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【市況】今週の【早わかり株式市況】週末急落・2万2000円割れ、感染急拡大・業績悪・円高と悪材料相次ぐ

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は3週ぶりに大幅下落、週間の下げ幅合計は1000円超に
 2.米中対立激化に対する懸念と新型コロナ感染拡大で弱気相場の流れ強まる
 3.決算発表が本格化するなか、企業業績悪に対する警戒感も売り圧力を増幅
 4.FOMCでの金融緩和長期化確認も、円高がネガティブ材料として再浮上
 5.週末は都内の感染者数急増傾向でリスクオフ一色、600円を超える急落

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比1041円(4.58%)安の2万1710円と3週ぶりに大幅下落となった。約1ヵ月半続いた2万2000円-2万3000円のレンジ相場が下放れた。

 今週は米中対立の問題が強く意識されたほか、新型コロナウイルスの感染拡大が国内でも加速するなかで買い手控えムードの強い地合いとなった。また、決算発表が本格化するなか企業業績に対する悲観的な見方も強まり売りに拍車がかかった。日経平均は切り返すタイミングもなく前週末から数えて6営業日続落となった。

 週明け27日(月)は前週末の米国株市場で主要株指数が軟調だったことに加え、米中対立が先鋭化していることへの警戒感が売りを誘発し、日経平均は一時300円超の下げ。ただ、その後は日銀のETF買い観測などが下支えとなり、大引けは35円安まで下げ幅を縮小した。28日(火)も売りに押される展開。下げ幅は60円弱だったが1500を超える銘柄が値を下げ、売買代金は2兆円を割り込んだ。29日(水)になると更に弱気ムードが蔓延し、260円安と下げ幅も広がってきた。新型コロナの感染第2波への懸念に加え、決算発表が本格化するなか、決算悪が露呈した銘柄が大きく値を下げる展開に。為替も円高傾向を強めたことで売り圧力が増幅された。30日(木)は前日のFOMCで金融緩和政策の長期化が確認されたことを好感して米国株が反発したことを受け、日経平均も高く始まったが、その後は値を消す展開となった。この日の東京都の新型コロナ感染者数が360人を超え過去最多となる見通しが伝わったことも投資家心理を冷やした。そして、31日(金)は下げが一気に加速し、600円を超える下げで日経平均は安値引け。都内の感染者数は460人超と更に膨らみ連日で過去最多に。リスクオフの流れも加速し、フシ目の2万2000円台を一気に割り込む売り一色の展開となり、全体の93%強の銘柄が下落した。

■来週のポイント
 下値抵抗ラインだった2万2000円を下放れたことに加え、新型コロナウイルス感染がさらに拡大するとみられるだけに、来週は下値を模索する展開となりそうだ。

 重要イベントとしては、国内では7日に発表される6月景気動向指数が注目される。海外では3日発表の米国7月ISM製造業景況指数や5日に発表される米国の6月貿易収支と7月ISM非製造業景況指数、7日に発表される中国7月貿易収支と米国7月雇用統計に注視が必要だろう。

■日々の動き(7月27日~7月31日)

【↓】   7月27日(月)―― 続落、一時大幅安も日銀のETF買い期待で下げ渋る
 日経平均 22715.85(  -35.76)  売買高11億6056万株 売買代金 2兆1066億円

【↓】   7月28日(火)―― 3日続落、薄商いのなか後場下げに転じる
 日経平均 22657.38(  -58.47)  売買高10億8836万株 売買代金 1兆9878億円

【↓】   7月29日(水)―― 4日続落、業績悪化企業の急落や円高を嫌気
 日経平均 22397.11( -260.27)  売買高11億8639万株 売買代金 2兆1053億円

【↓】   7月30日(木)―― 5日続落、新型コロナの感染拡大懸念で売り優勢
 日経平均 22339.23(  -57.88)  売買高13億0042万株 売買代金 2兆2659億円

【↓】   7月31日(金)―― 6日続落、新型コロナ感染拡大を嫌気し2万2000円割れ
 日経平均 21710.00( -629.23)  売買高16億7899万株 売買代金 2兆7815億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種が下落
 (2)日本製鉄 <5401> 、神戸鋼 <5406> など鉄鋼が値下がり率トップ
 (3)JR東日本 <9020> など陸運、大和ハウス <1925> など建設、三井不 <8801> など不動産といった内需株の一角が大きく売られた
 (4)円高でトヨタ <7203> など自動車、コマツ <6301> など機械といった輸出株も大幅安
 (5)オリックス <8591> などその他金融、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株もさえない
 (6)NTTドコモ <9437> など情報・通信、武田 <4502> など医薬、キリンHD <2503> など食品は軟調も下げ限定的

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
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 2(3) テレワーク ── 動き始めた“脱東京” テレワーク時代と「働き場所」革命で..
 3(5) コロナウイルス
 4(4) 5G
 5(9) サイバーセキュリティ ── DX時代の到来で対策待ったなし
  ※カッコは前週の順位

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