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レカム Research Memo(4):情報通信・BPOは堅調、新規連結子会社の貢献と環境関連・海外法人で大幅拡大

特集
2019年7月1日 15時24分

■業績動向

1. 2019年9月期第2四半期決算の業績概要

(1) 2019年9月期第2四半期連結業績の概要

レカム<3323>の2019年9月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比51.2%増の4,504百万円、営業利益は同10.3%増の234百万円、経常利益は同34.4%増の264百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同30.7%増の132百万円であった。売上高は4期連続増収、営業利益は3期連続増益かつ2期連続で過去最高益を更新、第2四半期業績として利益指標はいずれも過去最高益を達成した。2015年9月期に64百万円の営業赤字を記録したのをボトムに、急速に収益性が向上、事業を拡大してきている。

売上高が前年同期比で大幅増収となったのは、前期から2019年9月期にかけて新規に連結子会社化、または事業開始した各社の売上高加算によるところが大きい。情報通信事業で前期第3四半期から連結したR・S、環境関連事業で2019年9月期第2四半期より連結子会社化した産電、海外法人事業で2019年9月期第2四半期より事業開始したレカムビジネスソリューションズ(インディア)などである。売上拡大に伴い売上総利益は前年同期比60.3%増の1,587百万円となったが、販管費及び一般管理費が事業規模の拡大に伴い同74.0%増の1,353百万円となった。以上により、営業利益は前年同期比で10.3%増の234百万円となった。経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益についても同様に伸長し、各利益指標は過去最高益を更新した。

(2) セグメント別の動向

a) 情報通信事業

情報通信事業全体の売上高は、前年同期比16.3%増の2,265百万円。セグメント利益は、営業活動の効率化を図るとともに、経費削減に努めたこと等により、前年同期比8.6%増の76百万円となった。

売上高をチャネル別に見ると、直営店チャネルにおいては顧客データベースを活用した効率的な営業活動に努めるとともに、新規の顧客開拓にも注力した。サイバー攻撃対策やネットセキュリティ強化のための独自商品であるUTMの販売を強化し、サーバーとUTM、ビジネスホンと光回線サービスなどのセット販売にも取り組んだ。これらの結果、同チャネルの売上高は前年同期比0.3%増の845百万円となった。代理店チャネルにおいては、新規代理店の開拓を進めるとともに、各代理店に対してセキュリティ商材等の販売支援を積極的に実施した。これらの結果、同チャネルの売上高は前年同期比17.0%増の63百万円となった。一方、FC加盟店チャネルにおいては、加盟店へ販売手法の共有を図り、UTM等セキュリティ商材の販売支援を行ったが、一部加盟店の不振により、売上高は前年同期比12.0%減の771百万円となった。グループ会社においては、R・Sの売上げが加わったことやUTM等を販売するヴィーナステックジャパンの売上げが順調に増加し、グループ会社の売上高は前年同期比約3.4倍の584百万円となった。

b) 環境関連事業

2018年12月に太陽光発電システムを販売する産電を連結子会社としたため、売上高は前年同期比約3倍増の1,307百万円と大幅増収となったが、セグメント利益は直販チャネルが伸び悩んだこと等により前年同期比5.9%減の61百万円であった。

c) BPO事業

売上高は前年同期比62.7%増の313百万円、セグメント利益は、前年同期比15.0%減の19百万円となった。既存顧客からの追加業務の獲得に努めるとともに、紹介やWebを通じた問い合わせによる新規の顧客開拓に取り組んだ。BPOセンターにおいては、業務効率の改善と品質向上を図り、各センターの特性を生かした業務を委託することで全体的な収益向上につなげてきた。大幅増収にもかかわらず減益となった要因は、経営幹部や現場責任者等を外部から招聘するなど組織の強化を図った一時費用が発生したこと等のためである。

d) 海外法人事業

売上高は前年同期比53.1%増の617百万、セグメント利益は前年同期比21.7%増の82百万円であった。引き続き日系企業へのLED照明や業務用エアコン等のエコ商材の販売に力を入れ、2018年10月に設立したレカムビジネスソリューションズ(インディア)の事業立ち上げや太陽光発電システムの販売体制構築を実施した。営業人員は2019年3月末で18名。

2. 財務状況と経営指標

貸借対照表を見ると、2019年9月期第2四半期末における総資産は前期末比1,133百万円増加し7,065百万円となった。これは、受取手形及び売掛金(211百万円増加)、商品(208百万円増加)など流動資産が526百万円増加したこと、子会社取得に伴いのれん(361百万円増加)、投資その他の資産(189百万円増加)など固定資産が600百万円増加したことが主要因。

負債合計は前期末に比べ1,161百万円増加し3,900百万円となった。買掛金(268百万円増加)、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金(449百万円増加)等、流動負債が712百万円増加したこと、及び長期借入金(406百万円増加)などの固定負債が449百万円増加したことによる。有利子負債は子会社取得に伴う短期・長期借入金の増加により前期末に比べ856百万円増加し1,970百万円となった。

純資産は3,165百万円となり、前期末に比べ28百万円減少した。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を132百万円計上したものの、配当金を14百万円支出したことなどによる。

キャッシュ・フローの状況について見ると、2019年9月期第2四半期末における現金及び現金同等物は前期末に比べ41百万円増加し1,525百万円となった。キャッシュ・フローごとの増減要因を見ると、税金等調整前四半期純利益264百万円、仕入債務の増加額250百万円などプラス要因に対して、売上債権の増加188百万円、たな卸資産の増加140百万円、法人税等の支払額176百万円などのマイナス要因が大きく、営業キャッシュ・フローは80百万円の支出となった。投資キャッシュ・フローは、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出514百万円などにより448百万円の支出となった。一方、財務キャッシュ・フローは、子会社取得に伴う借入金の増加などで572百万円の収入となった。また、有利子負債の借換えを進めたことにより、短期借入金の純増が346百万円、長期借入金の純増が342百万円であった。

経営指標を見ると、健全性を表す自己資本比率は42.0%と前期末比7.7ポイント低下、流動比率は156.9%で同29.4ポイント低下、有利子負債比率は借入金の増加で66.4%と同28.6ポイント増加した。戦略的な事業拡大のためにM&Aで子会社取得を行う資金を借入金で調達したためであるが、やや財務状況の悪化となって表れている。同社では、次に必要なM&Aの資金調達を後述する増資によってカバーするとのことである。一方、収益性(ROA/ROE/売上高営業利益率)の指標においては、売上高や総資産、純資産の大幅な拡大に対して各利益指標が前年同期比で微減または微増にとどまったために、前年同期の指標と比較するといずれもやや低下している。

全体的に2019年9月期第2四半期は、借入金の増加によってM&Aを実施したことなどで貸借対照表の構成が大きく変化したが、自己資本比率が目標値の50%前後をやや割り込んだことなどで、今後は増資を含めて財務状況の健全性を維持向上していくものと考える。今後とも、積極的なM&Aを計画しているとのことだが、無理のない範囲で戦略的に案件を選択していくものと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)

《ST》

提供:フィスコ

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