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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:米国コロナ2次感染状況、各国経済指標、マザーズIPO

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■株式相場見通し

予想レンジ:上限22750-下限21500円

来週の日経平均は、外部環境に不透明感が残るなか、22000円台を固める動きとなるかが注目される。7月1日に6月調査日銀短観、2日に米6月雇用統計と相場に影響が大きい指標の発表を控えているほか、7月3日は独立記念日の振替休日で米国市場が3連休となることから、積極的な買い上がりは期待薄のタイミングとなっている。

しかし、相場にとって最大の懸念材料は引き続き、新型コロナウイルスの感染第2波への懸念だ。米カリフォルニア州のディズニーランド・パークが7月17日の再開予定を延期したほか、米北東部3州の自主隔離義務付けなど感染第2波に対する警戒は米国だけでなく、ドイツやオーストラリアなどでも高まっている。感染拡大による経済自粛懸念が強まると、リスクオフの流れが東京市場にも影響を与えてくる。

ただ、東京の新規感染者数は11日の東京アラート解除以降は1日当たり40人から50人レベルで推移しているとはいえ、海外主要都市に比べると抑えられていることから、大幅な相場的調整を回避されている。需給的にみても、3月期決算企業の株主総会通過で配当の再投資が、日銀のETF買いとともに相場の下支え要因として働いている。為替相場や海外要因に大きな変動がない限り、この需給要因が日経平均をサポートすることになる。日経平均は上昇してきた25日移動平均線が22000円から22500円のもちあい圏に接近してきたことで、このもちあいに変化が出てくるポイントにも来ている。


■為替市場見通し

来週のドル・円は底堅い値動きか。欧米諸国などで新型コロナウイルスの感染再拡大が警戒されており、リスク選好的な取引は縮小する可能性がある。ウイルス感染の再拡大によって米国経済の早期正常化への期待が低下した場合、株式、商品などのリスク資産からドルへの逃避行動が再び広がる可能性がある。

米国ではテキサス、フロリダ、カリフォルニアを中心に新型コロナウイルスの感染が再拡大し、1日の新規感染者数は過去最多を更新した。累計の死者数も増加している。トランプ大統領は経済の早期正常化を優先する方針で、現時点で第2波の懸念が強まっても制限措置の再開には否定的だが、全米レベルでウイルス感染が拡大した場合、制限措置の緩和を停止せざるを得ないとの見方が多いようだ。米国景気の早期回復期待は遠のくことになろう。当面はウイルス感染の被害状況を見極める展開となり、感染拡大を嫌って米国株式が大幅に下落した場合、安全資産であるドル資金の需要が高まる可能性がある。


■来週の注目スケジュール

6月29日(月):日・小売売上高(5月)、欧・ユーロ圏景況感指数(6月)など
6月30日(火):日・鉱工業生産指数(5月)、日・グッドパッチが東証マザーズに新規上場、中・製造業PMI(6月)、米・消費者信頼感指数(6月)など
7月1日(水):日・日銀短観(大企業製造業DI)(4-6月)、日・製造業PMI(6月)、欧・ユーロ圏製造業PMI(6月)、米・ISM製造業景況指数(6月)、米・ADP全米雇用報告(6月)など
7月2日(木):米・新規失業保険申請件数(先週)、米・雇用統計、米・製造業受注(5月)など
7月3日(金):日・サービス業PMI(6月)、中・財新サービス業PMI(6月)、欧・ユーロ圏サービス業PMI(6月)など


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https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200627-00934016-fisf-market
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https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200627-00934018-fisf-market
新興市場見通し:IPO再開で初値飛ばす、新興株は個人の買い余力注視(6/27)

https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200627-00933001-fisf-bus_all
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《YN》

 提供:フィスコ

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