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EMシステムズ Research Memo(2):医科・調剤・介護/福祉システム間で情報連携可能なシステムを提供する

特集
2021年4月15日 15時02分

■会社概要

1. 会社概要

EMシステムズ<4820>は薬局を中心に、クリニック、介護施設向けに、業務処理用コンピュータシステムの開発・販売を行うITサービス会社である。「先進的なテクノロジーを活用し、国民の健康レベル向上に貢献する、世の中になくてはならない企業になります。」という会社方針に基づき事業を展開する。主力事業である薬局向け調剤業務処理用コンピュータシステムは16,164薬局で利用されており、市場シェアの32.4%を占め業界トップである(2020年12月末時点)。製品開発からシステム構築、販売、操作指導、メンテナンスまでを一貫して提供する製販一体体制をとっているのが同社の特長である。

直近では、薬局向けシステムに加え、診療所・クリニック向けの医療業務処理用コンピュータシステム、電子カルテシステムの拡販に取り組む。さらに、「医療(クリニック・薬局)と介護の情報連携」の実現による各事業のシェアアップを目指して、2016年には介護サービス事業者向け支援システムにも本格参入。2019年に入り、介護・福祉関連のM&Aを2件行い、介護/福祉システム事業の基盤を固めた。なお、2000年に株式を店頭登録(現東証JASDAQ)し、2003年に東京証券取引所市場第2部へ上場。2012年に同市場第1部銘柄へ指定された。

2. 沿革

同社の起源は1980年1月に兵庫県姫路市で医療事務用処理専用オフィスコンピュータの販売を目的として設立された株式会社エム.シイ.エスである。1984年5月に(株)エム.シイ.エスとエプソン販売(株)の合弁により関西エプソンメディカル(株)((株)エム.シイ.エスより営業の全部を譲受)を設立した。セイコーエプソン<6724>の医療事務用コンピュータシステム事業からの撤退を機に1990年5月にエプソン販売(株)との合弁を解消し、商号をエプソンメディカル株式会社へ変更した。1991年4月に自社製品である薬局向け保険請求事務処理システム「Recepty」(初代)の販売を開始した。さらに、1997年10月には業務ノウハウの蓄積を図るため(株)祥漢堂を設立し薬局経営の事業を開始し、1998年4月に株式会社イーエムシステムズに商号を変更した。2006年10月には薬局向けシステム事業基盤をより強固なものにするために医科向けのノウハウ蓄積が必要との判断からOEM製品により医科システム市場へ本格参入した。2008年3月に新大阪ブリックビル(自社ビル)を竣工し、本社を移転した。

2010年以降は、医療事務システム事業の拡大を狙った事業提携やM&Aを積極展開している。2010年2月にビー・エム・エル<4694>と合弁し、電子カルテ開発等を目的として(株)メデファクトを設立(同社の出資比率50%。医科システム(電子カルテ)のエンジン部分の共同開発という目的を達成したため2014年7月に解散)した。2010年7月に祥漢堂の株式を三井物産<8031>へ譲渡し、薬局経営の事業を縮小する一方で、システム事業の基盤拡大に注力する。

また、2013年9月に医科システム開発、販売を手掛ける(株)ユニコンを、2014年10月には調剤システム開発、販売及び医科システム販売を手掛けるコスモシステムズ(株)を相次いで連結子会社化しユーザー基盤の一段の拡充を図った。製品開発面では、2000年代に入ってからインターネットの普及に足並みを合わせ、ネットワーク接続を前提とした製品開発に着手。2002年6月にネットワーク(ASP)を利用した薬局支援システム「NET Recepty」を発売。さらに、2008年11月にストック型ビジネスとして従量課金制度を採用した新システム「Recepty NEXT」を、2009年7月には医科向けシステム「Medical Recepty NEXT(MRN)」を開発、販売を開始し、調剤、医科システムともにフロー型からストック型のビジネスモデルに転換した※。

※ 調剤システムを例に取ると、従来の料金体系は他のITサービス会社と同様に5年ごとのシステムの売切り制。すなわち、ユーザーはシステム導入時に5年分の保守料金を含めた利用料金を一括で支払い、さらに5年経過後にシステムごとに買い換える必要が生じる仕組み。新しいストック型料金プランでは初期費用を抑え、月々の基本料と処理件数に応じた料金を支払う月額課金モデルに変更されたことにより、ユーザーの初期システム投資負担が大幅に軽減された。さらに、利用期間制限を設けない継続保証体制で常に最新のアプリケーションを利用できるようになったことが特長。

さらに、2016年7月には、医科システム事業での一段の市場シェアアップを図るため、診療所向け電子カルテシステム「オルテア(Ortia)」の発売を開始した。2016年10月にはASP型の介護サービス事業者支援システム「つながるケアNEXT」の発売を開始し、介護システム事業へ本格参入した。2017年3月には医療介護連携ソリューションとして「ひろがるケアネット」をリリースし、2017年8月には「つながるケアNEXT」(居宅介護支援事業者・ケアマネジャー向け)機能をリリースしている。これらにより、医科・調剤・介護/福祉システム間で三位一体のネットワークを結ぶことでシームレスに情報連携できる企業としての優位性をより強めた。

2018年3月には日本電気(株)(NEC<6701>)との間で、「クラウド型問診サービス」、最先端AI技術群「NEC the WISE」等のICTを活用して、診療所・保険薬局向け次世代システムの共同開発に着手した。健康・医療分野において、更なる医療の質向上と新たなサービスの創出を狙う。

2018年11月には電子カルテシステム大手の(株)シーエスアイとの協業を発表し、また同月に医科・調剤・介護/福祉の垣根を超えた共通情報システム基盤「MAPsシリーズ」の制作を発表した。その後、2019年10月に「MAPs for CLINIC」、2020年2月に「MAPs for PHARMACY」の順次出荷を開始している。2019年2月には(株)ジャニスから介護サービス事業者向けシステム事業を譲受し、施設系サービス分野及び地域包括支援センター向けサービス分野に強みを持つエムウィンソフト(株)を連結子会社化し、介護/福祉サービス事業者向けシステム事業分野の強化を行った。これらにより、医療分野と介護/福祉分野を強化しヘルスケア分野において唯一無二の存在となることを狙う。

3. 事業内容

同社グループは、同社に加えて連結子会社8社と持分法非適用関連会社1社で構成されている(2020年12月31日現在)。薬局向けの調剤システムの開発・販売、診療所向けの医科システム開発・販売、介護/福祉向けのシステム開発・販売とその他の事業の4つの事業を展開する。なお、スポーツジムと保育園については、2020年3月期中に閉鎖した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《YM》

提供:フィスコ

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