横山利香「令和時代の稼ぎたい人の超実践! 株式投資術」― (31)最大の投資主体である外国人投資家と市場の動向を分析しよう!
個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。
2022年を振り返ると、米国の金融政策が緩和から引き締めに転換したことで、その進捗に一喜一憂する1年になりました。株式市場ではFOMC(米連邦公開市場委員会)の開催に向けて期待で上げて、材料出尽くしで下げるといった動きが繰り返されました。そして、12月のFOMCで利上げ幅が4会合続いた0.75%から0.5%にようやく引き下げられて、金融引き締めも終盤に向かってきている状況です。金融引き締め下では、株式市場が厳しい展開を余儀なくされること自体に驚きはありませんので、そうした視点で見れば、米国の株式市場は比較的わかりやすい動きだったとも言えるのではないでしょうか。
米国市場に連動しやすい日本の株式市場では、米国株が軟調に推移すれば日本株も軟調に、米国株が堅調なら日本株も堅調に、といった動きにどうしてもなりやすくなります。
ここでダウ平均の2022年の日足チャートを確認しておきましょう。1月5日に3万6952ドルの高値をつけた後は一貫して下げ、10月13日の安値2万8660ドルまで下落が続きました。およそ22%の下落となりました。
図1 ダウ工業株30種平均 日足
次に、日経平均株価の2022年の日足チャートを確認しておきましょう。1月5日に2万9388円の高値をつけた後、3月9日の2万4681円の安値まで下落しています。およそ16%の下落になりました。
図2 日経平均株価 日足
一方、為替相場に目を移すと、米国の金利が金融引き締めによって上昇し、日米の金利差が開いたため、ドルが一方的に買われる展開となりました。ドル円相場のチャートを確認すると、一時は1ドル=151円台まで円安が加速したことがわかります。この円安の進行が日本企業の業績を押し上げたことで、日経平均株価はダウ平均に比べて堅調な推移となりました。しかし、その円安の状況も、米国の利上げペースが鈍化するとの期待が高まると円高に転換。足もとでは日銀が金融緩和政策の一部修正を決定したこともあって130円台まで円高が進んでいます。
図3 米ドル/円 日足
ドル円が円高に動くと、株式市場にとっては下押し要因となりやすくなります。しかし、外国人投資家から見れば、円高が進行することは実はそれほど悪いことではありません。なぜなら、外国人投資家が見ているのはドル建ての日経平均株価だからです。
株探ニュース