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パンダ・台風・ノーベル賞、短期のテーマの攻め技は「兆候で買って事実で売る」

特集
2021年8月27日 10時00分

すご腕投資家に聞く「銘柄選び」の技 ラテまっちゃさんの場合~第3回

登場する銘柄

東天紅<8181>、イトーヨーギョー<5287>、地盤ネットホールディングス<6072>、文教堂グループホールディングス<9978>、テクノホライゾン<6629>、旅工房<6548>、オープンドア<3926>

文・イラスト/福島由恵(ライター)、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

latte_matchaラテまっちゃさん(ハンドルネーム・20代・男性)のプロフィール:
2012年に50万円を元手に株式投資を開始し、以降「倍×倍×倍……」の勢いで資産を拡大させる。普段は勤め先の仕事で超多忙なのにも関わらず、19年には億り人を達成した若手の会社員投資家。
その時々で話題になる「テーマ」を材料に有望銘柄を発掘するテーマ株投資が得意技で、短期から長期、ファンダメンタルズ投資と並行し需給も利用した投資法を使いこなすなど引き出しが多いのが強み。
ツイッターで次々と公開している「アフターコロナ関連」「再生可能エネルギー関連」などの図版が好評で、多くの投資家によってリツイートされ注目されている。16歳の時に親とケンカして家出をし、自身でアパートを借り完全自活という苦労体験の持ち主。

第1回「10代で家出、極貧生活から億り人に導いたテーマ投資の勝ち技」を読む

第2回「テーマが盛り上がらない時期に稼ぐ、『需給・決算・イベント』投資」を読む

20代にして億り人を達成したラテまっちゃさん(ハンドルネーム、以下、ラテさん)は、まさに伸び盛りの注目株だ。

億の資産到達までに急成長したそのパワーの源は、何といっても働き者なこと。本業の仕事も超多忙なサラリーマンだが、だからといって株式投資もサボることはない。足元の「夏枯れ」と言われる時期でもだ。

狙うのは、短期で身近なテーマ株だ。1回目でラテさんの「政策絡み」で中長期を見据えたテーマに着目した儲け技を主に紹介しているが、今回は同じテーマ投資でも趣向の異なる技を紹介していく。

政策絡みのテーマ株が主役なら今回は脇役にフォーカスすることになるが、脇役であってもキラリと光るものを感じさせるものになる。

「パンダの赤ちゃん」テーマの不発で、「事実売り」を再認識

脇役の短期テーマで狙うのは、主に3パターンがある。

1つ目は、冒頭でも紹介したが「台風」「土砂災害」など季節性が高いもの。毎年秋の恒例の材料となってきた「ノーベル賞」もこれに近い。

2つ目は、頻繁にはないが定番のような位置づけになっているもの。代表が上野動物園の「パンダの赤ちゃん出産」になる。

3つ目が、日々のニュースや時事ネタに目を向けたものでは「あおり運転」なども、これまで手掛けた内容だ。

この"光る3人の脇役"での攻め方は、短期投資で向かうのが基本。そして、短期モノで、ラテさんがこだわるのは、何といってもスピード感だ

「兆候が出たらいち早く買い、実際にそのイベントや事象が発生、出現したら即売り」を徹底させる。事象が起こってから買い出動していたのでは遅すぎる、というのが基本スタンスだ。

改めてこのセオリーの重要さを認識したのが、今年21年6月、東京・上野動物園で雌パンダのシンシンが、双子の赤ちゃんを出産した時のド本命銘柄である中国料理店チェーンの東天紅<8181>の株価の動きだ。動物園近くに本店があることから注目されている。

ラテさんも6月上旬に「シンシン妊娠の兆候」のニュースで参戦する。その後、思惑通りに株価が上昇したまでは良かったのだが、予定より早い出産で利確に遅れを取ってしまった

無事に双子の赤ちゃんパンダが出産されたニュースとともに、他の投資家による「事実で売る」の勢いに押されて東天紅株は、みるみると大幅下落していった。出産はもう少し先だと油断していたラテさんは、含み益が削られる結果となってしまった。

