【市況】【市況】株価指数先物 【週間展望】 ―アドバンテスト・ショック、CTA参戦で戻り売りスタンスによるショート戦略を引き続き意識
NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより
「アドバンテスト・ショック、CTA参戦で戻り売りスタンスによるショート戦略を引き続き意識」
今週の日経225先物は、リスクオフムードが高まりやすく、戻り売りスタンスによるショート戦略が有効になりそうだ。週末31日の米国市場は、4-6月期業績が予想を上回ったことが好感されたアップルが10%を超える上昇となるなど、GAFA銘柄を中心にテック株が牽引する形でナスダックは1.48%の上昇をみせている。しかし、10%を超える上昇はサプライズ感があるとはいえ、アップルの上昇については週末の段階で想定されていたことであり、ある程度は織り込まれているだろう。
一方で、東京市場では先週末の「今期最終33%減益見通し」を発表したアドバンテスト <6857>のストップ安により、米テック株に牽引されてきた楽観的な見方が消滅した。良好な第1四半期決算を発表した東京エレクトロン<8035>についても買い一巡後は戻り待ちの売りに押される場面が目立ってきており、米国市場の上昇を受けて週末の大幅な下げに対するリバウンドは意識されるものの、自律反発の域は脱せないだろう。
今回の決算を受けたアドバンテストのストップ安は市場にとって青天の霹靂であった。決算発表前にはゴールドマン・サックス証券が半導体株のカバレッジを開始し、アドバンテストをトップピックとしていた。また、BfoA(メリルリンチ)も強気の見解を示すなど、足元では楽観的な見方が大勢であった。週末の先物の手口をみると、ゴールドマン・サックス、メリルリンチの売り越しが目立っており、海外勢もヘッジ売りの動きを余儀なくされたように感じられる。
週末の日経225先物はナイトセッションで反発をみせており、ひとまず200日移動平均線(2万1750円辺り)が支持線として意識される形ではあるが、5日移動平均線と25日移動平均線とのデッドクロス示現により、5日移動平均線が位置する2万2200円レベルでは戻り待ちの売り圧力が警戒されやすい。また、一目均衡表では雲上限レベルが支持線となるが、一方で遅行スパンが実線を割り込み下方シグナルを発生させている。いったんは反発が意識されるタイミングではあるが、一気にシグナルが好転してくるには見極めが必要である。
また、米VIX指数は25を下回ってボトム圏で推移しているが、日経ボラティリティー・インデックスは足元で上昇をみせてきており、変動率が高まっている。金先物は7月半ば以降に上昇ピッチを強めており、31日には一時、初の2000ドル台に乗せた。ゴールドマン・サックスでは先週、米中関係の悪化懸念や米大統領選挙を巡る不透明感、新型コロナウイルスの感染第2波懸念などを背景に、12カ月先の金価格の見通しを2000ドルから2300ドルに引き上げている。
リスクオフムードが高まるなか、夏枯れ相場とも言われる8月はレンジ相場が継続するとみるが、基調としてはポジションを減らす方向に向かいやすい。こうした市場環境のなか、先週はクレディスイスの売り越し基調が目立ってきており、週末には日経225先物を2850枚程度売り越している。クレディスイスの売買についてはCTA(商品投資顧問)と呼ぶヘッジファンド経由の売買とみられ、クレディスイスの売買が増えることにより、より変動率の大きい相場展開が意識されてくる。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、ニュースフローなどによって、瞬時にアルゴリズムの売買が執行される流れには注視しておきたい。リスクオフムードが強まる中では、日銀のETF買い入れによる需給を上回る売りがよりセンチメントを悪化させてくる。
また、今週は決算発表の第2弾のピークとなり、1300社を超える決算が予定されている。決算を見極めたいタイミングとあって機関投資家は動けず、よりCTAなど先物主導の売買の影響を受けやすい。また、週末には米雇用統計など重要な経済指標の発表が控えている。先週の米4-6月GDPの大幅悪化によって警戒感は高まりやすく、売買を手控えさせることになりそうだ。押し目狙いによるロングは避け、自律反発狙いで強含む場面があるようなら、戻り売りスタンスによるショート戦略を引き続き意識しておきたい。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
6月限 日経225 22,071.46 TOPIX 1550.43
7月限 日経225 22,601.81 TOPIX 1555.00
◆日経225先物9月限(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
7月31日 22210 22300 21680 21760 -560
7月30日 22390 22540 22310 22320 -20
7月29日 22620 22640 22340 22340 -270
7月28日 22630 22820 22610 22610 -80
7月27日 22760 22790 22390 22690 -60
