ユニフォームネクスト:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】
| ●ユニフォームネクスト <3566> [東証G] レーティング:NEUTRAL(2025/3/6)→ NEUTRAL ◆業務用ユニフォームのネット通販を展開 ◆EC通販に関するほとんどの業務を内製化し、差別化図る ◆利益率低下に歯止めがかかるかに注目 |

(注)2023年1月1日付で1株につき4株の割合で株式分割を実施しており、2021年12月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定してEPS、BPS及び配当金を表記。
◆会社概要…ユニフォームの通信販売
飲食店や医療、作業現場などの業務用ユニフォームの通信販売を展開。業界別に独立した4つのサイト(フード:飲食店向け、クリニック:医療・介護向け、オフィス:事務などオフィス向け、ワーク:建築や製造現場などの作業服)を運営し、取扱商品数は約61万点にのぼる。ユニフォーム業界は地域ごとの販売代理店による対面販売が中心だが、同社はインターネット通販に自社コールセンター、ネーム加工などのユニフォームに特化したサービスを付加することで全国の中小規模事業者から需要を取り込んでいる。
◆業績
2025年12月期第2四半期業績は増収増益。第1四半期には防寒商材が、第2四半期にはファン付き作業服など季節商材が好調だったうえ、オリジナル商品の医療用スクラブなども堅調だったことで売上高は前年同期に比べて11.5%増収の46億8100万円となった。殊に熱中症対策義務化はファン付き作業服の需要拡大に寄与し、オフィスワーク部門の売上高は前年同期に比べて9.1%増収の24億8900万円に拡大した。また、EC経由の受注や見積もりのフォローなどで体制を強化した訪問営業の売上高は6億2600万円と前年同期比62.1%の増収だ。とはいえ、飲食業界向けのシャツやエプロンなどが伸び悩んだことで、売上高は期初の会社計画を4%下回る結果となった。
利益については商品構成変化によって粗利益率が36.6%と前年同期に比べて0.2ポイント改善したことに加え(資料1参照)、増収効果や広告宣伝費率の低下、減価償却費の減少などによって大幅な増益となった。営業利益は期初計画を12%上ぶれ、前年同期比27.8%増益の2億7900万円と、上期としては最高益となった。

利益は期初の想定を上回ったものの、売上高が想定を下回ったことで通期業績は据え置かれている。今村証券でも3月時点の予想を据え置き、今期については売上高96億円、営業利益5億3600万円、純利益3億7000万円を予想、来期については売上高を今期今村証券予想比12%増収の108億円、営業利益は同12%増益の6億円、純利益は同13%増益の4億2000万円を予想、EPSは41円程度を見込む。
◆市場環境と強み
ユニフォーム市場はメーカー出荷ベースで5,000億円程度とされる。このうち同社が扱うユニフォームの市場(警備服などの特殊ユニフォーム、スクール用を除く)は2,000億円強とみられ、さらに同社のターゲットである中小事業者向けを約半分とみれば、ターゲット市場は約1,000億円、販売価格ベースでは約1,800億円と推定される(原価率60%)。市場は横ばいだが、同社のシェア拡大余地は大きそうだ。
アマゾンなどの大手ネット通販や同業他社との差別化を図るために取り組むのは、① 業務の内製化、② 自社での物流及び流通加工――だ。
①業務の内製化
ホームページやカタログなどの制作、広告、注文や問い合わせ対応の接客、物流、ITなど通信販売に関するほとんどの業務を自社で取り組み、スピーディーで高品質な対応を実現している。殊に商品詳細情報の問い合わせ対応やアフターケアなどのサポートサービスの充実、ユニフォームのサンプル貸し出し、社名・ロゴなどの刺繍やプリントなどの加工は他のネット通販業者との差別化のポイントだ。こうした取り組みが顧客満足度を向上させ、リピート率を高めている。
②自社での物流及び流通加工
受注から納品までのリードタイムの短縮を図るべく物流と流通加工も内製化している。本社に物流センターを併設し、刺繍やプリントなどの加工も原則的に自社で対応している。受注仕入が慣習化しているユニフォーム業界では珍しく、重点商品を在庫として持つことで即出荷にも対応、イレギュラーな要望に対応することもでき、顧客満足度の向上につなげている。
こうした取り組みのもと売上高は拡大が続いている。足元ではIT投資を拡大し、顧客のユニフォーム購入サポートのためのアプリケーションを開発したほか、システム基盤を強化し効率化を進めている。また訪問営業にも注力しており、人員30名体制に増強、取扱量の拡大を目論む。
◆業績予想と投資判断
成長余地が大きいことや2桁増収が続いていることは高い評価につながる一方、同社においては利益率が低下傾向にあることが課題といえる。今期上期の粗利益率が改善したことはポジティブな印象で、今後も改善傾向となるかが注目される。利益率の改善とともに再び成長期待が高まってくれば判断を見直したい。
| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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金融商品取引業者 北陸財務局長(金商) 第3号
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※今村証券より提供されたレポートを掲載しています。
株探ニュース