【クラファン】インフラ老朽化に立ち向かう! 国産「水中ドローン」開発の水龍堂、5月1日募集開始

経済
2024年4月30日 12時50分

水中ドローンの開発・製造・販売などを行う株式会社水龍堂(東京都大田区)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは5月1日19時30分開始を予定しています。

・ 普通株式型
・ 目標募集額:1000万円、上限募集額:2500万円
・ エンジェル税制あり(優遇措置A及びプレシード・シード特例適用)
・ みなし時価総額:1億円
・ 類似上場企業:ビーマップ <4316> [東証G]、Kudan <4425> [東証G]、ジェノバ <5570> [東証G]、ブルーイノベーション <5597> [東証G]、ACSL <6232> [東証G]
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算

「メーカー」など3事業で水中ドローンの普及目指す

水龍堂の佐藤友亮代表は、東日本大震災からの復興に向けて、水中で調査や測量を行う潜水士らを支援した経験があり、海洋調査に用いる機器の輸入や国内販売に従事。水中での業務は危険度が高く、潜水士の高齢化が進むなど過酷な労働環境を目の当たりにし、水中ドローンの普及を目指して同社を立ち上げました。

現在、官民連携のプラットフォームや自身が代表理事を務める一般社団法人日本ROV協会でのネットワークと、輸入代理店や商社で培ったノウハウを元に日本での水中ドローンの普及に取り組んでいます。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

同社は水中ドローンの開発・製造・販売と、導入から運用まで一貫したサポートを提供しています。国内の水中ドローン市場は2019年の約270億円から、2027年に約610億円へ成長する見込みで、同市場での地位確立を目指しています。

【メーカー・販売代理事業】

インフラ点検に特化した水中ドローン「龍頭(リュウズ)」を販売しています。「龍頭」は、ユーザーの用途に合わせてカメラやセンサなどをカスタマイズ可能で、自社製品のみならず、販売代理事業で取り扱う国内外の多様な他社製品も搭載できます。

【コンサルティング事業】

ドローンを活用した水中インフラの点検手法に関するコンサルティングを提供しています。機体選定、仕様作成、データ分析など点検対象や目的に応じて最適な計測手法を提案可能で、多くの機関・企業と連携し、実証実験を行っています。

【技能講習事業】

日本ROV協会が主催する、製品の取り扱いや安全に関する講習に講師として参加しています。明確なルールが定められていない水中ドローンの活用において、計測の担い手の普及にも貢献していきたい考えです。

同社は「成長のための課題」「解決方法」として以下を挙げています。

【成長のための課題】

・水中ドローンの量産体制の確立と受注先の拡大

・点検手法の標準化や操縦者の育成

【解決方法】

・量産化に耐えうる設備投資と生産管理体制の構築

・操縦者育成プログラムの開発と業界団体との連携

日本の水中インフラに迫る「老朽化問題」

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

日本の高度経済成長期に建設された橋梁やダム、港湾施設等の水中インフラは老朽化問題に直面しており、2023年に道路橋、河川管理施設の約4割、港湾岸壁の約3割で建設後50年以上が経過、水道橋の崩落や水道管破裂事故も相次いでいるといいます。

国は自治体等へ、1~5年に1度の定期点検を義務付けていますが、水中で目視を行う潜水士の高齢化と人手不足が深刻な問題となりつつあるそうです。

また、潜水業務は労働災害と隣り合わせの過酷な労働環境である上、労働安全衛生法改正により、潜水士の潜水深度は40メートルに制限され、点検できる範囲が限定されたといいます。

これらの課題を解決するため、近年、陸上からの遠隔操作で水中で作業ができる水中ドローンが注目されていますが、水中は電波が届かないため、通信・動力源確保など機器側の問題があるほか、利用ルールが定められていないため、空中ドローンのような実用化が進んでいないそうです。

「海外では開発が進んでいるものの、海での利用が主流で、日本の河川やダム等に対応できるような小さな機器は多くありません。エントリーモデルとして小さく設計された安価なドローンは出回っていますが、必要十分に点検・計測できる機能が1台にそろっていないのが現状です」(同社)

市場の魅力・事業内容・ビジネスモデル・特徴

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

国内の水中ドローン市場の規模は2019年に約270億円、2027年には約2.3倍の約610億円に、世界規模では、2027年までに約1兆円規模に成長する見込みだといいます。

同社によると、水中ドローン最大の魅力は、人間が立ち入れない狭い場所や危険な水域でも容易に作業できる点。潜水士による目視ではできなかったことが遠隔操作によって可能になり、安全性の向上や省力化、コスト削減なども期待されるそうです。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

同社は、日本の水中インフラ点検に特化したROV(遠隔操縦無人潜水艇)「龍頭」を2023年6月にリリースしています。

「龍頭」は1人で持ち運びできる重量(15キロ~)かつ、マンホールや上下水道を通過できる小型サイズ(600ミリ未満)でさまざまな現場に対応可能。独自開発の水中測位システムでは、濁りや流れが強い環境下でも自己位置を正確に把握し、安定した動作を実現できるそうです。潜水域は100メートル、300メートルの2つで、潜水士が立ち入れない領域にも対応しています。

また、現在開発中の高精細な赤外線カメラ(暗視スコープ)では、クラックや腐食等の微細な損傷も見逃すことなく点検可能で、これらの技術を用いて、潜水士による目視点検と遜色ない品質を実現できることが評価され、数台が販売予定です。

