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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):三井住友FG、神戸物産、DLE

三井住友FG <日足> 「株探」多機能チャートより
■三井住友FG <8316>  2,885円  -94.5 円 (-3.2%)  本日終値
 三井住友フィナンシャルグループ<8316>が8日続落と下値模索の動きにある。同社が29日取引終了後に発表した4~6月期決算は最終利益が前年同期比60%減の860億円と大幅な減益を余儀なくされた。新型コロナウイルスの感染拡大が企業の業績を急速に悪化させ、これに伴う貸倒引当金の積み増しなど与信コストが増幅され収益を圧迫した。業績悪は事前に織り込まれていたとはいえ、最終6割減益は市場コンセンサスを下回っており、目先は見切り売りに押される展開となっている。なお、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>は8月4日、みずほフィナンシャルグループ<8411>はあす31日に決算発表を予定しており、これに対するマーケットの関心も高い。

■神戸物産 <3038>  6,650円  -180 円 (-2.6%)  本日終値
 神戸物産<3038>は4日ぶりに反落。巣ごもり消費による主力「業務スーパー」の好調を背景に29日には上場来高値を更新しており、この日は利益確定売りが出た様子だ。29日に発表された6月月次の営業利益は前年同月比6.3%増の14億8400万円だった。市場では15億円台が予想されており、やや伸び悩んだ。ただ、これは「業務スーパー生誕20周年」の記念セールの費用を6月に計上したとみられていることも要因であり、一時的なものと受け止められている。 

■ブライトパス・バイオ <4594>  297円  +63 円 (+26.9%) 一時ストップ高   本日終値
 ブライトパス・バイオ<4594>が後場に入って一時ストップ高まで買われる場面があった。同社はきょう、国立がん研究センターとの共同研究で、新型コロナウイルス感染症の予防ワクチンとなり得る複数の候補ペプチドを同定したと発表しており、これが材料視されたようだ。両者はこのほど、新型コロナの原因ウイルスに対する細胞性免疫(T細胞)の誘導を特徴とするペプチドワクチン候補を同定。今回同定したペプチドで日本人に多いHLA(ヒト主要組織適合性遺伝子複合体)型が広くカバーされ、日本人での高い有効性が期待されるとしている。

■両毛システムズ <9691>  2,188円  +400 円 (+22.4%) ストップ高   本日終値
 両毛システムズ<9691>がストップ高に買われた。29日の取引終了後に発表した21年3月期第1四半期(4~6月)の連結業績は、売上高32億8200万円(前年同期比9.2%増)、経常利益1億5900万円(同2倍)となり、これを好材料視する買いが入った。公共事業セグメントのソフトウェア開発・システム販売分野で水道事業者向けシステム販売などが好調だったことが収益を押し上げた。上期計画の2億400万円に対する進捗率は8割近くに達しており、業績上振れが期待された。

■GMOペパボ <3633>  4,300円  +700 円 (+19.4%) ストップ高   本日終値
 GMOペパボ<3633>がストップ高。同社は個人向けを主体とするレンタルサーバやEC支援ビジネスを展開するが、時流を捉え足もとの業績は絶好調に推移している。29日取引終了後に発表した20年12月期上期(1~6月)決算は、営業利益段階で前年同期比23%増の6億2300万円と大幅な伸びを達成した。特に4~6月期に限れば、前年同期実績の2倍以上となっており、これを評価する形で投資資金の流入が加速している。

■ディー・エル・イー <3686>  522円  +80 円 (+18.1%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率2位
 ディー・エル・イー<3686>がストップ高。前々日の28日にもストップ高に買われる人気となったが、前日は地合い悪のなか目先筋の売りで急反落を余儀なくされていた。しかし、短期資金の回転売買が中心で上値にしこりはなく、きょうは改めて買い直される展開となった。中国企業が提供する人気アプリ「TikTok(ティックトック)」について個人情報漏洩へのリスクが取り沙汰され、今週に入り自民党の議員連盟が利用制限を求める提言を出すと伝わったことが、今回の物色人気化の背景にある。短編動画投稿プラットフォームアプリを運営するTriller(トリラー)への投資を行っているDLEにとってティックトックは競合するアプリであり、今回の制限要請が追い風材料となるとの思惑が継続的な買いを誘導した。

■イーブック <3658>  4,025円  +550 円 (+15.8%)  本日終値  東証1部 上昇率4位
 イーブックイニシアティブジャパン<3658>が急伸し一時、13年5月以来の4000円台を回復した。29日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)単独決算が、売上高70億5500万円(前年同期比51.4%増)、営業利益4億800万円(同2.2倍)、純利益2億8300万円(同2.3倍)となり、営業利益は第1四半期として過去最高となったことが好感された。新型コロナウイルスの感染予防のため自宅で電子書籍を読む市場ニーズが高まったことなどで新規ユーザー数が増加したほか、各種販促キャンペーンが奏功し、主力の電子書籍事業が大幅に伸長した。また、EC需要の高まりを受けて紙書籍のオンライン販売も好調だった。なお、21年3月期通期業績予想は、売上高235億円(前期比10.4%増)、営業利益8億8000万円(同10.9%増)、純利益6億円(同10.1%増)の従来見通しを据え置いている。

■SEHI <9478>  189円  +20 円 (+11.8%)  本日終値
 SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ<9478>が大幅反発。29日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視された。上限を37万5000株(発行済み株数の1.65%)、または7500万円としており、取得期間は7月30日から9月25日まで。経済情勢の変化に対応した機動的な経営を遂行できるようにするのが目的としている。

■三社電機製作所 <6882>  589円  +60 円 (+11.3%)  本日終値
 29日に決算を発表。「非開示だった今期経常は65%増益へ」が好感された。
 三社電機製作所 <6882> [東証2] が7月29日大引け後(15:00)に決算を発表。21年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常損益は4400万円の赤字(前年同期は1億1500万円の黒字)に転落した。
  ⇒⇒三社電機製作所の詳しい業績推移表を見る

■ビーグリー <3981>  2,324円  +212 円 (+10.0%)  本日終値  東証1部 上昇率9位
 ビーグリー<3981>が大幅高で新値街道をまい進している。きょうは2200円台後半まで買われ、2017年6月以来約3年ぶりの高値圏に浮上している。スマートフォン向けに電子コミックの配信サービスを手掛けているが、新型コロナウイルスの感染拡大が外出自粛の動きを促しており、巣ごもり消費需要を取り込んでいる。同社が展開する「まんが王国」は国内最大級。株式需給面では外資系大手の大量保有で思惑を呼んでいる。19年12月期業績は営業利益段階で前の期比58%増と急回復を果たした。20年12月期上期(1~6月)の決算発表については8月14日に予定されているが、同じく電子書籍関連のイーブックイニシアティブジャパン<3658>が前日に好決算を発表し人気化していることもあって、その連想も働いているもようだ。

●ストップ高銘柄
 ストリームM <4772>  470円  +80 円 (+20.5%) ストップ高   本日終値
 ブラス <2424>  473円  +80 円 (+20.4%) ストップ高   本日終値
 ブランジスタ <6176>  574円  +80 円 (+16.2%) ストップ高   本日終値
 コーユーレンティア <7081>  1,130円  +150 円 (+15.3%) ストップ高   本日終値
 など、7銘柄

●ストップ安銘柄
 なし

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