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【特集】資産を倍以上にした「バガーさん」はこんな人、投資スタイル別の注目指標、そして売買益期待の銘柄は

第10回 強い投資家はどんな人~日本株投資家3900人調査で解明!(データ分析・バガー編-2)

筆者/真弓重孝 = 『株探』編集部・編集統括プロデューサー
ビジネス誌、マネー誌などを経て、2018年4月にみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)に入社。現在に至る。

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前回に続いて、投資を開始してから資産を2倍以上に膨らました「バガーさん」について見ていこう。

今回は、

投資スタイル別の注目指標および情報、
平均的な保有銘柄や投資期間、
売買益期待が最大&2番目に大きい銘柄、


――など紹介する。

まずは投資スタイル別の注目指標および情報を見ていこう。(注:スタイル別の指標&情報で集計ミスがあったため、当初のグラフを割合表示を含めて変更。関連文章も修正しています)。

グロース派は利益・売上高・時価総額そしてセクター&事業の成長

前回紹介したようにグロース投資を取ると回答した人は、バガーさんの43%。注目する指標・情報は以下の通りになる。トップ5は

「利益の成長」
「売上高の成長」
「セクターや事業の成長性」
「収益性の改善」
「時価総額の水準」

――の順だった。

【タイトル】
注:回答は4つまで。回答総数と人数は、バガー249と84、全体3622と1309。合計は100%を超える並びはバガーの降順

ちなみに億マンさんの場合もトップ5の顔ぶれは同じで

「利益の成長」
「売上高の成長」
「収益性の改善」
「セクターや事業の成長性」
「時価総額の水準」

――の順で、バガーさんとは3番目と4番目が入れ替わっている。

バガーさんと億マンさんのトップ5の顔ぶれは同じだが、2位以下の順がバガーさんと異なっていた(参考)。

バリュー派もトップ5は億マンさんと同じ顔ぶれも、順番が異なる

グロース派の次に多いスタイルのバリュー投資。その上位5項目は

「配当利回り」
「潜在的な収益力に対して割安」
「時価総額の水準」
「財務の安定性」
「保有キャッシュ相当に対して割安(資産バリュー)」

――の順だった。

こちらもトップ5の顔ぶれは億マンさんと同じだが、順位が異なった。億マンさんは

「潜在的な収益力に対して割安」
「時価総額の水準」
「配当利回り」
「財務の安定性」
「保有キャッシュ相当に対して割安(資産バリュー)」

――の並び(参考)。

バガーさんと億マンさんは上位3の並びが異なり、バガーさんのトップは「配当利回り」に対して、億マンさんは「収益バリュー」である点が興味深い結果となっている。

【タイトル】
注:回答は4つまで。回答総数と人数は、バガー203と64、全体3255と1197。合計は100%を超える並びはバガーの降順

テクニカル・需給派とイベント派は、「時価総額」の水準が全体よりかなり高い

次にテクニカル・需給派とイベント派をみると、 テクニカルは「出来高の増減」がトップ、イベント投資では「新高値更新」と「新製品・技術等」がトップで並んだ。

【タイトル】
注:回答は4つまで。回答総数と人数は、バガー78と25、全体1624と513。合計は100%を超える並びはバガーの降順

【タイトル】
注:回答は4つまで。回答総数と人数は、バガー19と8、全体664と263。合計は100%を超える並びはバガーの降順

テーマ派が重視する項目は以下の通りだ。

「EV(電気自動車)・自動運転・電池」がトップで、バガーさんの7割と全体の場合に比べて2倍ほど高い水準になっている。

また「半導体」関連も全体と比べて占める割合の水準が、高くなっている。

【タイトル】
注:回答は4つまで。回答総数と人数は、バガー20と7、全体1083と434。合計は100%を超える並びはバガーの降順

保有銘柄数は「21~50」がトップ、信用取引はしていない人が半分近く

保有銘柄の数は「21~50」「11~20」の順となった。億マンさんは「101以上」が最も多かった。

バガーさんの中には、億マンさんを目指す途上の投資家を含んでいる。前回紹介したように、195人のバガーさんのうち、日本株の運用資産が1億円未満の人が80%近くと大勢を占める。この億マン途上のバガーさんの場合、保有数は「21-50」が最も多かった。

これに対して日本株資産が1億円以上のバガーさんは20%超になる。この億マンのバガーさんの保有数を見ると、「101以上」の人がもっと多かった。

億マンを目指すバガーさんは集中投資している人の割合が高くなっている

【タイトル】
注:回答数はバガー195、全体3920

平均的な投資期間は「1年以上3年未満」がトップで、次に「1カ月以上1年未満」そして「3年以上」となった。

億マンさんの場合は、「3年以上」と「1カ月以上1年未満」がトップに並んだことと比較すると、バガーさんは、億マンさんに比べて「短い期間」で取引する傾向となった

この傾向は億マンのバガーさんも同様だった。彼らの平均保有期間のトップは「1カ月以上1年未満」。次に「1年以上3年未満」となり、「3年以上」は3番目だった。

億マンのバガーさんも、億マンさん全体と比べると、保有期間は短めになっている。

【タイトル】

注:回答は2つまで。回答総数と人数は、バガー282と195、全体5606と3920。合計は100%を超える
当初掲載から割合表示を変更済み


信用取引については半数以上の人が活用し、全体と比べると活用度が高い。

ただし、億マンさんと比べると、活用している比率が3%ポイントほど低くなっている。また「(買いと売りの)両方」を活用している人の比率も、億マンさんと比べて低い(参考)。

バガーさんというと、高いリスクを取ってリターンを追求している印象を抱きがち。だが、取材した人の中にはバフェット流の高クオリティ銘柄をバイ&ホールドして、累積元本を5倍以上に膨らました人もいた。

「倍増を勝ち取れたのは、高リスク高リターン投資の結果」というのは、ステレオタイプの見方ということを押さえておく必要がある。

【タイトル】
注:回答数はバガー195、全体3920

最後に3月中下旬の回答時点で売買益期待の最大と2番目に挙がった銘柄のリストを紹介する。

前回と同様に留意事項がある。まず売買益期待が最大の銘柄の中に『株探』を運営するミンカブ・ジ・インフォノイド<4436>が含まれていたが、削除している。また表の注で示したように母数が非常に少なく、順位はほぼ意味を持ちえない。

■売買益期待が最大の銘柄
順位銘柄名<コード>
1ソフトバンクグループ<9984>
1ソニーグループ<6758>
1村田製作所<6981>
4ファーマフーズ<2929>
4レーザーテック<6920>
4三菱商事<8058>
7伊藤忠商事<8001>
7東京エレクトロン<8035>
7日本電産<6594>
7チェンジ<3962>
7アサヒホールディングス<5857>
注:回答数は75

■売買益期待が2番目の銘柄
順位銘柄名<コード>
1ソフトバンクグループ<9984>
1三櫻工業<6584>
3オリックス<8591>
3ファーマフーズ<2929>
3ENEOSホールディングス<5020>
3JTOWER<4485>
注:回答数は51

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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