CAICA DIGITAL---3Q損失が大幅に改善、ITサービス事業の利益が順調に推移
CAICA DIGITAL<2315>は13日、2024年10月期第3四半期(23年11月-24年7月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比0.8%増の42.25億円、営業損失が1.75億円(前年同期は19.37億円の損失)、経常損失が3.01億円(同20.91億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が4.02億円(同19.04億円の損失)となった。
ITサービス事業の売上高は前年同期比1.8%増の41.93億円、営業利益は同74.5%増の4.93億円となった。システム開発を担うCAICAテクノロジーズは売上高、営業利益ともに前年同期を上回って推移している。とりわけ利益面では、顧客への価格交渉や高単価案件を選別して受注し、利益率が大きく改善した。一方、利益率向上の施策を期初の想定以上に優先していることにより、売上高はやや弱含んで推移している。金融機関向けのシステム開発分野は、概ね堅調に推移した。売上高は、新規案件の獲得が想定をやや下回って推移しているが、継続案件は、主力である銀行、保険の業種ともに堅調に推移した。なお、継続案件の価格交渉と新規案件の受注条件の見直しを実施し、営業利益は大きく改善している。非金融向けシステム開発分野は、顧客の事業拡大意欲が高く、IT投資も継続されており、既存顧客からの受注は堅調に推移した。また現在、CAICAテクノロジーズでは、DXソリューションサービス事業に注力している。2024年1月のPegasystems社とのパートナーシップ契約締結を皮切りに、2024年4月にはHCLSoftware社のパートナーに認定された。更に、2024年8月には、HCL Technologies社と基本再販業者プログラム契約(MRA: Master Reseller Agreement)の締結を完了した。これにより、ディストリビューターを介さずに、HCLグループが提供するソフトウェアソリューションを再販することが可能となった。フィンテック関連のシステム開発分野は、決済系の案件を中心に安定的に受注を獲得し、堅調に推移している。
金融サービス事業の売上高は同58.0%減の0.37億円、営業損失は4.07億円(前年同期は19.39億円の損失)となった。当第3四半期累計期間における売上高は、同社の暗号資産を売却したことによる売上高のプラス計上があった一方で、同社グループが保有する暗号資産(カイカコイン及びスケブコイン)の暗号資産評価損2.89億円を売上原価に計上した。カイカフィナンシャルホールディングスが運営するZaif INO事業の売上高は、NFTの販売高に応じた販売手数料を収益源としている。当第3四半期累計期間は、ゲーム関連のNFT販売のみならず、高収益である自社オリジナルのNFT販売や、ゲーム領域以外のイラストレーターによるNFTの販売など、ラインナップを拡大させている。更に、Web3ウォレット無しでNFTが購入できる簡便さと、カードをスマホにかざすだけでNFTの保有確認ができるという機能性から、会員権やチケットとしての活用が期待できる「NFTカード」や「Zaif INOメンバーズウォレットカード」を販売し、ユーザビリティの向上を図っている。加えて、TOPPAN社とのWeb3領域におけるNFTの活用の連携においては、TOPPAN社の顧客に対して、NFC技術を利用して簡単にNFTを体験できるサービスの提供を開始した。また足元では、初心者を含む幅広いユーザー層に対応するため、Zaif INOの販売サイトを全面リニューアルした。又、従前のNFT販売に加え、マーケティングやコミュニティ運営までを一気通貫でサービス提供すべく、SHINSEKAI Technologies社と業務提携した。カスタマーディベロップメント事業は、暗号資産や金融業界をはじめとした様々な業界に適応可能な顧客対応を行っている。高水準のカスタマーサポートチームを提供するほか、カスタマーとの友好な関係構築を支援する。なお、Zaif INO事業及びカスタマーディベロップメント事業の業績は概ね計画の範囲内で推移している。
2024年10月期通期については、同日、連結業績予想の修正を発表した。売上高が前期比0.4%減(前回予想比10.3%減)の56.56億円、営業損失は1.64億円(同3.33億円減)、経常損失は2.92億円(同4.54億円減)、親会社株主に帰属する当期純損失は3.97億円(同5.34億円減)としている。
《AK》
株探ニュース