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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─上昇勢いづく需給の偏りを突け!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「上昇勢いづく需給の偏りを突け!」

●株と経済実態のカイ離は異常なのか?

 東京市場、順調です。

 こう書いたら、「どこが順調だ?」と反論がくることだろう。いろいろ気掛かり材料があるじゃないか。特に、新型コロナウイルスの二次感染拡大の懸念は大きく、とても安心して投資はできない――こうなるだろう。

 加えて、中国が5月28日に全国人民代表大会で反体制活動を禁じる「香港国家安全法」の制定方針を採択したことに対するトランプ米政権の制裁表明がある。当然、中国は猛反発するので、米中対立の先鋭化は避けられないと見るのが自然だ。

 これだけでもマイナス材料としては十分だが、実は他にもある。トランプ大統領が書き込んだツイートに対してツイッター社が駄目出しを行ったことをきっかけに、トランプ大統領がSNSの規制に乗り出す方針を打ち出したことだ。

 そして、もう一つ。北九州市でコロナ感染者がここ6日で計43人に拡大。28日にはついに同市で最多タイの1日21人を確認し、「第2波」の脅威が現実のものとなっている。緊急事態宣言の解除を歓迎して上昇してきた市場にとって、これは明らかに水を差された格好で回復の勢いが鈍る要因となっている。

 このようなことがあると、コロナ禍の拡大は続いており、経済はどん底状態、さらに厳しい状況に陥る恐れがあるのに、株は実態を無視して上昇している。明らかにこれはバブルだ――こんな声が高くなるのだが、この見方には賛成できない。株は常に経済の実態から離れて動くものであり、この点でいまは異常な動きをしているのではなく、むしろ株式市場らしい動きになっていることになる。

●宝が潜む売り長銘柄

 ただ、投資する立場としては、現在のような上昇相場に対して違和感を持つ投資家が結構多いことは有り難い。上昇力の強い銘柄が見つかりやすいからだ。

 株は業績やチャートの形なども重要だが、内部要因もそれに劣らない。その中で特に株価に影響するのが信用の取組であり、そのバランスが売り側に偏っているのは、非常に魅力的だ。

 そこで、注目したいのは売り長の銘柄となり、まずは橋梁や道路などのインフラ補修工事に強いショーボンドホールディングス <1414> になる。

 我が家の冷蔵庫に常備されている「野菜生活」のメーカーであるカゴメ <2811> も、急騰はないが緩やかな上昇ならあり得る。

 いま我が家では、 旅行に行けるようになったらどこにしようかと話し合っている。とりあえず近いところで箱根や熱海、伊豆などが候補に上がっている。実際に行けるのはいつのことやらだが、株は箱根に強い小田急電鉄 <9007> でよい。

 コロナ禍により働き方は変わってくる。企業はそれに備えてリモートワークシステムの構築を急いでいるものの、忘れられがちなのが業務ソフトなどの変更。それをサポートするオービックビジネスコンサルタント <4733> も株高継続と見てよい。

 コロナ禍で改めて意識されるようになったのは、清潔な暮らし。「激落ちくん」で知られるレック <7874> の各種日用品、それに「バルサン」も需要期に入ることを考えると、株も期待が持てる。

 最後に私好みの銘柄を。蛇の目ミシン工業 <6445> を。マスク不足をきっかけに ミシンへの関心が高まり、需要増となるのではないか……と。

2020年5月29日 記

株探ニュース

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