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【特集】成長路線まっしぐら、2月決算「勝ち組銘柄」は株価も全面開花モードへ <株探トップ特集>

内需関連が大半を占める22年2月期業績は、大手小売りを中心にコロナ禍からのV字回復を見込む。ここでは好決算見通しにもかかわらず、株価が割安水準にある企業を6社選出した。

―21年2月期の本決算発表出そろう、今期活躍期待の割安成長株をリストアップ―

 今週後半から3月期決算企業の21年3月期決算発表が本格化する。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で決算発表日を延期する企業が相次いだが、今年は通常モードに戻る。東京証券取引所の集計(15日現在)によると、日本電産 <6594> やディスコ <6146> が発表する22日から増え始め、月内に321社、ゴールデンウイーク明けの来月6日以降に約1900社が発表する予定だ。3月期決算発表のピーク時期を前に、前哨戦となる2月期決算企業の21年2月期決算発表が先週までに大方出そろった。ここでは、22年2月期に好業績見通しを示している企業の中から、株価指標面で割安感が強く、株価の水準訂正余地が大きいとみられる銘柄にスポットを当てた。

●コロナ直撃の小売りは一転V字回復見通し

 2月を本決算月とする企業は小売りを中心に内需関連が大半を占める。16日までに決算発表を終えた207社のうち、22年2月期の業績予想を開示した193社について調べたところ、経常利益は前期に比べ36%増加する見通しとなった。経常利益の増加額は国内流通トップのイオン <8267> が最も大きく、次いでJ.フロント リテイリング <3086> 、高島屋 <8233> 、オンワードホールディングス <8016> と続く。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や店舗休業の影響で業績が大きく落ち込んだ前期からV字回復を見込む企業が上位を占めた。一方、前期にコロナ特需に沸いた食品スーパーホームセンターの一角には、巣ごもり需要の一巡を背景に減益を予想する企業が目立つ。

 こうしたなか、今回は決算が評価され株価が上昇基調にある銘柄の押し目買い候補として、株価指標面で割安感が強いものに注目した。以下では、22年2月期に経常利益ベースで増益を見込んでいる企業のうち、株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかを示す「PER」(株価収益率)が低位で、株価の水準訂正が進むことが期待できる割安成長株を6社紹介していく。

●わらべ日洋は13期ぶり最高益奪回へ

 わらべや日洋ホールディングス <2918> はセブン-イレブン向けを中心におにぎりや調理パンなどを製造する中食業界のリーディングカンパニー。21年2月期はコロナ禍でレジャー・外出需要が縮小したことが響き減収となったものの、工場再編による生産性向上などで吸収し、経常利益は前の期比3割を超える大幅増益を達成した。22年2月期は新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、主力の食品関連事業を中心に売上高が回復する見通しだ。また、赤字部門である人材派遣関連事業の撤退に加え、前期に計上した食材関連事業の棚卸資産評価損が解消することで、経常利益は49億円(前期比32.1%増)と実に13期ぶりとなる最高益奪回を見込む。決算発表を受けて、株価は約1年半ぶりの高値圏に浮上したが、予想PER12倍台、PBR0.8倍前後と指標面で割安感が強く、見直し余地は大きいとみられる。

●西松屋チェは押し目買い候補として注視

 ベビー・子供用品の専門店を全国展開する西松屋チェーン <7545> の21年2月期業績は4回にわたる上方修正を経て、経常利益ベースで14期ぶりに過去最高益を塗り替えた。新型コロナウイルスの感染拡大で衣料関連が軒並み苦戦を強いられるなか、店舗の広い空間設計や低価格のプライベート商品で子育て世帯のニーズを掴み、異彩の強さをみせつけた格好だ。22年2月期は積極出店を継続する一方で、不採算店舗の閉鎖や在庫管理の徹底、店舗運営の効率化を通じて収益力を高め、経常利益140億円(前期比13.1%増)と2ケタ伸長を計画する。決算発表と同時に、20億円規模の自社株買いを実施することを明らかにしたことも好感され、株価は昨年11月の高値1864円まで駆け上がった。その後は利益確定売りに押されているが、予想PERは11倍台と割安圏にあり、押し目買い候補として注視したい。

