説明のつかない狂乱相場に対抗するのは、説明不要の「年末アノマリー」戦略
大川智宏の「日本株・数字で徹底診断!」 第28回
今回は母集団を東証1部銘柄としました。各銘柄の過去10年間の月次パフォーマンスを計算し、月ごとに勝率を見て比較したものです。年末に強い、という観点から、景気の強弱を問わずに11月、12月になぜか勝ち続ける銘柄をピックして買う手法です。
代表的な銘柄の例としては、まずファーストリテイリング<9983> が挙がります。以下の図は、過去10年間のファストリの月別の対TOPIXの勝率を見たものです。
ピックアップされたのは33銘柄
不思議と11月、12月の勝率が高くなっており、その他の月は半々程度であることがわかります。年末商戦などへの期待が入っているのかもしれませんが、明確な理由は不明です。こういった観点から、11月、12月の双方ともに対TOPIX(東証株価指数)の勝率が7割以上の銘柄を抽出すると、東証1部全体で33銘柄のみが抽出されます。
想定以上に数が少なく、ある意味では厳選された銘柄といっていいかもしれません。また、業種が製造業に偏っていますが、これは為替の観点からの「年末の円安アノマリー」が存在するためと思われます。
足元のようなリスクオンが継続する、と見る場合はこういった製造業種に重点的に投資してもいいですし、どこかのタイミングで調整を警戒する場合は、ファストリ、寿スピリッツ <2222> のようなディフェンシブ系に絞ってみてもいいでしょう(次ページ参照)。
理屈抜きで動く相場環境では、こちらも難しい理屈を一切抜きにして「なぜか強い銘柄」で対抗するのも1つの策のように思います。
参考情報として、年末に勝率の高い銘柄の一覧と、併せて勝率の低い銘柄も掲載しておきます。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。