この記事はプレミアム会員限定です

3万円相場に焦るな、強いテーマの出遅れ株と米国株追っかけのコツコツ戦略で

特集
2021年2月19日 10時00分

元・証券ディーラーに聞く、需給で考えるウィズコロナ相場~第3回

~株探プレミアム・リポート~

文/福島由恵(ライター)、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

たけぞうさん(ハンドルネーム)のプロフィール:
たけぞうさん証券会社に30年間勤務し、ディーラー歴25年で50億円を稼ぎ出した相場の大ベテラン。場立ちや平成バブル相場の隆盛と崩壊を目の当たりにしてきた自称「株好きのおっさん」。現在は独立し、個人投資家としてバリバリ投資を続けつつ、セミナー講師として登壇し投資のノウハウを個人投資家向けに伝授する。
最近は『50億稼いだおっさんが教える月5万稼ぐ株投資』(ぱる出版)を出版。毎朝4時に起床して日本経済新聞を読み込み、同じく毎日発信するボリューム満点のメルマガも好評だ。

第1回記事「ゲームストップ騒動が知らしめた需給の威力、ならば今の日本は下がりにくい!?」を読む

第2回記事「お金の流れに逆らわない『強いものは強い』戦略で今、注目するのは?」を読む

「流れに乗り遅れた」

「自分の保有銘柄は無反応」

日経平均株価が3万円の大台を突破、イケイケモードの展開を見せている中で、イライラ感を募らせる投資家もいるかもしれない。

だが、こうした時ほど、地に足をつけじっくり有望銘柄を選別していくことが肝要だと、今回登場中のたけぞうさん(ハンドルネーム)は言う。では、どうするのか。

資金が集まる先を見極め、「長期、短期の両面で攻めていく」のがその基本。このうち前回は長期戦略について紹介した。

今回は短期戦略にスポットを当てる。

30年半高値更新に惑わされず、しっかり銘柄選択を

―― 日経平均株価は3万円を突破、30年以上もかけて回復した水準だけに、浮足立ち、そわそわとしまいがちになりながらも、この流れに乗れずにイライラ感を募らせている人もいるかもしれません。

たけぞうさん(以下、たけぞう): 一般に国内の個人投資家は逆張り好きと言われているので、今のような勢いのある相場にうまく乗れずにいる人もいるかもしれません。

一方、含み益が膨らんで気持ちが大きくなり、過度にポジションを膨らませている人も皆無ではないでしょう。

いずれにせよ投資では、どんな局面に置かれても、平常心を保つことがリターンを得るには欠かせません。

―― 投資に限らずどんなことでも、気持ちの持ちようで、もたらす結果は違うものです。

たけぞう:  たとえ、今の急騰の恩恵を受けずに悔しい思いをしても、ヤケにならず、こんな時は、自分はファンダメンタルズ重視派なのか、需給派なのか、あるいはテーマ株選別派なのか――と自分の投資手法を見つめ直すのです。

いい意味でマイペース、そして鈍感でいることも大切です。

■日経平均株価の年足チャートと株探プレミアムで設定可能な20年移動平均線の乖離率

【タイトル】

注:1975年~

短期戦では資金の集まるテーマ株を狙う

―― 具体的な対策を伺います。前回の記事で、まず基本として、資金の集まる先を見極め「長期投資と短期投資の二刀流」でいく戦略を立てる。そして各論では前段の長期投資について解説してもらいました。今回は残る短期投資での銘柄選びについて教えてください。

たけぞう: ここで狙うのは、やはり資金が集まってきそうな、いわゆるテーマ株ですね。ただし、足元ですでに人気化している"ストライクゾーンど真ん中"の銘柄ではなく、同じテーマの出遅れ銘柄に注目します。

―― テーマ株は『株探』のトップページでも、現在注目される人気テーマのランキングが掲載されています。テーマ株投資で注意したいのは、コロナ相場初期の「マスク関連」など、テーマの旬の期間が短いものがあることです。

たけぞう: テーマ株狙いの短期投資で私がポイントとしているのは、トレード自体は短期決戦だったとしても、狙うテーマは「国策関連」など息の長いテーマを狙うということです。

