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【市況】来週の株式相場に向けて= 銀行株“高値圏飛躍”の意味するもの

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 25日の日経平均株価は前日比100円安と4日ぶりに反落したものの、2万8200円台と底堅い値動きが続く。

 米インフレ懸念の後退期待を背景に、半導体関連などグロース株の逆襲高に関心が集まっているが、その一方で「バリュー株が予想以上に底堅い」(アナリスト)ことに注目する声も少なくない。日経平均株価は、1月につけた年初来高値に迫るものの、まだ少し余裕がある。しかし、TOPIXは2000ポイント台に乗せ、1月5日の年初来高値(2039.27)が目前に迫ってきた。日経平均株価に先駆けてTOPIXが新高値に躍り出る可能性も高まっている。

 そのTOPIX上昇の牽引役ともみられているのが銀行株だ。三井住友フィナンシャルグループ<8316>やみずほフィナンシャルグループ<8411>といったメガバンク、りそなホールディングス<8308>、それに東京海上ホールディングス<8766>など大手損保も含め年初来高値に飛躍している。急騰した富山第一銀行<7184>は別格として、七十七銀行<8341>など地銀株も上昇している。

 銀行株は金利上昇時に買われることが多い。それだけに、米長期金利の低下に向けた期待が高まるこの時期になぜ買われるのか。その要因には、さまざまな見方があるが、そのひとつは「来年4月の黒田日銀総裁の退任を意識し、日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策の変更を視野に入れた外国人投資家の買いが流入しているのではないか」(市場関係者)というものだ。いずれにせよ、年末相場に向け銀行株などバリュー株からは目が離せなくなってきた。

 来週は、後半から12月に入ることもあり米国を中心に重要経済指標の発表が目白押しだ。最大の焦点は2日の米11月雇用統計だが、それに先立ち29日に消費者信頼感指数、30日にADP雇用統計、1日にISM製造業景況感指数が発表される。30日にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演も予定されている。

 国内では29日に10月失業率・有効求人倍率、30日に同鉱工業生産が発表される。30日にウェルプレイド・ライゼスト<9565>、1日にサイフューズ<4892>がともに東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは2万7900~2万8500円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2022年11月25日 17時47分

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