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【市況】株価指数先物 【週間展望】 ―FRBはインフレ抑制策を緩めず、ヘッジ考慮したNTロングでのスプレッド狙ったトレード

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

「FRBはインフレ抑制策を緩めず、ヘッジ考慮したNTロングでのスプレッド狙ったトレード」

 今週の日経225先物は、金融システム不安が高まるなか、21~22日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で決定される利上げ幅などを巡る思惑が相場の変動要因となりそうだ。17日の日経225先物は、ファースト・リパブリック・バンク<FRC>に対する米銀大手11行による支援策発表で金融不安が和らぎ、買い戻しの動きがとなり、節目の2万7000円を回復して取引を終えた。2万7000円水準には横ばい推移する75日、200日移動平均線が位置しており、支持・抵抗になり得る転換ポイントとして強く意識されている。現状では同水準が抵抗線として機能しているため、FOMCを受けて明確に上放れできないと、戻り待ち狙いのショートが強まりやすい。

 足もとの金融システム不安を踏まえて、市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)がいったん利上げを停止するとの思惑が高まる場面も見られた。ただし、先週の欧州中央銀行(ECB)理事会が予想通り0.5%の利上げを決めたことで、FRBはインフレ抑制策を緩めないといった見方も交錯している。また、サマーズ元米財務長官が、金融システム不安への過度な懸念により利上げペースを緩めるべきではないと指摘したとも報じられており、前回同様、0.25%の追加利上げがコンセンサスになるだろう。0.5%の利上げとなれば、さらなる銀行救済や信用基準の厳格化が進むリスクが高まり、リセッション(景気後退)懸念につながることも考えられる。

 また、経営破綻したシリコンバレーバンクの持ち株会社だったSVBファイナンシャル・グループ<SIVB>が17日、連邦破産法11条の適用を申請し、経営破綻した。シリコンバレーバンクに続き、元親会社が経営破綻したことで金融システム不安が再燃し、17日の米国市場は主要な株価指数が下落した。NYダウは9日の急落で200日線を割り込んだ後は、同線が上値抵抗線として機能する一方、ナスダックは200日線を上放れ、25日線を支持線に変えてきた。FOMC通過でリバウンドを見せてくる可能性はあるものの、金融業界を巡る不安が払拭されるまでは、全体のポジションを傾ける動きは考えづらく、金融株売りに対してハイテク買いといった形でのスプレッド狙いに向かわせよう。

 そのため、オプション権利行使価格の2万7000円を中心に、権利行使価格の2万6375円と2万7375円によるレンジを想定。ヘッジを考慮したNTロングでのスプレッドを狙ったトレードになりそうだ。先週のNT倍率は先物中心限月で14日には一時14.09倍まで上昇し、2月6日の戻り高値14.03倍を上回り、昨年12月20日以来の水準まで上昇。その後はリバランスにより低下する場面も見られたが、75日線を支持線とした13.90~14.00倍辺りで推移した。75日線を支持線に、14.12倍辺りに位置する200日線を意識したトレンド形成が見込まれそうだ。

 VIX指数は13日に一時30.81まで上昇し、その後は200日線での攻防を見せており、22.5~30.0辺りで荒い値動きを見せている。強弱感が対立している状況であるが、週足ベースでは26週、52週線を上回ってきた。昨年11月以降のボトムレンジから上放れてきたため、両移動平均線を下回ってくるまではリスク選好には向かいづらい。また、ヘッジファンドは世界の銀行株のロングポジションを解消し、ショートに傾けているとみられている。銀行株のショートカバーを交えた本格的なリバウンドが入るまでは、ヘッジを考慮したポジションになるだろう。

 3月第2週(3月6日-10日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続で買い越しており、買い越し額は286億円(3月第1週は6992億円の買い越し)だった。なお、現物は1兆1275億円の売り越し(同994億円の売り越し)と3週連続の売り越しであり、先物は1兆1562億円の買い越し(同7986億円の買い越し)と8週連続で買い越している。個人は現物と先物の合算で773億円の売り越しで、2週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で2077億円の売り越しとなり、9週連続の売り越しだった。

