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【特集】上方修正や前年同期から倍増などの好業績材料も(和島英樹)

「明日の好悪材料Next」~第33回

和島英樹和島英樹(Hideki Wajima)
株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

【今回チェックした「明日の好悪材料」記事一覧】
1月4日分
1月5日分
1月6日分
1月7日分

1月4日~7日は年初で材料が少なかったが、通常5銘柄のところ6銘柄をピックアップ。ペプチドリーム<4587>の上方修正など好業績の発表がある一方、シー・ヴイ・エス・ベイエリア<2687>が時価総額の減少により猶予期間入りなどもあった。

1月4日分ペプチドリーム<4587> ~ ☆テクニカル・チェック銘柄
■好悪材料~前期経常を24%上方修正・最高益予想を上乗せ。戦略的パートナーであるKleo Pharmaceuticals社が米Biohaven社と合併

東大発のバイオ創薬ベンチャー。特殊ペプチドを使って医薬品候補物質を探索。欧米のメガファーマと取引多い。契約した企業との一時金やマイルストン(開発段階に応じた)収入で安定的に収益拡大の傾向にある。

2020年12月期の業績予想を上方修正。売上高は前回予想を16億円上回り116億円(前の期は6カ月決算で10億3700万円)、営業利益は同14億円増額の67億円(同8億8700万円の赤字)となったもようとしている。

修正の要因は「新型コロナウイルス感染症の拡大による影響があったものの、PDC(創薬共同研究契約)に関する新規ライセンスなど、活発な事業開発活動に基づく業績の着実な積み上げの結果」などする。

■ペプチドリーム<4587>の月足チャートとMACD
【タイトル】

月足の株式チャートを、トレンドや過熱感をはかるオシレーター系の指標のMACD(移動平均収束発散法)から確認すると、20年半ばにゼロライン寸前にまで下降したものの、下落トレンドを示すマイナス圏入りは回避している。

MACDは短期と長期の平滑移動平均の差で算出され、これとMACDの移動平均線であるシグナルの推移で動向を判断する。2つの動きを見ると、20年末にはMACDがシグナルを下から上に抜けるゴールデン・クロス(GC)が示現している。直近ではシグナルも上向きに転じつつあり、上昇基調が強まってきている。

また、週足の移動平均線でも6週線と13週線が接近、6週線がサポートラインになりそう。

今回の波動で上場来高値6240円の奪回を伺う可能性が高い。まずが心理的なフシ目でもある6000円台を固める動きか。

■ペプチドリーム<4587>の週足チャート
【タイトル】
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同

1月4日分 シー・ヴイ・エス・ベイエリア<2687>
■好悪材料~東証が時価総額の指定替えに係る猶予期間入り銘柄に指定

千葉や東京を地盤にホテルやマンション管理などに展開。かつてはコンビニエンスストアが主軸だったが、同事業は縮小。

2020年12月末時点で時価総額が20億未満となった。原則として今後9カ月以内に一度も同一月の月末時価総額および月間平均時価総額が20億円以上にならなかったときには、市場第2部銘柄への指定替えを行う旨規定されている。

同社では20年12月30日に、未定としていた21年2月期の業績予想を開示。売上高は75億円(前期比28.0%減)、営業損益5億7000万円の赤字(前期は3700万円の黒字)になる見通しだ。

新型コロナ影響で都心部の宿泊需要の大幅な減少が要因。コンビニ事業は主力店舗近隣の大型展示場においてイベントが段階的に再開されたことで、通期でのセグメント利益の確保を想定しているという。

1月5日分 カネコ種苗<1376>
■好悪材料~上期経常が40%増で着地・9~11月期は赤字縮小

国内の種苗大手。タマネギやニンジンなどの野菜種苗が軸。東アジアなど海外でも着実増。農薬や園芸資材なども扱う。

2021年5月期の第2四半期累計(20年6~11月)を発表、売上高は261億8100万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は2億4600万円(同61.6%増)となった。

同社の事業は種苗、花き、農林、施設材の4セグメントに分かれ、足元の通期決算によれば、売上構成比は農林、施設材、花き、種苗の順に、セグメント利益の構成比は農林、種苗、施設材、花きの順になる。

今回の決算で、前年同期比で最も増収率の高かったのが花き事業。伸び率は16.3%増で、売上高は34億1200万円になる。増収の要因は、コロナ禍で外出自粛により自宅で楽しめる家庭園芸への参加人口が増加し、家庭園芸・菜園事業が拡大したことや積極的な営業展開が奏効したとする。ただし、セグメント損益は前年同期より改善しているが6500万円の赤字(前年同期は1億600万円の赤字)だった。

続いて増収率が高かった種苗事業では野菜種子関係でカボチャの輸出やダイコンの国内販売が減少したものの、キャベツの輸出や海外子会社での販売増が寄与し同3.0%の増収、同7.7%の増益となった。なお花き事業は「春に需要期を迎えることに伴い、第4四半期(3~5月)の売上高および利益が集中的に計上される傾向がある」としている。

■『株探』プレミアムで確認できるカネコ種苗の四半期業績の成長性推移
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通期予想に変更はなく、売上高595億円(前期比2.3%増)、営業利益15億5000万円(同4.2%増)、1株利益98.5円を見込んでいる。営業利益の第2四半期累計時点の進ちょく率は15.8%と低いが、3~5月期偏重の影響とみられる。

類似企業のサカタのタネ<1377>の業績も順調である公算が大きいか。

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