サブ的のトレードで購入額も多くなかったため大きな痛手とはなっていないが、ラテさんにとっては期待外れに終わった案件に。

逆説的になるが、この一連の取引で「短期テーマは短期勝負に徹する」という重要性をより重く認識することになった。

■東天紅の日足チャート(21年5月24日~7月11日)

【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同

テーマの夏枯れ時期は「台風」に目を光らせる

「兆候で買って事実で売る」が上手く機能している代表例では、「台風」を材料にした短期テーマ投資がある。

ラテさんは特に夏のシーズンになると、気象情報を注意深くチェック。「熱帯低気圧」が発生したタイミングで、数週間後に台風災害が発生することを見越し、買いのアクションを起こす。

狙う銘柄は電柱やコンクリート製品等を手掛けるイトーヨーギョー<5287>だ。毎回早め早めの行動を心掛け、取引のゴールになるのは実際に台風発生のニュースが出たところ。ここで利確するのがルーティンとなる。

最近では、昨年20年8月19日の「フィリピン東海上で対流活動活発となり、海面水温高く台風発生懸念」のニュースを材料に参戦。この日から8月31日まで買いを入れ、9月1日の「台風10号発生 日本接近」のニュースでしっかりと売り抜けた。

■イトーヨーギョーの日足チャート(20年7月31日~9月15日)

【タイトル】

似た発想を生かした応用編では、「土砂災害」を材料に、地盤解析や品質証明の請け負いを行う地盤ネットホールディングス<6072>でも参戦していく。

このケースでは、買いではなく、空売りで仕掛ける。なぜなら、同社株の場合、「大雨などの発生により土砂災害が起こると株価が大きく噴くが、事が収まったところで下落に転じる傾向がある」という経験則があるからだ。

具体的に仕掛けるのは「株価が噴いた」ところが、売りのアクションを起こすタイミングになる。

先月7月は、6日に赤羽一嘉国土交通大臣が閣議後の記者会見で、熱海市の土石流を受け、「全国の盛り土について総点検が必要」との考えを示したとのニュースで地盤ネット株が急上昇していたことに着目。

すぐに6日、7日と「売り」でエントリーし、一旦噴いた株価の動きに落ち着きが見られたところで買い戻して利益を確定させた。

■地盤ネットホールディングスの日足チャート(21年6月16日~8月4日)

【タイトル】

秋のノーベル賞、日々の社会ネタにも注視

その他、数年前には毎年秋のノーベル賞発表シーズンを標的とし、全国展開の書店チェーンである文教堂グループホールディングス<9978>のトレードも手掛けてきた。

これは、「著名作家の村上春樹氏が『ノーベル文学賞』部門で受賞し、一層注目されて著作が売れる」というシナリオのもと、ノーベル賞投資の定番銘柄とされているものだ。

ラテさんもこの動きは見逃さずに参戦。文教堂HD株がかつて日計りのショート取引ができた頃は、買いと売りを合わせて同銘柄の動きに乗った。

買いと売りのパターンは、「発表の数カ月前から買いに踏み切り、ノーベル賞発表の1~2週間前に利確、そして発表当日に空売り」のやり方で、何回もリターンを獲得してきた。

ただし、ラテさんによると、このやり方で大きく儲けられたのは15~17年頃。最近は手法が知れ渡り過ぎたのか、株価の動きがイマイチとなり、どちらかといえば、参考程度の位置づけだ。

■文教堂グループホールディングスの月足チャート(13年~)

【タイトル】

日々話題になるニュースでは、17年頃の話になるが、例えば社会問題化した「あおり運転」にも注目。この時は、監視カメラやドライブレコードを手掛けるテクノホライゾン<6629>をターゲットにして好リターンをさらった。

こうした成功話だけを聞くと、「テーマ投資って意外と簡単かも」という印象を持つかもしれない。

だが、会社員で日々忙しいラテさんが、スピーディに的確な投資判断が下せるのは、これまでにテーマ株の動きを観察し続けるという積み重ねがあってこそのことだ。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。


 

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