 経済スケジュールでは20日に日銀金融政策決定会合の主な意見(3月9日~10日分)、21日に米国2月中古住宅販売件数、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁発言、22日にFOMC結果、パウエルFRB議長会見、23日にイングランド銀行(BOE)政策金利、米国10-12月期経常収支、米国2月新築住宅販売件数、24日に2月全国消費者物価指数、米国2月耐久財受注、米国3月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国3月サービス部門PMIなどが予定されている。


――プレイバック・マーケット――

●SQ値
04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02
05月限 日経225 25951.24  TOPIX  1838.12
06月限 日経225 28122.81  TOPIX  1955.38
07月限 日経225 26659.58  TOPIX  1890.16
08月限 日経225 28525.62  TOPIX  1963.05
09月限 日経225 28253.40  TOPIX  1957.76
10月限 日経225 26666.31  TOPIX  1885.58
11月限 日経225 28225.86  TOPIX  1978.52
12月限 日経225 27576.37  TOPIX  1945.27
01月限 日経225 26325.21  TOPIX  1900.71
02月限 日経225 27779.75  TOPIX  1986.19
03月限 日経225 28377.34  TOPIX  2047.32

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
23/06 03月17日  26670  27100  26430  27030  +290
23/06 03月16日  27060  27090  26190  26740  -310
23/06 03月15日  26910  27250  26840  27050  +150
23/06 03月14日  27590  27650  26840  26900  -750
23/06 03月13日  27880  28020  27370  27650  -210

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
23/06 03月17日  1907.5  1937.5  1886.0  1936.5  +25.5
23/06 03月16日  1941.0  1943.5  1874.5  1911.0  -30.0
23/06 03月15日  1918.5  1949.0  1912.5  1941.0  +23.0
23/06 03月14日  1976.0  1979.0  1910.5  1918.0  -61.0
23/06 03月13日  2007.5  2014.5  1962.5  1979.0  -26.0

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日比
03月17日(6月限)  26710  -320
03月16日(6月限)  27015  +275
03月15日(6月限)  26490  -560
03月14日(6月限)  27210  +310
03月13日(6月限)  27160  -490
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い    前週末比
03月10日    2307億円  -258億円 1兆4586億円  +6803億円
03月03日    2566億円  +200億円  7783億円  +2698億円
02月24日    2365億円 +2023億円  5084億円  +1482億円
02月17日    342億円  -230億円  3602億円  -0.09億円
02月10日    572億円 -1769億円  3602億円  -381億円
02月03日    2342億円 -1159億円  3983億円  -513億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
03月15日    5810万株   +319万株  5億1049万株   -662万株
03月14日    5491万株    +36万株  5億1711万株   -2610万株
03月13日    5455万株    +8万株  5億4322万株   -364万株
03月10日    5446万株   -2792万株  5億4686万株   -3782万株
03月09日    8239万株   +1844万株  5億8469万株   +6574万株
03月08日    6394万株   -151万株  5億1894万株   +1億2533万株
03月07日    6545万株   +810万株  3億9361万株   +5153万株
03月06日    5735万株   -545万株  3億4207万株   +5450万株
03月03日    6281万株   +887万株  2億8757万株   +7723万株
03月02日    5394万株    -31万株  2億1034万株   +1974万株
03月01日    5425万株   -105万株  1億9059万株   +691万株
02月28日    5530万株   -309万株  1億8367万株   +210万株
02月27日    5840万株    -5万株  1億8157万株   +230万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日  701億円
1月25日  701億円
2月14日  701億円
3月07日  701億円
4月07日  701億円
5月19日  701億円
6月13日  701億円
6月17日  701億円
12月2日  701億円
【2023年】
3月13日  701億円
3月14日  701億円


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