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クラボウ Research Memo(5):今後の成長加速に向けて、事業ポートフォリオ改革が着実に進展

特集
2025年7月25日 11時05分

■クラボウ<3106>の前中期経営計画「Progress’24」の振り返り

2025年3月期が最終年度となった中期経営計画「Progress’24」(2023年3月期~2025年3月期)では、「高収益事業の拡大と持続可能な成長に向けた基盤事業の拡大」を基本方針に掲げ、成長・注力事業の業容拡大と基盤事業の拡大、R&D活動の強化による新規事業創出と早期収益化などに取り組んできた。特に、成長領域である半導体製造関連事業が伸長し、抜本的な事業構造改革も着実に進展した。

(1) 数値目標の実績

売上高は工作機械事業の譲渡等の影響で計画を下回ったものの、各段階利益は注力する半導体製造関連事業の伸び(事業ポートフォリオ改革の進展)などにより、計画を上回る利益成長を達成した。また、ROEについても、営業利益率の改善や積極的な株主還元策(増配及び自己株式取得)により計画を大幅に超過した。総還元性向(3年間)は74.1%と目標である50%を上回り、設備投資もおおむね計画どおりに実施した。

(2) 重点施策における成果(及び課題)

1) 成長・注力事業の業容拡大と基盤事業の収益力の強化

半導体製造関連事業の伸長やフィルム事業の収益化、繊維独自技術商品の拡大などの成果があった。自社評価は「〇」としている。

2) R&D活動の強化による新規事業創出と早期収益化

R&Dは着実に進捗したものの、ロボットビジョンなどの事業化は遅延しており、自社評価は「△」としている。

3) SDGs達成への貢献

マテリアリティを特定し、カーボンニュートラルの向けた施策等を実行し、自社評価は「〇」としている。

4) 多様な人材の活躍推進

DE&Iの推進を通して、多様な人材が働きやすさとやりがいをもてる人事制度や環境を整備し、自社評価は「〇」としている。

5) 事業構造改革(特記事項)

工作機械事業の譲渡や安城工場の閉鎖(繊維事業における国内生産拠点の整理)、中国の軟質ウレタン事業会社の整理など抜本的な事業構造改革に取り組み、自社評価は最も高い「◎」としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《HN》

提供:フィスコ

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