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【特集】通期営業利益を上方修正も、3Q時点で計画超過の銘柄も(和島英樹)

「明日の好悪材料Next」~第34回

和島英樹和島英樹(Hideki Wajima)
株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

【今回チェックした「明日の好悪材料」記事一覧】
1月8日分
1月12日分
1月13日分
1月14日分

1月8日~14日の4営業日分では、決算発表が増加。通販のフェリシモ<3396>、ドラッグストアのウエルシアホールディングス<3141>が2021年2月期の第3四半期累計で順調な内容となり、技研製作所<6289>は第1四半期が大幅増益となった。

1月8日分 フェリシモ<3396>
■好悪材料~今期経常を66%上方修正

通信販売の中堅企業。一度申し込むと、毎月1回商品が届くコレクション事業(定期便)に強み。衣料品や美容健康関連、住宅、食品など生活関連を幅広く扱う。

2021年2月期の第3四半期累計(20年3月~11月)の業績を発表、同時に通期の業績見通しを売上高、利益とも上方修正した。

まず第3四半期累計の実績では、売上高は244億6600万円(前年同期比16.9%増)、営業損益は11億8900万円の黒字(前年同期は9700万円の赤字)となった。ファッションブランドの売上高が好調。また、保有リソースや資産を活用した物流およびEC支援事業が伸びたとしている。

通期業績の上方修正については、売上高は前回予想を4億3300万円上回る320億7800万円(前期比12.1%増)、営業利益は3億4500万円上乗せの8億700万円(同2.65倍)、1株利益102.56円になる見通し。

第2四半期は新型コロナウイルスの影響により在宅時間が増加する中、多様なテーマ設定を行い、設定に沿った魅力的な商品・サービスの提案を行ったことが支持され顧客数が大幅に増加した。

下期以降もファッションアイテムや生活雑貨商品の売上高が引き続き堅調。販管費では出荷および販売関連コスト増はあるものの、国内旅費などが抑制されている。

なお第3四半期累計の営業利益は、通期予想を超過している

■『株探』プレミアムで確認できるフェリシモの業績修正履歴
【タイトル】

1月8日分 ウエルシアホールディングス<3141> ~ ☆テクニカル・チェック銘柄
■好悪材料~3~11月期(3Q累計)経常が32%増で着地・9~11月期も5%増益

ドラッグチェーンの最大手級。イオンの優良子会社。調剤薬局の併設率が高いことが特徴。M&Aに積極的で、傘下入りした企業に同社の経営手法を導入することで収益性を向上させる仕組みを構築。

2021年2月期の第3四半期累計(20年3月~11月)の業績を発表、売上高は前年同期比10.8%増の7104億800万円、営業利益は同34.1%増の329億7100万円となった。

テレワークなどによる化粧品メイク需要の減少などの影響はあったものの、感染症予防対策商品や食品などの需要増により物販は堅調に推移。調剤併設数は1595店舗(前期末比153店舗増)になったことも寄与した。

販管費では人や時間のコントロールおよび管理を徹底し、また自動発注などの推進による店舗業務の効率化などによって、人件費を中心とした費用の適正化に努めたなどとしている。

通期の業績予想に変更はなく、売上高9541億円(前期比9.9%増)、営業利益433億円(同14.5%増)、1株利益121.1円を計画している。第3四半期累計の営業利益の進ちょく率は76.1%。

■ウエルシアHDの週足チャートとMACD(2018年1月~)
【タイトル】

株価チャートをチェックすると、週足では13週移動平均線、26週線ともに下向きで、下降トレンドを形成中だ

またトレンドや過熱感を計るオシレーター系の指標で、短期と長期の2つの平滑移動平均の推移で構成するMACD(移動平均収束発散法)を見るとMACDに続いて、MACDの移動平均線であるシグナルも、下落相場入りを示唆するゼロラインを割り込んできている。切り下がる13週線が上値抵抗ラインとなる。

当面の下値めどは、19年3月安値1782円から昨年7月高値5035円までの上げ幅の半値押し3409円が1つ。
「明日の好悪材料Next」~第34回

さらに相場の反発や下落のメドを計るのに応用されるフィボナッチ・リトレースメントで用いられる61.8%水準の押しとなる3025円となる。

1月12日分 技研製作所<6289>
■好悪材料~9~11月期(1Q)経常は2.7倍増益で着地

機械メーカーで、サイレントパイラー(油圧式杭圧入引抜機)によるインプラント工法で成長。インプラント工法は鋼矢板や鋼管杭などの既成杭を地中に押し込み、地球と一体化した構造物(インプラント構造)を構築する工法。一本一本の杭が地中深く根を張ることで、地震による液状化や津波などの外力に対し、粘り強く耐えることができる。

21年8月期の第1四半期(9~11月)の業績を発表、売上高は前年同期比20.0%増の70億3900万円、営業利益は同2.9倍の12億6300万円となった。

■『株探』プレミアムで確認できる技研製作所の四半期業績の成長性推移
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同社によれば、好決算の要因を「自然災害からの復旧・復興事業や将来に備えた事前防災・減殺対策、社会インフラの老朽化対策など国土強靭化施策を中心に、インプラント工法の適用拡大に取り組み、海岸堤防や岸壁の整備、高速道路リニューアルなどで工法採用が増加した」とする。

通期予想に変更はなく、売上高271億円(前期比10.0%増)、営業利益31億5000万円(同26.1%増)、1株利益76.7円を見込んでいる。第1四半期段階での営業利益の進ちょく率は40.0%となっている。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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