。今回は現在の相場環境を俯瞰して、新型コロナによるマイナス効果を受けにくく、ともすればコロナ駆逐の一角を担うような銘柄にスポットライトを当てた。先行きが見通しにくい状況下で資金を長く寝かせない機動的な売買が前提となるが、全体相場にかかる重圧に流されることのない“強くて速い株”を5銘柄エントリーした。

●新型コロナに負けない選りすぐりの5銘柄はこれだ!

【キーウェアが上昇第2波へ、院内感染防止の本命】

 キーウェアソリューションズ <3799> [東証2]は底値離脱後に500円台半ばで売り物を吸収、ここから上昇第2波突入が期待できる。小型でハイボラティリティな株価が魅力だ。同社はNEC <6701> と関係密接なシステムインテグレーターで、院内感染対策システムや検査システムなど医療ICT分野で広範囲に自社製品を展開しており、収益機会が膨らんでいる。新型コロナウイルスは院内感染によるアウトブレイクが懸念されているが、同社はそれに対応した防疫関連株として存在感を示すことになりそうだ。足もとの業績も好調で年間12円配当を実施しているにもかかわらず、0.7倍台のPBRは水準訂正余地大。

【アクリートは配信サービス新局面、戻り加速へ】

 アクリート <4395> [東証M]はここから戻り足を加速させる展開が予想される。SMS(ショートメッセージ)配信代行サービスの最大手で、企業から個人に向けた配信を手掛けるが、19年12月期まで3期連続の増収増益で売り上げ、利益ともに急成長を続けている。そうしたなか、直近では通信メガキャリア3社が提供するメッセージ配信サービスを企業や自治体などに一元的に提供、中期成長への新たな足掛かりも確保した。新型コロナウイルスの影響で人と人とのリアル空間での接触が低減する方向にあるなか、メッセージ配信活用の機会も増え、これは同社の収益環境には追い風となる。時価総額50億円近辺で足も速い。

【コスモ・バイオはコロナ駆逐で思惑満載】

 コスモ・バイオ <3386> [JQ]は底値圏からの離脱を本格化させそうだ。同社は研究用試薬を主力とするバイオ関連商社で臨床検査薬や研究用機器なども取り扱っている。新型コロナウイルスのテストキットや研究用抗体、コロナウイルス検出用プローブなどに絡み、今後の展開に思惑が高まることになりそうだ。業績も好調で19年12月期は営業利益段階で前の期比24%増益、20年12月期も増益トレンドを維持する見通し。黒字バイオベンチャーで今期は前期比4円増配の18円を計画するなど株主還元姿勢も評価される。株価は900円台の滞留出来高が薄く、人気に火が付けば一気に4ケタ大台での活躍が有望視される。

【クロスキャットの快足魅力、マイナンバーで浮上】

 クロスキャット <2307> は底値鍛錬を経て浮上に転じてきた。ソフトの受託開発を手掛け、銀行・保険など金融機関やクレジット会社向け大規模案件で強みを発揮する。IoTやビッグデータの活用など、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資の加速で今後商機が高まるほか、新型コロナウイルス問題によりクローズアップされた非常時における現金給付などでマイナンバー活用が進むと予想されることも同社の活躍余地につながる。人気に火がついた時の株価の瞬発力は一頭地を抜く存在で、今年1月20日につけた高値が1432円と時価とのギャップも大きく更なる上値余地が意識される。

【ファイズHDはアマゾン関連で絶好の買い場に】

 ファイズホールディングス <9325> はここ目先筋の利食いに押されているが、ここは押し目買い好機。配送や庫内作業などEC事業者向け荷物の取り扱いを主力としており、最大顧客が米アマゾンであることで注目を集めている。アマゾンは新型コロナウイルスがもたらした外出規制で生活必需品を消費者の手元に届ける重要なインフラに相当するとして米株市場でも高評価を得て株価の戻りも急だ。日本でもEC需要は社会構造的に今後一段と高まり、そのインフラの一端を担う企業としてファイズHDの株価見直しが進みそうだ。注目度が高い割には信用買い残は少なく、需給面でも軽さがある。

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