伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 8月4日版
日経平均は目先、当面の押し目底をつける展開になる
1. 日経平均は2020年2月、3月の下げ場面と近い動きになっている
前週末の夜間取引で、日経225先物は3万4800円で引けています。
週明け後の 日経平均株価は、3万5000円以下をつける動きになると考えられます。
これまで日経平均株価の7月11日高値4万2426円からの下げは、2021年9月から2022年3月までの調整と同程度の値幅(6114円幅)の動きになる可能性があると述べてきました。前週末の日経平均株価の終値は3万5909円で、下値目標値の3万6312円を割る程度まで下げています。
6114円幅の調整で終わるなら、週明け後の価格が反発するはずでしたが、そうならずに大幅安になると推測できるため、現在は2021年9月から2022年3月と同程度の値幅の調整ではないと推測できます。
週明け後、一段安となるなら、現在は2008年10月以降の上昇局面全体が天井をつけた後の下げ局面、または2018年10月高値の2万4448円から2020年3月安値の1万6358円と同程度の値幅(8090円幅、下値目標値3万4336円)の調整局面のどちらかだと考えられます(図1、日経平均株価の月足を参照)。
図1 日経平均株価(月足)
どちらの場合でも、週明け後に3万5000円まで下げたとしても、まだ1000円幅程度の下げ余地を残しています。
今後のポイントは、下値目標値3万4336円まで一気に下げて、押し目をつける動きになる否かです。
7月11日高値の4万2426円から前週末の終値3万5909円まで、16営業日ですでに6500円幅以上の下げ(1営業日、407円安の速度)を経過しています。
コロナショックの時の下げは、2020年2月20日(高値2万3806円)から下げが勢いづき、3月19日(安値1万6358円)までの20営業日で7448円幅の下げ(1営業日、372円安の速度)を経過しています。
世界中で経済封鎖となったコロナショックの下げ場面と似た角度で下げています。