◇TOPIX先物9月限(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
7月31日 1531.5 1536.0 1491.5 1496.5 -41.0
7月30日 1549.0 1560.5 1536.0 1537.5 -8.5
7月29日 1565.5 1568.0 1546.0 1546.0 -20.0
7月28日 1575.0 1583.5 1565.5 1566.0 -12.5
7月27日 1575.0 1581.0 1550.5 1578.5 +5.0
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日比
7月31日(9月限) 21920 +160
7月30日(9月限) 22230 -90
7月29日(9月限) 22530 +190
7月28日(9月限) 22515 -95
7月27日(9月限) 22665 -25
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
7月22日 1兆7726億円 +319億円 3699億円 +15億円
7月17日 1兆7407億円 -825億円 3684億円 +500億円
7月10日 1兆8232億円 -214億円 3183億円 -665億円
7月3日 1兆8447億円 +241億円 3849億円 +60億円
6月26日 1兆8206億円 -672億円 3788億円 +147億円
6月19日 1兆8878億円 -480億円 3640億円 +786億円
6月12日 1兆9358億円 -3999億円 2853億円 -1746億円
6月5日 2兆3357億円 -896億円 4600億円 -384億円
5月29日 2兆4254億円 -1453億円 4984億円 +317億円
5月22日 2兆5707億円 +732億円 4666億円 +156億円
5月15日 2兆4974億円 +1437億円 4509億円 -681億円
5月8日 2兆3537億円 +687億円 5191億円 +195億円
5月1日 2兆2850億円 -1275億円 4995億円 +223億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
7月29日 6億8909万株 +2888万株 1億9949万株 -225万株
7月28日 6億6020万株 -1017万株 2億0175万株 +504万株
7月27日 6億7038万株 -4952万株 1億9670万株 +597万株
7月22日 7億1990万株 +2554万株 1億9073万株 +45万株
7月21日 6億9436万株 -2034万株 1億9027万株 +338万株
7月20日 7億1471万株 -778万株 1億8688万株 -232万株
7月17日 7億2249万株 +305万株 1億8921万株 -44万株
7月16日 7億1944万株 -1691万株 1億8965万株 +531万株
7月15日 7億3636万株 -1831万株 1億8434万株 +908万株
7月14日 7億5467万株 +1132万株 1億7525万株 +393万株
7月13日 7億4335万株 -2225万株 1億7132万株 +384万株
7月10日 7億6560万株 +717万株 1億6748万株 -1752万株
7月9日 7億5843万株 -195万株 1億8500万株 +53万株
7月8日 7億6039万株 -643万株 1億8446万株 +842万株
7月7日 7億6682万株 +1290万株 1億7603万株 -2335万株
7月6日 7億5392万株 -257万株 1億9938万株 -126万株
7月3日 7億5649万株 -30万株 2億0065万株 -1453万株
7月2日 7億5680万株 +331万株 2億1519万株 +241万株
7月1日 7億5348万株 +449万株 2億1277万株 -606万株
6月30日 7億4899万株 +988万株 2億1884万株 +1149万株
6月29日 7億3910万株 +777万株 2億0734万株 +1316万株
6月26日 7億3132万株 -275万株 1億9417万株 +438万株
6月25日 7億3408万株 +853万株 1億8978万株 -301万株
6月24日 7億2554万株 -883万株 1億9280万株 +6万株
6月23日 7億3437万株 -881万株 1億9274万株 +541万株
6月22日 7億4319万株 -119万株 1億8733万株 +48万株
■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
6月11日 1001億円
6月12日 1001億円
6月18日 1001億円
6月19日 1001億円
6月25日 1001億円
6月29日 1001億円
7月9日 1002億円
7月10日 1002億円
7月20日 1002億円
7月27日 1002億円
7月29日 1002億円
7月31日 1002億円
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