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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):フロンテオ、太平洋セメ、三菱UFJ

フロンテオ <日足> 「株探」多機能チャートより
■FRONTEO <2158>  956円  +146 円 (+18.0%) 一時ストップ高   本日終値
 FRONTEO<2158>が一時ストップ高に買われた。同社は3日取引終了後、共和薬品(大阪市)と共同で、認知症診断を支援する人工知能(AI)を活用した新規医療機器の開発・販売で提携することを発表、これを材料視する買いを呼び込んでいる。認知症診断支援AIシステムはFRONTEO独自の自然言語解析AI「Concept Encoder(コンセプトエンコーダー)」を活用し、患者と医師との間の5~10分程度の会話から認知機能障害の有無を判定することができるシステムで、今後の展開に期待が高まる。FRONTEOの株価は5月下旬以降一気に上げ足を加速し、今週に入り1年8カ月ぶりの高値水準である1056円をつけていた。前日は利益確定売りに一時800円台を割り込む場面もあったが、きょうはカイ気配で急速に切り返しに転じた。

■内田洋行 <8057>  7,060円  +1,000 円 (+16.5%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率4位
 内田洋行<8057>が急伸しストップ高の7060円に買われた。3日の取引終了後、20年7月期の連結業績予想について、売上高を1900億円から1950億円(前期比18.6%増)へ、営業利益を58億円から65億円(同70.4%増)へ上方修正したことが好感された。前年同期にWindows10更新需要の急拡大や軽減税率制度対応、大規模公募型受託案件などの大型案件が集中したため、第4四半期は反動が見込まれるものの、ICT関連ビジネス並びに環境構築関連ビジネスが引き続き高い水準にあることが要因としている。なお、純利益は30億7000万円から30億円(同24.2%増)へ下方修正した。同時に第3四半期累計(19年7月21日~20年4月20日)連結決算を発表しており、売上高1538億6000万円(前年同期比27.6%増)、営業利益82億8000万円(同2.3倍)、純利益41億400万円(同79.7%増)だった。

■IIJ <3774>  4,190円  +370 円 (+9.7%)  本日終値  東証1部 上昇率9位
 インターネットイニシアティブ<3774>が一時9%を超える大幅高で5月13日につけた年初来高値4100円を払拭、13年5月以来約7年ぶりの高値圏に浮上した。13年5月につけた4365円を上抜けば、上場来高値更新となる。同社はネット接続サービスの大手でクラウドやセキュリティー分野で強みを発揮し、法人向けで高い実績を誇る。前日に三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンク各社やJR東日本<9020>、NTTグループ、セブン&アイ・ホールディングス<3382>といった大手企業が、デジタル通貨の基盤整備を目指す協議会を発足したが、IIJの持ち分法適用会社で暗号資産交換のディーカレット(東京都千代田区)が事務局の役を担うことで、これを材料視する買いが流入した。

■泉州電業 <9824>  2,805円  +150 円 (+5.7%)  本日終値
 4日に発表した「泉州電、自社株買いの実施を発表」が買い材料視された。
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  ⇒⇒泉州電業の会社開示情報を見る

■スカパーJ <9412>  452円  +21 円 (+4.9%)  本日終値
 スカパーJSATホールディングス<9412>が反発。3日の取引終了後、集計中の20年3月期業績について、営業利益が150億円から153億円(前の期比0.1%増)へ、最終利益が100億円から120億円(同24.0%増)へ上振れて着地し、営業減益予想から一転して増益で着地したようだと発表したことが好感された。メディア事業における加入件数の減少に伴い業務手数料収入などが減少し、売上高は1435億円から1395億円(同14.9%減)へ下振れたものの、宇宙事業及びメディア事業両事業における技術関連費用やメディア事業における光コラボルートにおける販促費が減少したことなどが利益を押し上げた。

■ヘリオス <4593>  1,883円  +62 円 (+3.4%)  本日終値
 ヘリオス<4593>が反発。3日の取引終了後、遺伝子編集技術を用いて作成した、ヒト白血球型抗原(HLA)型に関わりなく免疫拒絶リスクを抑える次世代iPS細胞「ユニバーサルドナーセル(UDC)」の研究株が完成したと発表しており、これが好感された。通常、移植細胞は患者とのHLA型を一致させない場合には、免疫拒絶反応を起こすが、UDCは遺伝子編集技術を用い、免疫拒絶反応の抑制を可能にするiPS細胞。同社のUDCは、他家iPS細胞から拒絶反応を引き起こすHLA遺伝子を除去し、その細胞に免疫抑制関連遺伝子及び安全装置としての自殺遺伝子を導入した、安全な細胞医薬品の原材料となる細胞で眼科領域、次世代がん免疫細胞、臓器原基などへの活用を目指すという。

■ALサービス <3085>  1,985円  +55 円 (+2.9%)  本日終値
 アークランドサービスホールディングス<3085>が反発。3日の取引終了後に発表した5月度の月次売上高で、既存店売上高は前年同月比2.3%減と3カ月連続で前年実績を下回ったが、4月の10.4%減から減収率が縮小し、全店売上高が同4.5%増とプラスに転じたことが好感された。客数は同21.8%減と大幅な減少が続いているものの、客単価が同24.9%増と大幅に伸長したことが減収率縮小に貢献した。

■ハウス食品グループ本社 <2810>  3,725円  +90 円 (+2.5%)  本日終値
 ハウス食品グループ本社<2810>が続伸。株価は3700円台まで上昇し約4カ月半ぶりの水準に値を上げた。SMBC日興証券は3日、同社株の目標株価を4200円から4500円に引き上げた。投資評価は「1」を継続した。コロナ状況下でも、海外食品が強く、ポストコロナでも成長が加速する可能性を指摘している。特に中国のカレー、米国の豆腐、タイのレモン飲料は増収ペースを堅持し、底堅さが光っている。同証券では21年3月期の連結営業利益を従来の200億円から160億円に下方修正したが、会社計画(155億円)は上回ると予想。22年3月期の同利益は231億円に急回復すると見込んでいる。

■太平洋セメント <5233>  2,632円  +47 円 (+1.8%)  本日終値
 太平洋セメント<5233>が3日続伸。SMBC日興証券は3日、同社株の投資評価「1」と目標株価3700円を継続した。短期的な業績は、国内・海外セメントでの事業環境悪化が懸念されるが、バイオマス発電の開始やダム建設などの大口工事案件着工により中期的な利益成長確度は高いとみている。セメント販売の減少の影響を受け、21年3月期の連結営業利益予想を従来の704億円から605億円(前期比0.8%減)に見直し、来期と来々期の業績も下方修正した。ただ、主燃料価格の下落の寄与もあり来期以降は増益が見込めると予想。また、継続的な自社株買いを実施していることも評価している。

■三菱UFJ <8306>  450.9円  +6.3 円 (+1.4%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが買われた。前日の米国株市場では発表された経済指標を受け、経済底入れ期待から大手金融株が大きく上値を伸ばし、JPモルガンが5%を超える上昇をみせたほか、シティグループも5%近く水準を切り上げるなど人気化するものが相次いだ。米10年債利回りも終値ベースで0.74%台と約1カ月半ぶりの水準に浮上しており、米国事業を展開する国内メガバンクにとっても追い風となった。また、ここ脚光を浴びるデジタル通貨発足に向けた動きに関しても中核を担うメガバンク各社の動向はマーケットの視線が集まりやすくなっている。

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