同社ドローン最大の特徴は、ユーザーの用途に応じたカスタマイズ性だといい、海外の各種センサを搭載できるほか、国産では、音波による水中厚み計や株式会社ロジック・アンド・デザインの画像鮮明化装置等を活用できます。

「『龍頭』導入により、潜水士が3日要していた点検を1日で実施できると見込んでいます。さらに、点検頻度を増やせるようになるため、予防保全の実現にもつながると考えています」(水龍堂)

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

インフラ点検はフィールドごとに適した計測手法を確立する必要があり、同社は最適な機体選定から計測手法の提案、ドローンを用いた実際の調査に至るまで一貫してサポートしているといいます。

「単なる販売にとどまらず、お客様自身で技術的なノウハウを蓄積いただける点が、弊社の最大の強みではないかと考えています。弊社は販売代理店として、国内外7社の製品を取り扱っており、常に新しい情報が手に入るため、自社開発の長期的発展も期待できます」(同社)

「龍頭」は受注生産体制により、在庫を抱える必要がないため、同様の機能を搭載した水中ドローンよりも低コストを実現。機器販売(1台350万円~)の他、レンタルプラン(日額13万円~)もあり、トラブル対応やメンテナンスはリモートでも対応しています(1件3万円~)(※価格は全て税抜)。

まずは海外製の安価な製品等の販売を通して、水中ドローンの可能性に触れてもらい、より高機能な機器の必要性を感じた顧客に「龍頭」の購入をすすめているそうです。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

国内市場では海外メーカー製品が大半を占めているといい、同社は、使用場所や搭載できるセンサの取り扱い数などで差別化を図っているそうです。

例えば、マニピュレータについては、他社製品のほとんどは単関節のアームが1本搭載できるだけですが、「龍頭」は5関節アームを最大2本搭載可能。「マニピュレータを操作しながら、波によって少しずつ腐食が進む岸壁で、残存する厚みを同時に計測できるのは国内で弊社だけだと自負しています」(同社)。

今後の成長に向けて

(1)将来のExitはM&Aを想定

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

(2)短期計画

まずは地方自治体や、水中インフラを管理する民間企業をメインターゲットとして、市場の成長とともに、インフラ点検を行う調査会社や行政機関等へ潜在顧客が広がるものと見込んでいます。

佐藤代表が培ってきた直販のアプローチ先は100カ所以上あり、水中インフラを管理する官公庁や自治体、民間企業への営業に早急に取り組みたい考えです。

「同時に、各地の商社と提携して代理店網を整えていく計画です。地方でのセミナー等にも注力し、海洋関連の展示会に出展する計画を立てています」(同社)

(3)中長期計画

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

現在の、有線で人間が操作するROVから、今後は自律航行を行うAUV(自律型無人潜水機)が活躍する時代の到来が予測されており、内閣府も2023年に「AUV官民プラットフォーム」を立ち上げるなど、AUVの社会実装を促進しているそうです。

「弊社はこうしたニーズにも応えるべく、高機能化、多機能化を目指して、新製品の開発に注力していく計画です」(同社)

将来的にはメーカー事業のみで運営できるよう、内部体制を強化しつつ、新製品の特許取得を目指すといいます。制御系エンジニアを採用し、開発や製造の一部を内製化することで開発力と競争力を高めていきたい考えです。

(4)2030年に水中ドローンの年間販売台数36台を計画

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・ビーマップ <4316> [東証G]

・Kudan <4425> [東証G]

・ジェノバ <5570> [東証G]

・ブルーイノベーション <5597> [東証G]

・ACSL <6232> [東証G]

発行者・募集情報

■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等

株式会社水龍堂

東京都大田区羽田一丁目19番17号大芳マンション1F

資本金:1,000,000円(2024年3月28日現在)

発行済株式総数:100株(同)

発行可能株式総数:1,000株

設立日:2022年3月1日

決算日:12月31日

※2024年4月18日を効力発生日として、1株を100株とする株式分割に伴う発行済株式総数、発行可能株式総数の変更を実施しており、登記申請中。登記完了後の発行済株式総数は10,000株、発行可能株式総数は1,000,000株となる。

■募集株式の発行者の代表者

代表取締役 佐藤友亮

■募集株式の種類及び数(上限)

普通株式 2,500株

■募集株式の払込金額

1株あたり 10,000円

■資金使途

・目標募集額達成時の資金使途内訳

調達額1,000万円を以下の目的に充てる予定。

開発費 390万円

広告宣伝費 390万円

手数料 220万円

・上限募集額達成時の資金使途内訳

上記に追加し、調達額1,500万円(目標募集額1,000万円と上限募集額2,500万円との差額)を以下の目的に充てる予定。

開発費 585万円

広告宣伝費 585万円

手数料 330万円

■投資金額のコース及び株数

100,000円コース(10株)

200,000円コース(20株)

300,000円コース(30株)

400,000円コース(40株)

500,000円コース(50株)

1,000,000円コース(100株)

2,000,000円コース(200株)

3,000,000円コース(300株)

4,000,000円コース(400株)

5,000,000円コース(500株)

※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、500,000円コース(50株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、5,000,000円コース(500株)を上限とする。

■申込期間

2024年5月1日~5月13日

■目標募集額

10,000,000円(上限募集額 25,000,000円)

※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は20,000,000円とする。

■払込期日

2024年6月5日

■連絡先

株式会社水龍堂

電話番号:03-6423-6264

メールアドレス:sato@suiryudo.com

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。

〈政府系機関も支援〉需要高まる国産水中ドローンを開発。インフラ老朽化の救世主「水龍堂」に大手から商談多数

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