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“よそうはうそよ”の真偽―2025年相場先読み―

特集
2024年11月29日 10時00分

日経CNBC×株探 コラボ第3弾
「幸福寿命」を延ばす資産形成アカデミー 第9回

田中彰一田中彰一
日本経済新聞社コンテンツプロデューサー兼日経CNBC解説委員
1989年、日本経済新聞社入社。主に金融・資本市場担当。ニューヨーク駐在などを経て2018年より現職。日経電子版コンテンツ開発、ニュースレター執筆、経済番組解説の「創る・書く・話す」の三刀流をこなす。お宝株を紹介する日経CNBCの動画「未来のブルーチップを探せ」は2023年の年間アクセス数首位。著書は「50代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識」(日本経済新聞出版)など多数。小冊子「日経記事でマネートレーニング」(東京証券取引所)は金融経済教育を推進する証券知識普及プロジェクトの認証を受けた。マネーと不動産の実務と健康に詳しい。

もう師走、早いですね。振り返ると2024年は金融・資本市場史に残る1年でした。「日経平均、34年ぶりバブル後高値更新」「日銀17年ぶり利上げ」など日本経済新聞でもマーケットに関する号外が3本も相次ぎました。前代未聞です。

さあそして、師走ともなれば「どうなる2025年」がやっぱり関心事でしょう。証券会社もわれわれメディアも、「来年の展望」にひっかけたイベント企画やコラム発信に余念がありません。株探ユーザーは当然として、2024年はNISA(少額投資非課税制度)人口が激増したこともあり、マーケットの行方を案ずる初心者も多いと察します。

■驚愕の的中率!? いえ、毎度のことです

そこで今回は相場の読み方、といいますか、相場を先読みしてくれるありがたい専門家や市場関係者について取りあげます。といっても、ほめるというより相変わらず辛口で嫌味な内容なのですが、リテラシーアップに必要ですので最後までお付き合いいただけるとありがたいです。

私が入社した1989年からずっと続いている日本経済新聞の一大コンテンツに「株式相場アンケート」があります。日本経済新聞の強固な取材力を活かし、著名なストラテジストやファンドマネジャーなど50人以上の意見を集計し、年始に公開します。かれこれ約35年のロングラン。業界最長のコンテンツです。

さあ、2024年の相場見通し。プロの的中率がどれほどの結果かぜひ当ててみてください。今年は株4万円乗せ、金融政策17年ぶり転換などビッグイベント尽くし、首尾や如何――。

では答えをみてみましょう。2024年はおよそ70人を対象にしました。日経平均株価4万円台を予想した割合は12%(図1)。10人に1人強の割合です。ちょっと寂しい成績ですね。

図1 プロは2024年相場の最高値をどう読んだか?

【タイトル】

ところが、もっと目を覆う事実があります。図2はいつ高値、安値をつけるか、の回答です。

高値は年末12月に集中し、安値は年初~春につけるという読みが大半でした。

実際の日経平均株価の動き(図2右)をたどってみるとモメンタムが強く、一気に4万円台へ駆け上がったのが年初~3月でした。夏にもう一度、上昇し、その後急落してボックス圏で推移しました。

図2 かすりもしなかった投資戦略……

【タイトル】

いかがでしょう。まるで反対の予想で、かすりもしていませんね。投資戦略立案という視点で専門家の予想を評価すると的中率は0%です。

プロの相場見通しが的中ゼロ……これでビビっと感じた株探ユーザーは投資センス抜群です。

そう、ある極めて重要な事実と表裏にあることを証明したからです。

50代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識
本稿は「50代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識」(田中彰一著)から第9章「新常識No.85」などを抜粋し、株探ユーザー向けに加筆・再構成しました。取材歴35年のベテラン記者が明かす127のノウハウ(=新常識)の詳細については是非、同書をご覧ください。

次ページ:プロの「予想」の真相とは?

 

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