●ナルミヤは急成長のEC部門がけん引役

 ナルミヤ・インターナショナル <9275> はベビー・子供向けに特化したアパレル事業を展開するほか、フォトスタジオ事業も手掛ける。前期は緊急事態宣言に伴う店舗閉鎖で上期業績が落ち込んだものの、構造改革とポートフォリオ変革を進めた下期は急回復に転じた。巣ごもり需要を捉えたEC部門が拡大したほか、不振ブランドの撤退や経費削減を進めたことが奏功した。22年2月期は成長ドライバーのEC部門に積極投資し、20年2月期に60億円規模だった同部門の売上高を100億円に高める計画だ。また、百貨店とショッピングセンター向けでは休業影響が解消し、今期の経常利益は前期比67.2%増の16億8200万円と2期ぶりの最高益更新を見込む。2日に発表した3月の既存店売上高は前年同月比40.7%増と大幅な伸びを示しており、V字回復に向けて好調なスタートを切っている。

●スタ・アリスは前期一転増益で着地、今期続伸へ

 子供向け写真館最大手のスタジオアリス <2305> は、昨年4月の緊急事態宣言を受けて臨時休業した影響で、21年2月期の経常利益は10月時点で3割超の大幅減益を予想していたが、本決算発表前の今月5日に、一転して増益見通しとなる49億6300万円へ大幅増額修正した。七五三撮影の最需要期である10月と11月の撮影件数が大きく伸びたことに加え、人件費や経費の削減を進めたことが上振れの背景だ。22年2月期は成人式用振袖レンタルと前撮りがセットになった「ふりホ」を全国展開するほか、引き続き店舗統廃合など費用構造の適正化を進めることで連続増益を目指す。前期業績の上方修正と今期続伸見通しが評価され、株価は一気に約2年3ヵ月ぶりの高値圏に躍り出たが、予想PERは15.8倍と過去平均や他のサービス業と比べて割安感があり、一段の上値に期待したい。

●ピックルスは最高益と増配の連続記録更新に期待

 漬け物業界トップのピックルスコーポレーション <2925> の21年2月期業績は、内食需要や健康志向の高まりなどを背景に、主力のキムチ製品を中心に販売が大きく伸びた。また、仕入れ価格の安定推移に加え、商品規格の見直しや生産アイテムの集約による生産効率化も寄与し、経常利益は28億2900万円(前の期比43.4%増)と過去最高益を大幅に更新した。続く22年2月期はキムチや浅漬け、総菜の積極展開などにより、最高益の連続更新年数を5期に伸ばす計画だ。配当は前期の35円を据え置くが、前期まで7期連続増配中で、いずれも期中に配当を増やした経緯があり、今期も増額に期待がかかる。また、12月に上場20周年を迎えることから記念配当の実施も期待される。なお、上場10周年の12年2月期は5円の記念配当を出している。

●エーアイテイは高水準な配当利回りにも注目

 中国や東南アジアを中心とした総合物流会社であるエーアイテイー <9381> の21年2月期業績は、売上高457億9700万円(前の期比1.8%増)、経常利益25億4500万円(同30.7%増)といずれも過去最高を記録した。新型コロナウイルス感染拡大の影響でアパレル関連の取り扱いは低調だったものの、在宅時間の増加を背景に日用品や生活雑貨などは好調だった。また、国際貨物輸送の需要回復で世界的に海上コンテナが不足するなか、運賃が高騰したことも追い風になった。22年2月期は一貫輸送を武器に新規顧客開拓を進めるほか、高水準な運賃が継続し、5期連続の増収増益を見込む。また、配当は前期比2円増の40円を計画しており、配当利回り3%台後半と株主還元の切り口での魅力も高い。予想PERは13.9倍と過去3年平均(17.6倍)を下回る水準で、上値余地は残っているとみられる。

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