相場の格言のようなものに「国策に売りなし」とあるように、長期的に資金が入ってくると考えられる分野を標的とします。

政府発の予算資料にヒントあり

私の場合は、これから来るテーマは何なのか、財務省や各省庁が公表する国家予算の概算請求案や政府案の資料を継続的に見て参考にしています。

その中で、継続的に出てくるものや新しく登場したキーワードを見つけながら、今後、国策としてどの分野に力を入れていくのか見極めていくのです。

■環境省の予算資料より抜粋

【タイトル】

【タイトル】

出所:「令和2年度第3次補正予算(案)について」(環境省)

またこれと同時に、経済関連ニュースを扱う主要メディアとなる、日本経済新聞も継続して読み続けることも大事です。ここで頻繁に取り上げられている内容やキーワードを注意深く観察していくと、いろいろとヒントが見つかってきます。

最近は、連休などに集中的に日経新聞を読み込みましたが、「半導体」の記事が誌面でやたらに目立つなあ、と感じた時がありました。

結局のところ、旬のテーマや国民的な流行は、こうしたメディアが作り上げているといっても過言ではないと思います。だから、この動きをキャッチし、しっかりついていくのです。

鉄板は「水素」「電気自動車」「再生可能エネルギー」

―― 最近の菅義偉首相の国会答弁では「脱炭素」や「カーボンオフセット」という言葉をよく聞きますが、旬の政策にメディアが反応している面もありますね。

たけぞう: こうした作業を続ける中で、現在、私が考える国策に沿った大きなテーマをまとめると

1. デジタル化

2. 環境関連

3. 半導体

4. リサイクル

5. 子育て関連

の5つが主だったものだと捉えています。この中で、やや子育て関連が出遅れ気味かなという印象です。今後一層、動きを注視していきたい分野ですね。

また先ほど話題に出た、日経新聞等のメディアでよく目にする「脱炭素社会」も、今、全世界が取り組む強いテーマです。先に挙げた2の「環境関連」に相当する分野になります。

さらに細分化すると、「水素」「EV(電気自動車)」「再生可能エネルギー」関連が、当面の鉄板テーマになると考えています。

ニューフェイスの「リサイクル」「先端半導体」にも注目

―― 菅政権が誕生したころは「マイナンバー」も、よく報道されていた記憶があります。

たけぞう: ご存じのように、国の予算は前年度の夏から各省庁が準備を始めます。その頃から政府の予算に関係する資料をみていると、「水素」や「マイナンバー」に関連する記述が目立つなあと意識しながら見ていました。

それもあり、私はセミナーなどではずっと「水素とマイナンバー関連に注目」と指摘していました。水素はずっと言い続けて、年末あたりにやっと日の目を浴びた感じです(笑)。

その延長線でいくと、今年は新たに「リサイクル」や「先端半導体」というワードが登場し始めているな、と新たに注視しているところです。

リサイクルは2回目記事で触れたように、廃棄物の増加の問題や世界的に推し進めている脱炭素社会の流れに沿うものです。また、半導体は高速通信規格「5G」の先を見据えた次世代通信規格「6G」 や、EVの普及に伴い必要不可欠なものになります。

水素、リサイクル、半導体と、脈絡のないように見えて、その実は関係性があるものに捉えることができ、私としては納得感があるキーワードです。

■経済産業省の予算資料の抜粋

【タイトル】

出所:「R2年度3次補正予算案・R3年度当初予算案のポイント」(経産省)

株価上昇の出遅れ組を狙う

―― 先程、こうした有力テーマ株の出遅れを狙う、と話していただきましたが、具体的にはどのような手順があるのですか?

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ 有力テーマの出遅れ株の見分け方は

<    >

こちらは株探プレミアム限定記事です。プレミアムプランをご契約して読むことができます。
株探プレミアムに申し込む (初回無料体験付き) プレミアム会員の方はこちらからログイン
プレミアム会員になると...
株価情報をリアルタイムで提供
企業業績の表示期数を拡大
限定コラムが読み放題

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.