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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 需給が最大の要因、チャートの転機をじっと待つとき

株式評論家 富田隆弥

ナスダックS&P500に続き、NYダウも週足チャートが二段下げに入ってきた。NYダウは1月5日の高値3万6952ドルをピークに2月24日の安値3万2272ドルまで下げ、その後4月21日の3万5492ドルまで戻したが、5月になり2月の安値を割り込んでチャートは二段下げ入りし、12日時点で3万1228ドルと安値を更新中だ。二段下げの計算値はN波の3万0812ドル、V波の2万9052ドルだが、果たしてどうなるか。

◆ナスダックは、昨年11月の最高値1万6212ポイントから3月14日の安値1万2555ポイントまで下げ、その後3月29日に1万4646ポイントまで戻したが、4月に3月安値1万2555ポイントを割り込んで二段下げとなり、5月12日時点で1万1108ポイントと安値を更新している。ちなみに、ナスダックの二段下げの計算値はN波の1万0989ポイント、V波の1万0464ポイントが挙げられる。

◆このように米国株のチャートは調整入りを鮮明にしている。高値からNYダウは15.5%、ナスダックは31.5%と大きく下落し、テクニカル的にはいつ底打ちしてもおかしくない域に来ている。ただし、昨年までの上昇が超過剰流動性を背景とした「超金融相場」であったから、その反動では「需給の逆転」を意識せねばならない。

◆つまり、いまは「買い方が苦しく、売り方は有利」な状況で、これを打破するにはチャートの好転を待たねばならない。折に触れて急反発する場面もあるだろうが、少なくとも日足チャートで25日移動平均線を突破しなければ「買い方有利」とならず、先行き「三段下げ」のリスクも否定できない。

◆相場の最大要因は「需給」であり、ダウ理論の基本は「流れ(トレンド)に従え」である。日本株のカギを握るのは米国株であるから、いまはNYダウとナスダックのチャートの好転(あるいはセリング・クライマックス)をじっと待つところだろう。

(5月12日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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